大キレット ジャンダルム 体験記

やってきましたよ、槍・穂高縦走

３泊４日のつもりが、４泊５日になってしまいましたが、

雨が全く降らない最高のコンディションに感謝する限りです。




【１日目】

新穂高温泉から槍平小屋まで

身体慣らしのつもりが、実際かなり疲れてしまいました。

途中、心霊スポットと言われている滝谷避難小屋を取材・・・

霊感のない私にはわかりませんが、なんとなくここで寝るのはいやかな・・・

そうこうしているうちに槍平小屋に到着！！

標高２０００ｍくらいで、あまり涼しいという印象はありません。

今回の行程で唯一水がタダの小屋でした。

必然的に水をたくさん使うパスタ、初日にいただきました。

私はオレンジのエアライズ、Ｎｉｓｈｉは黄色のツェルト

大丈夫かなぁ・・・




【２日目】

槍ヶ岳に登りそのあと、南岳小屋まで行きます。

槍ヶ岳に登っているときに槍ヶ岳山荘に物資を運ぶヘリを見ました。

http://www.youtube.com/watch?v=aPT3xrWQFWc&feature=share&list=UUO6yx9EiKkGRSXyOHOqb4Sw
（youtubeにアップ）

ヘリで運んでいるビールが高いわけがわかります。

それにしてもヘリをみるとどうしても、

岳の牧さんを思い出してしまうが・・・

大喰岳・中岳・南岳と超えてやっと南岳小屋に到着！！

この日はマジ疲れた・・・

南岳小屋で、初日から参加できなかったかっちゃんと合流。

明日の大キレットに向けて英気を養っておく。

南岳小屋は高度が高いので非常に寒い・・・

ツェルトでしのぐのは無理とのことで、

Ｎｉｓｈｉは私のテントで寝ることとなりました。

時間は少しさかのぼりますが、

南岳小屋でちょっと腹立たしい事がありました。

小屋に１７：３０くらいに到着してテント泊の受付をしていたときに

「どちらから来られました？」と聞かれたので、

「槍平です」と答えました。すると、受付の人（小屋の主人？）は

「遅すぎますね、あと２時間は早く来てください」と言いました。

確かに１７：３０は遅いかもしれないが、言い方も感じ悪く、

気遣いの心を全く感じられません。

例えば、

「お疲れ様です、槍平から槍ヶ岳経由だとさぞお疲れでしょう。

ただ、暗くなると大変危険ですので１５時台にはテント場までお着きになると

いいと思いますよ！」とか言ってもらえれば、こちらも気分もいいのに・・・

ココには二度と泊まらないぞと思いました。




【３日目】

いよいよ大キレットにチャレンジ

国内の一般登山道としては、最高難度のルートです。

ザックが軽ければそれなりに行けるルートですが、

重いザックが肩に食い込みます。

ザックの上の方に重たい水を入れていたりするとバランスを崩してしまうので

重いものはザックの中心に移動する必要があります。

長谷川ピークから飛騨泣きというところまで難所が続きます。

登山をしていてあまり「死」というものを意識することはないのですが、

このルートはマジでやばいです

Ａ沢のコルというところでどうやら前日滑落した人がいるとの情報を聞きました。

あまり聞きたくない情報ですが、実際にここで何人もの人が亡くなっているようです。

痩せた岩に浮石が多く、かなり注意深く登っていても下に石を落してしまいかねません。

ヘルメットは必須です。

当たり前ですが、ハシゴ場なども多く、高所恐怖症の方はやめた方がいいでしょう。

直登する場面も多いので、腕の筋肉も使います。

重たいザックでここに臨むには、上腕のトレーニングも必要ではないかと思います。

どうにかこうにか北穂高小屋まで来れました。

北穂はマイナーなイメージもありますが、

槍ヶ岳や前穂高からの穂高連峰が眺望できるので

宿泊するには良い場所です。

また、いろいろなルートの分岐点になっているので小屋も盛況でした。

昨日テントで一緒だったＮｉｓｈｉのいびきであまり眠れなかったため

体調が思わしくありません

食欲がないので、北穂の売店でフルーツ缶を購入して食べました。

元気がないときは甘いものに限ります。これで頑張れそうです。

北穂から奥穂間も危険個所は続きます。

登って下りて、登って下りてそれが縦走だと言われればそうですが、

この修業は厳しいです。

今日は１４：３０に奥穂山荘に到着！

「遅いですね」とは言わせないぞ！！

着いたらびっくりの混み具合。

テント場がいっぱいなのですでにヘリポートも解放しています。

夜トイレに行ったときは、トイレ前までテントでいっぱいでした。

今日はさすがに、しっかり寝たいので、

Ｎｉｓｈｉにはかっちゃんのテントで寝てもらおう。

あすはいよいよジャンダルムに挑戦だ！！





【４日目】　
今日は奥穂から西穂へ向かいます。

言葉で聞くと大したことありませんが、

最難所であるジャンダルムを超える必要があります。

ちなみにジャンダルム（gens d'armes）とは

フランス語で「憲兵」という意味です。

西穂高からみて、ジャンダルムは奥穂高の「前衛」という意味でしょう。

山と高原地図では点線になっているルートで、

難路であることは間違いありません。

ルートの上の注意書きに、「奥穂高岳〜西穂高岳は

北アルプスの中でも屈指の難ルート・・・」と書かれていました。

馬の背と呼ばれる地区は文字通りど両サイドが崖で

どちらに落ちても助からない場所です。

しかし、意外とチャレンジする人多いのね。

ジャンダルムを行程の一番後ろに持ってきたのも意味があります。

食料が減ってザックの中身が一番少ない状態だからです。

出発の時２３ｋｇのザックが２０ｋｇ近くなっているはずです。

慎重に岩稜地帯を進みます。

馬の背ですから、３６０度大パノラマです。

なんとかジャンダルムの標識まで来られました。

一緒に来たかっちゃんは３度目でやっと来られたといっていました。

こんなコンディションはめったにないかもしれません。

日頃の行いが良いからでしょう！

Ｎｉｓｈｉは明日仕事があるとのことで、ここからは別行動で

急いで下山し始めました。

後で聞いたら１５：００にはロープウェイに乗っていたのだから

ヤツの体力はどうなっているんだろう。

私はというと、ジャンダルムを過ぎてから、体が重い・・・

槍ヶ岳・奥穂高岳・大キレット・ジャンダルムとクリアして

目標を見失ったからしまったからかもしれません。

どうも疲れが出てしまい、ペースがどんどん遅くなってしまいます。

あまりに疲れているのがわかったのか、

キャンディーやフルーツの砂糖漬けなど甘いものを

何個か登山者に分けてもらいました。

やっぱり、疲れているときには甘いものだね！

それでも西穂山荘についたのが、１７：００に到着。

山荘からロープウェイ乗り場まで１時間かかるので、

最終が１７：１５、今日帰るのは無理です。

西穂山荘のテント場に泊まることになりました。

食料もあまりなかったので、西穂山荘で豚汁とおでんいただきました。

西穂山荘の食事はうまいねぇ。

テントでぐっすり寝て、始発ロープウェイで新穂高温泉まで戻ってきました。

４日も風呂に入っていなかったので何よりも風呂ということで

近くのひがくの湯にいきました。

身体に染み入るいいお湯でした。

食事のメニューも充実していたのでここでご飯も食べました。

飛騨牛焼肉定食２３００円です。

飛騨牛うまいです。これも身体に染み入るようです。

４日〜５日の体験ですが、

今回は一番辛く、一生涯忘れられない記憶に残る山行となりました。

同行してくれたＮｉｓｈｉ、かっちゃんありがとう

いろいろな情報をくれた方、励ましてくれた方ありがとうございました。

しばらくは登山はいいと思いつつも、次はどこへ行こうかな・・・と

考えている自分がいます。次回は楽しい登山がやりたいですねぇ。



こちらがその時のデータです。

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-333022.html