殿様に頼まれた仕事

2023年10月22日 15:11未分類全体に公開

殿様にうちの城跡を整備してほしいと頼まれた。
半年ほど前の話。
聞いてみると南北朝期（１３４０年頃）に築城された山城跡。
地方の歴史書にも記載されている。
殿様はその城を築城した家系の当主にあたる。そして姓は私の住んでいる住所の地名と同じ。たぶん城主の姓が地名になったものだと思われる。

殿様は先代がはじめられた事業を発展させ年商１５０億ほどの会社に成長させた。現在は会長職に退いて経営を息子さんに任せている。
８０歳になられ地域への貢献活動をされている。

その会長さんとプランを練った。
会長さんも子供の頃見晴らしのいい城跡へ登って遊んだらしいし、私も
同じくそこで遊んだ。時期は少しずれているが二人にとって思い入れのある場所である。
それがプロパンガスが出現して薪が必要なくなって誰も木を切らなくなった。５０年ほどの間に木は大きく成長しジャングルになってしまった。
人が活動するには適切ではなくなってしまったので、少し木を切らせていただいて展望広場にしようということになった。

私は造園と土木の仕事をしているので公園の建設に携わってきた。ほとんどは公共の仕事だったので自分でプランしたものではなかった。
それらを振り返って　良いものはほとんどなかった　と思っている。
測量機械を使って作り出した直線やきれいすぎる曲線は自然にはなじまないと私は考えている。（山登りをされている方は気づいているのでは）
そして自然の石や木でできたものはいいが　コンクリート（擬木）やプラスチック製品を使ったものは全くダメだったと思っている。
それらの経験を生かして人為的なものは最小限にとどめて展望広場を作ることにした。

城跡の木は大木を少し残して展望を妨げているものは切らしてもらった。神社の土地でもあるため作業に入る前に宮司さんにお祓いをしてもらい、塩と酒で鎮めて作業を行った。
つい先日　由緒を記した石碑が完成したので除幕式を行った。
現在の所　切り株のテーブルと切った木で作ったスツールをたくさん作って地元の小学生が登ってきても座れるようにした。

今後は　自然の地形そのままの遊歩道と　サクラを植えて花見が楽しめるようにしようと思っている。（城跡は文化財の指定地なので植樹は出来ないのでその周辺になりそう）
展望広場には少し芝生広場を作って遠足に来た子供たちが弁当を食べられるようにしようと思っている。
遊歩道沿いには四季折々の花の楽しめる低木を植えるかもしれない。

３０年たっても飽きられないようなものを作りたいと思っている。

2023-10-14 修行のような山登り

2023-11-07 静かな　尾瀬ヶ原

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