Gossamer gearのメールマガジンで紹介されてるブログに、ギアレビューがあったので、自分も使用したもののなかから、特によいものと悪いものを挙げてみたい。
１．シューズ ALTRA Lone Peak UK 7.5 実測270g
キーワード 普段履き 通気性よし 非防水 ローカット 足指フリー
快適性を損なわずむしろ増加させる目的でウルトラライトな道具を追加してきたが、この靴は快適な面が多い。非防水ローカットの利点は通気性と足のばねを使いやすいこと、そしてこの靴の利点は指が擦れない事である。指のフリーになるので足幅から指が出てる人にお薦めだ。足幅が広いかどうかはサイズの問題だと思う。
この靴が機能を発揮できるトレールは、林道歩き1時間以上のコース、積雪3cm以下、水深2cm以下でぬかるみを避けられる道である。履き心地としてはクッション性がある。また、指の部分の高さと横幅があるので親指と小指が擦れることはない。はき方としては甲と土踏まずの間で足を固定するので、他は締めない。トレランシューズだが中厚手の靴下でも歩くうちに湿って、かかとの動きはなくなる。
11月下旬の丹波山−将監峠−和名倉−秩父湖でのテント泊で使ったが、足が冷たすぎず湿りすぎず、雨が降らなかったのでちょうどよかった。帰りに沢に少し足を突っ込んで濡れた以降は、枯れ葉の砂土がついて靴と靴下が茶色に汚れた。10月の金峰山の岩に対しては傾斜のきつい表面の滑らかな岩はさすがに手をかけて移動したが、ある程度の岩場で使えるが未知数だ。
デメリットはもちろんある。誰にでも薦めるものではない。まず、靴のポジション分類（個人的なもの）としては大きく分けると、
Ａ．雪の冬山の重登山靴
Ｂ．残雪期や−5℃程度の春秋
Ｃ．7‐8月の高山・低山、無雪期秋山の日帰り小屋泊まり及びテント泊
Ａに入るのは、La Sportiva ネパール EVO、SCALPA モンブランGTXで、ＢはLa Sportiva トランゴS EVO、LOWA タホーPro GTX、ＣではCaravan C1、La Sportiva Wildcat 2.0あたりだろうか。最低でもこのくらいのスペックは求められるのではないだろうか。
Lone PeakはＣに入る。ソールはペラペラではなく硬いが、プロテクションはWildcatの半分以下の構成だ。岩にぶつけだり挟んだりしたら痛いし、スタンス（岩場の足場）に乗るのもつま先の力をフルに使う必要がある。穂高のキレット越えは体力によっては無謀だろう。
さらにメリットの裏返しである風抜けのよさが弱点だ。冬に自転車やバイクで走ると足の筋肉が動かないので冷たくて感覚がなくなる。砂つぶくらいは靴の中に入ってくる通気のメッシュなので、一度湿ったところでメッシュに水がつくと一瞬で靴下が濡れる。これだけでも不快だが、夏の気温があれば一瞬で乾く。５ｃｍの雪があるし気温も−5℃なんて感じだとメッシュが濡れて凍って硬くなる。足だけ低体温症みたいな感じで悴んできて不快この上ない。秋冬は電車用兼テント場サンダルや林道歩きのサブシューズとして使うと快適だったりする。
ローカットシューズを1足しか買えないという場合、ゴアテックスやアウトドライなど使った硬めの400g以下のものが使いやすい。ローだとブーティ型ではないので常に水に触れていると下から入ってくる可能性はある。軽い雨よけとメンブレンによる防風の保温性、そして路面への安定感がある。
防水機能がなければ、ソールが薄くなる分だけ足にダイレクト感がくる楽しさがある。常に何を踏むのか、どのくらいの力で足を下ろすかを確認するのさえ、それが山を歩くことだと考えれば楽しい行為に変わると思う。600g以上の軽・重登山靴を使っている方なら、普通の運動靴で山を歩いてみればそれに近い感覚を改めて感じられるだろう。
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