《山は、「リフレッシュ（心身再生）と野生への回帰」》
その��：「性愛・山・演劇」、その共通項（時間的全体感）。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
前回（http://www.yamareco.com/modules/diary/21702-detail-35834）文章で、山歩きに得られる感懐を、特に「下山時」を例えてこう書きました。
簡略すると、
＊山歩き下山時の意識集中⇒意識的に部分（現在）としての自己を味はひ尽くす課程において、全體感（時間的全體感）が象徴的に甦る⇒「實在感」の成立
⇒「「リフレッシュ（心身再生）」。
尚、当ブログ初お目見えの方に詳細を申し上げますと、以下の通りであります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
�∈擔瓦涼躇奸塀乎羔�烈化）により、「意識的に部分（現在）としての自己を味はひ尽くす課程において、全體感（時間的全體感）が象徴的に甦る」。何故ならばその時「過去と未來とから切り放たれた現在だけが、過去・現在・未來といふ全體の象徴として存在してゐる」からである。山歩きと言う一歩一歩の現在集中で「過去未来」が意識から消えて暗黒化し、その樣に「前後に暗黒があればこそ、その間の時間を光として感じることができる」。即ち換言するならば「意識は過去・現在・未來の全體を眺めわたせる地位にありながら、しかも限られた枠のなか（現在）だけしか見ようとしないから、その間の時間の経過を強烈に味はふことができる」のである。
↓
��さうした「時間的全體感」の獲得により、「（自分の肉體からそつと足をぬいて）上に脱け出た意識は、足下の現實が時々刻々に動いてゐることを（まざまざと）實感」する。
即ち「實在感」が其處に成立する」が、以下文に通じるのであります。即ち、「實在感」＝「リフレッシュ（心身再生）と言ふ事に・・。
＊森羅万象（大自然）と言う、大きな「全体」に身体（部分）が、
“ふっ”と掬い上げられるような不思議な体験が、特に下山時、今までの緊張から解放された際に、訪れたことがよくありましたっけ・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
で、今回は上記の、
「“ふっ”と掬い上げられるような不思議な体験が、特に下山時、今までの緊張から解放された際に、訪れた」事について書きたいと存じます。
「福田恆存」は、評論『人間・この劇的なるもの』だったかで、演劇の役者について以下のような内容を書いております（要約）。
＊舞台で役者が最高の演戯を成し終えた時、そのフィナーレにおいては、
巻ききられたバネが解除されるかの様に、「意識」は強度の緊張から解放され、「肉体」は今迄の燃焼に終止符が打たれる。
その時、其処に、「時間的全體感」獲得による、必然感即ち「成すべき事を成し終えた」と言う、全体的充実感・満足感・実在感が訪れる。その時役者は貪婪に「生の充実」を味わう、 と（演劇が「時間藝術」と言われる所以はそこにあります）。
小生の言いたいのは、それと似た感懐が「山」でも得られているのでは、と言うことなのであります。まあ、下手な役者が上記を得られないのと同じく、平生雑念に支配されていると、山へ行く度に毎回、そのような実在感（時間的全体感）が得られる訳ではないのが残念なのではありますが・・。
ともあれ、その辺の件り（山の下りの話だからと言って洒落た訳でもありませんが）を、探求してみたいと思います。
＊で、「山」においては、その満足感・実在感は麓に下りて来た時に訪れる。
そのフィナーレ（山行終了）において、演劇と同じく、巻ききられたバネが解除されるかの様に、「意識」は強度の緊張から解放され、「肉体」は今迄の燃焼に終止符が打たれるのであります。
山道が終わり、林道を里のバス停に向かって、充分燃焼仕切った身体でトボトボと歩いている時にそれは“ふっ”と訪れる。
歩行時の細心注意（集中強烈化）により、「意識的に部分（現在）としての自己を味はひ尽くす課程において、全體感（時間的全體感）が象徴的に甦る」が、山行終了時に訪れるのであります。
その時、其処に、役者と同じく山びとも、「時間的全體感」獲得による必然感即ち「成すべき事を成し終えた」と言う感懐を伴って、「全体的充実感・満足感・実在感」を得、貪婪に「生の充実」を味わうのであります。
余談ではありますが、何故「下山時」の方がそうした感懐が得られる機会が多いかと言いますと、こう言う事になります。
「登り始め・登りどき」においては、山びとは、頭にはいっぱいそれまでの娑婆における雑念を抱え込んでいて、しかもこれからの未知の山行への妄想も加算されて、言わば「六根＝眼耳鼻舌身意」（煩悩の根）は清浄ならぬ不浄の状態と言えます。「登り」はむしろその「不浄」を浄化するプロセスと言えます。
故に、かかる情況下においては、一歩一歩登りながらも「意識的に部分（現在）としての自己を味はひ尽くす」などと言う事はなかなか無理なのであります。
上手くすれば、頂上或いは小屋に到着した時、「全体的充実感・満足感・実在感」を得られる場合もあるかも知れません。が、登頂等の感動はむしろ、景色の感動（空間的全体感）に席を譲り、上述の「時間的全体感」と言う、静的感動の到来は通常難しいかと思われます。
（一般的に山の感動については、壮大な景色の感動（空間的全体感）は主張されますが、今回テーマの「時間的全体感」による感動が謳われる事はあまり耳にしません。まあ、その為に其処にスポットを当ててみた訳でもありますが・・）。
＊そして「性愛」においても、
やはり、そのフィナーレにおいて、演劇と同じく、巻ききられたバネが解除されるかの様に、「意識」は強度の緊張から解放され、「肉体」は今迄の燃焼に終止符が打たれるのであります。
演劇や山と同じく「時間的全體感」獲得による必然感即ち「成すべき事を成し終えた」と言う感懐を伴って、「全体的充実感・満足感・実在感」を得、貪婪に「生の充実」を味わう、は言えるのではないでしょうか・・。やはり、先ほど書いた「山」における以下の感懐�△�此処にも当て嵌まるのではなかろうかと思うのではあります。
�∈擔瓦涼躇奸塀乎羔�烈化）により、「意識的に部分（現在）としての自己を味はひ尽くす課程において、全體感（時間的全體感）が象徴的に甦る」。何故ならばその時「過去と未來とから切り放たれた現在だけが、過去・現在・未來といふ全體の象徴として存在してゐる」からである。山歩きと言う一歩一歩の現在集中で「過去未来」が意識から消えて暗黒化し、その樣に「前後に暗黒があればこそ、その間の時間を光として感じることができる」。即ち換言するならば「意識は過去・現在・未來の全體を眺めわたせる地位にありながら、しかも限られた枠のなか（現在）だけしか見ようとしないから、その間の時間の経過を強烈に味はふことができる」のである。
まあ、この辺の詳細は、此処のサイトでは「相応しからず」でもありますが故に割愛しますが、是非参考としては、英国作家「ＤＨロレンス」の『チャタレイ夫人の恋人』をお勧めいたします。ロレンスの思想を端的に書きますと、性愛は「生命の源泉」「生命の最も根源的なるもの」へ帰っていくための通路」と述べております。
まあ、今日はこの辺で・・・。ご高覧ありがとうございます。
山を登りつくされてのご感想、拝聴いたしておりますが、当方も最近は硬派な文章に接すること少なく、目がしょぼしょとしてだらしなくなっておりますが、そうですね、山へ登る行為全体としてとらえた時には、山頂に立つときの充実感と、家に無事たどり着いた時の充実感は次元の異なるものかもしれませんね。
<生>の充足感をどこでとらえられるか、もうこれからの課題とすると大変困難な時代に直面いたしているように思えます。
＜老後難民＞の一員としては、はなはだ困難なテーマではありますが、先日槍沢小屋で出会った76歳の御仁が毎年残雪の槍ヶ岳に登られているといわれる背景に、＜生＞の実感をとらえるべく挑戦されておられるのではないかと、今改めて思います。
＜山中哲学あり、今その不在を嘆く＞思いを抱かれる＜がくじん＞ありですか。
＜がくじん＞で変換したら＜楽人＞しか出てこない。
たいへん難しい文章についていけないこちらの能力は棚上げして、こういう硬派の文章をお書きになるあなた様に敬意を抱いておりますよ。昔、全学連、全共闘なんてことはないですよね・・・今死語だもんね
再々、丁重なるご投稿痛み入ります。
前々から、想念として漂っていたものを、
今回整理と申しますか、纏めてみたものであります。
保守派評論家の大御所「福田恆存」著作は、二十代から良く読んでいましたから、
「全学連、全共闘」とは、勿論、一線を画していましたのは言うまでもありません。
いよいよ夏山も近く、
どうぞ充実したお山を歩き下さいませ・・。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する