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今年6月に中央アルプス空木岳から檜尾岳を縦走中に、熱中症になり避難小屋に緊急ビバークをせざるを得なくなりました。(その時の山行記録は以下のリンクをご参照下さい。)
★緊急!避難小屋泊★ 熱中症!?行動不能寸前 空木岳〜檜尾岳周回縦走
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5627892.html
その時は幸い、コース中に快適な避難小屋があり、避難小屋ビバークで難を逃れることができました。
その経験を経て、意図せず緊急ビバークが必要になった時に避難小屋がない環境下で冷静に対応し、自力で下山する方法を身に着ける必要性を感じるようになりました。
そこで今回、ビバーク用のギアとしてツェルトを購入し、その設営の練習やビバークするにあたって、不安に感じていることについて野外で検証してみました。
ただ、今回は山中ではなく、市街地の公園内で行いましたので、実際の山行中の環境や状況とは異なり、リアルな世界ではもっと厳しい状況になると思います。
しかしながら、ツェルトは買っただけでは意味のないギアですので、事前に想定できることだけでも準備し、使いこなせる練習をしておくことが大事だと考え、早速、設営練習と検証を行いました。
実際、設営してみると、事前にYoutubeでイメージ練習していたので、自分が予想していたよりは一人でも簡単に設営できました。
ただ、一番の心配ごとは、設営方法ではなく、ツェルトで安全に一晩を越せるかということです。
特に気温が低い状況や天候不良時など、マットやシュラフがない中で耐えて、睡眠を取り体力回復することができるかということです。
今回は、まだ実際、ツェルトでビバークはしていない為、設営練習程度ですが、近々、避難できるような場所でツェルトビバークを体験してさらに検証していこうと思っています。
●日時
2023年8月6日(日) 16:00〜17:30
●場所
愛知県稲沢市の稲沢公園内
●練習の目的
意図せず緊急ビバークになった時に、寝具ギアなしで、ツェルトと周りにある資材だけで一人で設営、ビバークできるか野外検証する
●購入したツェルト(1〜2人用)
・アライテント スーパーライトツェルト1 重量:280g
https://amzn.asia/d/1P4WzZ9
●ツェルト本体以外に買い足したもの
・張綱 重量:50g
・ジュラルミン製軽量ペグ(8本) 重量:96g(12g×8本)
・ツェルト用ポール 重量:225g(2本) ※普段トレッキングポールを1本しか使わないことや、軽量化の為
・グランドシート(テント用のものを流用) 重量:235g
・100均の軽量アクセサリーカラビナ 4個 + 予備1個
・細引き(ファスナー用に)
・スタッフバッグ(ツェルト、ペグ、張綱収納用)※取り出し、収納のスピードアップの為
【合計重量】 650g
※ツェルト本体+買い足したもの
※ツェルトポールは1本で計算(もう一本はトレッキングポールを使う為)
●事前に自宅でツェルトにチューニングしたこと
・入口上部と背面上部のツエルトを吊るす為のループに100均のアクセサリーカラビナを追加(3枚目の写真)
→張綱をガースヒッチではなく、ワンタッチで脱着できるようにする為
・張綱の末端に100均のアクセサリーカラビナを追加
→樹木に張綱を固定する時にワンタッチで取付できるようにする為
・入口のファスナーに細引きの紐を追加
→グローブのままでもファスナー開閉をしやすくする為
●参考にした情報
・ツェルトの設営方法(アライテントのサイト)
https://arai-tent.co.jp/support/support08.html
・ツェルトの設営・緊急時に備えて覚えておきたい使い方
https://youtu.be/yESsRzBtS_k
・山に行けない日はツエルト張りコソ練しよう!
https://youtu.be/kKO9lSelmls
・ビバーク技術 地面からの断熱方法
https://youtu.be/W0Fq29xAm5g
●ツェルトを使用するにあたって不安に思っていること
・緊急事態に短時間でしっかり設営ができるか?
・床に隙間があるので、水、虫が入ってこないか?
・雨が降った時に雨漏りや水没しないか?
・マット、シュラフなどの寝具ギアがない中で寝ることができるか?
・地面からの冷気に対応できるか?
●想定している状況
宿泊用のギアを持たない山行(主に日帰り山行)で、天候不良、体調不良、日没などにより行動できず、ビバークが必要になった時
●練習した設営パータン
1)ポールを支柱にして設営(1枚目の写真)
設営場所に樹木などがない場所などで設置するパターン
2)ポールなしで樹木に張綱を固定して吊り上げて設営(2枚目の写真)
設営場所に樹木や張綱を固定するものがある場所で設定するパターン
●設営にかかった時間(計測はいずれも練習なしで1回のみ)
1)ポールを支柱にして設営
約15分 ※初めてツェルトを設営
2)ポールなしで樹木に張綱を固定して吊り上げて設営
約7分
●検証結果
・説明方法は、ポールを使わず、樹木に張綱をして吊り上げる方法が圧倒的に簡単で早い
・しかも支柱となるポールがないので、出入りが楽で、崩れる心配がない
・設営の簡単さだけでなく、風雨の影響、冷気の遮断、設営の容易性を考えると樹林帯の中で設営すべき
・水没予防、冷気遮断、ツェルトの保護の観点からグランドシートは必須
・シュラフ替わりにエマージェンシーシートもあった方が良い
・土の上であれば、予想外にマットがなくても我慢できるレベル(石などの突起物がないのが前提)
・床の隙間は、グランドシートを敷き、ザックや衣類で隙間を塞げば、対応できそう
・身長が176cmあるので、室内はやはり狭く感じるが慣れれば我慢できる
●感じたこと
・今までの日帰り山行より重量が650g増える影響は大きい
・その為、コースレベルに応じて、この装備とエマージェンシーシートの使い分けになりそう
・気温が低い季節で、地面からの冷気を感じる時に、マット、シュラフなしで耐えることができるかは不明
・冷気遮断の方法として、グランドシートの下に木の枝を敷き、その上に落ち葉を乗せて断熱材として使う方法がある
・しかし、それらをかき集めて敷き詰めるのに1時間以上かかるという
・緊急時にそこまでやれるか分からない。
・設営準備(断熱材の準備)と設営時間に1時間以上かかることを考えると、日没よりかなり早い時間にビバークを決断して準備する必要を感じる
・これらの準備が間に合わない場合や、体力的に設営困難な状況の場合は、設営を諦めて、風雨の影響が少ない場所でツェルトを巻き寿司のように体に巻き付けて横になるような方法ぐらいしか現時点思い浮かばない
●今後の予定
・実際にツェルトでビバークして、睡眠ができるか検証
・設営をスムースにできるように時々、反復練習
はじめまして、おはようございます。
詳細なレポートありがとうございます。とても参考になります。私も防水用のシームコートまで買ったものの実践はしていません。「コソ練」しなくちゃ、ですね。
こんばんは。
コメントをいただき、ありがとうございます。うれしいです!
そうですね。せっかく買ったものですし、うまく使えれば命拾いすることもあると思いますので、「コソ練」、大事ですね。(笑)
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