テレワークをきっかけに、朝トレで近所の公園の階段を上り下りすること2年半。お爺お婆わんこの公園友達がめっちゃ増えて、毎朝ほんま楽しいです〜!
そんな中、毎日ではないけど、時々同じ階段を上り下りする70過ぎのお姉さまがいらして、その足元をチラ見すると、履き古したボロボロの登山靴なのですよ。シリオかスカルパかの。
で、めっちゃ気になってある日思い切って話しかけてみたら、やはり姉さま、以前はお山を登ってたけどブランクがあって、再挑戦のためにトレーニングを始めたとのこと。
そのいきさつがとんでもなく壮大で素敵なお話でした。
姉さまの旦那様は若い頃ガチクライマーだったのですが、結婚と同時にお山とは足を洗ったのだそう。そして月日が流れて姉さま60歳の頃、全くの観光でご夫婦で上高地を訪れた。
梓川からの穂高・明神を見た姉さま、その美しさに思わず「わぁ綺麗な山。登ってみたい」とおっしゃった。
元ガチクライマー、もちろんこれは聞き逃しません。「登れるよ」と即答!(笑)
そこから姉さまの山キャリアがスタート。片っ端から週2ペースで山に入る生活が始まった。
そのころ既に旦那様はお身体を悪くされていて、あまり同行はできなかった。でも豊富な知識と経験を元にいつも助言をしてくれたので、姉さまは、その後10年で南ぷす北ぷすの主要なお山のほとんどを踏む実績を積んできた。
でも旦那様の病はだんだん重くなり、姉さまは介護のためこの数年は山に行くことも控えるようになった。
そして昨年、旦那様は闘病の末、とうとう帰らぬ人になってしまった。
「法事もひととおり終わって気持ちも落ち着いてきたので、また登ろうかなと思ってね」と笑う姉さま。
「あの人は、『北穂の山頂から見る月が、凄く綺麗なんだよ。いつかお前と一緒に見たい』と言ってたからね。あの人のお骨と一緒に北穂に登って、一緒に月を見ようと思って。だから北穂に登るためのトレーニングなの」
姉さま。。。。早朝から泣かせんでください。。。
なにその三歩さんがひょこっと出て来そうな素敵な話。。。(涙)
姉さま自身もお身体に不安があって「この先チャンスはそう何度もない」と言ってるのですが、お山の神様は全てご存じのはず。夏の満月の夜は、北穂を晴れにしてくださいますよ、絶対!
旦那様と北穂の月、いいですね〜。
ガチクライマーと結婚されても60過ぎまで山に行かず、そっから南北アルプスを極めるとは追い込みが素晴らしい。
年齢とともにガタのくる体を押して山に向かわれる姿にもグッときました。
しかし、kunikonさん、コロナでも朝トレしっかりされてて凄いですネ
朝トレは、サボるとお爺お婆から盛大に叱られるのでやむなく。。。
ほんまに、姉さまの強さを尊敬します。身体の強さも、心の強さも。
そして、家族のために自らは危険なお山と決別し、また数十年後にその家族のお山をサポートした旦那様もとても素敵で。
ホンマ、姉さまが優しい旦那様と一緒に、北穂の月を眺めることができますように。
感動的な日没と月の出に翌日の天気が約束されたようで期待してたら、次の日から連日の雨。
結局、滝谷は登れず、テントを涸沢に降ろしたら天気は回復。
これが、私の「北穂の月」の思い出。
山姉さまのようにドラマチックな話ではないけど、あの時の月は記憶に刻み込まれています。
おお〜!北穂の月をリアルでご覧になってましたか!
ガチ旦那様は滝谷やってたのかなとぼんやり推測してたけど、ぐち先生のリアルな思い出で凄く納得です!
北穂の月と聞くと、涸沢テント群の明かりの上にぽっかり浮かぶ満月を想像していたのですが、笠の夕日と蝶の満月って、うわ〜、それは絶対最強の絶景だわ!
お山のくるくる天気に翻弄された10代のぐち先生の無念も、山の神様はニヤニヤ見てたかもしてませんね〜
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