相当昔(10年以上前)にいつかの雑誌「岳人」で、この本になった連載の何回か(もしかして1度だけかも)を読んだことがあった。服部文祥との剱沢大滝への山行で、服部文祥をけっこうディスっているのが面白く、その文章に引き込まれたのを記憶している。その時、この連載が本になったら読んでみたいなと思った。ずいぶん昔に連載が本になった(2014年3月初版)のは知っていたが、登山界では有名な方だとは思うが、自分にとっては全く知らない登山家だったし、ちょっとお値段お高めということもあり、本屋でこの本を見つけてもこれまで通り過ぎていた。そういえばそんな本があったなと最近ふと思い出して、ようやく購入して読んでみた。
冒頭から引き込まれた。狂人的な彼の登山という実際の行動と、その登山における冷静で時に詩的な思索とのコントラストが、なんとも味わったこともない感覚で胸に突き刺ささる。他人からすれば十分に山をやり切ったような人生であるが、本人としては「後悔はないけれども、私は満たされていない。」という山への情熱という言葉だけでは到底表せない山に対する何かを持っている登山家であるような気がする。その何かを探りながらもう一度じっくり読んでみようと思う。
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