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今回はまだ一度も行ったことのない上峠に行くこと、南まわりのトラバースの途中から南西に直下降で下り、前セリに至ること、大船・段原から池を東回りに回ってみることなどだ。先月十日に引き続き再び黒嶽荘にやって来た。着いたのが午前5時ごろで、まだ外は真っ暗、三週間前と比較してだんだん夜明けが遅くなっていくのを感じる。飼い犬の小型のワン公が、寄ってきて吠える。こんな夜明け前に確かに怪しい奴と感じたに違いない。それでもしばらくしたら、馴れてくれた。白み始めたので仕度を終えて出発する。気温は15度程度。それでも昼間の暑さを予想して、水は3ℓ背負う。ザックが肩に重くのしかかる。先ほどのワン公がなぜかしらついてきた。小生の前を行ったり、脇の茂みを走ったりで、そのうち帰るであろうと思って、かまわず先へ進む。カツラモトに着く、とワン公はいる。ここから上峠方面へ向かう。2,3か所でここはどっちへ行くのかなと思うところはあったが、踏み分けはある。上峠に着く。ここが上峠かと初めての上峠の標識に見入る。ワン公は、、、いる。黒岳、風穴の方への標識に従い歩く。いったん少し下って急登を坂上に向かって進む。ロープが上峠から坂上まで延々と設置してあり、迷うことはない。こういうロープの設置の仕方は初めて経験する。珍しい。急登を登ってふうふう言いながらも坂上に着く。ワン公はやっぱりいる。ここから南まわりのトラバースルートを歩く。青空が見え、森の中は明るい。後ろでがさごそと音がするのでふりかえると、ワン公だ。まだついてくる、帰りきるのだろうかといささか心配になってくる。しばらく行くと赤テープがひときは目立つように巻かれており、ここからおおむね南西の方向へ直下降で下ることにする。 要所要所にテープは設置されている。前セリに着く。ここで休憩し、握り飯を食べ水を飲む。知らん顔もできんからワン公にも分け与える。水は左手にくぼみをつくり、水を入れて差し出すとぺちゃぺちゃとうまそうに飲む。お前なここで帰らんとほんとに知らんぞとますます心配になってくる。この後、大船山まで東稜ルートのきつい登りがまっているとに、どがんすっとか。大船山頂を目指す。最初の登りはそんなに急ではないが、上に行くにしたがい勾配がきつくなる。時おり涼風が吹くも、それにひたる余裕はない。水を飲んでもすぐのどが渇き、我慢我慢の連続だ。ワン公はといえばつかず離れずしっかりとした四本の足取りでついてくる。こいつただものではないかも。ワン公にも小休止のたびごとに水を飲ませる。ワン公といってもどうやら女子らしい。やっとの思いで急登を登り切り、勾配は緩やかになる。山頂直下の御池に行き、ワン公に水を飲ませる。腹一杯飲んだようだ。出発してから5時間ほどで大船山の山頂に立つ。まずまず晴れていて、眺望は良い。10人ほど登山者がいたが、ワン公はそこら辺を歩き回り、愛嬌をふりまく。心優しい人からは食べ物をもらったりしている。このワン公全く吠えない。それが幸いしているのかもしれない。しっかりと腹ごしらえをして段原の方へ下るが、ワン公はついてこない。ここでお別れか。段原から東へ灌木の中へ入り込む。途中に標識があり、右黒岳、左大戸越・平治岳とあり、左へ行き池の所まで足を延ばす。静かなたたずまいだ。先ほどの標識まで引き返し、黒岳方面へ足を向ける。この急下降の登山道はガレ場で滑りやすくて歩きにくい。肩に力が入る。ようやく風穴の手前まで下って来た。あとは軽いアップダウンを繰り返しながら黒嶽荘へ。ガスがかかりはじめ暗くなってきた。下りも結局5時間近くかかり黒嶽荘に到着。まず犬小屋を見にいったが、まだ帰宅していないようだった。ここの名物の一つ、炭酸水をポリタンクに60ℓ汲んで帰る。炭酸水は肝臓に良いと聞いている。慢性肝炎の身としてはその薬効に期待したい。よく冷えているのでポリタンの表面は露をうっている。60ℓの値段は1500円なのだが、旅館の美人若女将は1000円でいいですよとまけてくれた。
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