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僕はあなたの口にする言葉をおぼえた
それはひとつの花の名であった
それは黄いろの淡いあはい花だった・・・”
24歳8か月の若さで急逝した立原道造氏の詩『ゆうすげびと』の冒頭の言葉である。
学生時代、自分の感情を表現するのに、詩のフレーズや短歌を引用することがよくあった。
スマホは勿論、パソコンさえもまだ無い時代、すぐに調べる事も出来ないので、いくつかの詩や短歌を暗誦していた。
覚えやすいのは石川啄木の短歌や八木重吉の詩。中原中也の詩は覚えきれなくて、詩の中の好きな一文のみ暗誦していたことを覚えている。
その中で数十年経った今でも心に残っているのが立原道造氏の詩。
特にこの『ゆうすげびと』は、キスゲの花を見る度に頭に浮かんでくる。
南伊豆 石廊崎の西側にある「ゆうすげ公園」に、今年も”ゆうすげ”の花が咲く時期になった。
午後3時頃から開花し、翌日午前中には萎んでしまう”ゆうすげの花”に合わせて、夕方に花を見に行って来た。
海沿いの断崖の斜面に群生する”ゆうすげの花”。
ニッコウケスゲの群生には艶やかさを感じるのだが、ゆうすげの群生には哀愁を感じる。
何故だろう??同じような花なのに・・
たぶん・・『ゆうすげびと』の詩が心に刻まれているからかもしれない。
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