今回はよく聞かれるクライミングについてです
クライミングとは日本語では登攀（とうはん）をさします。
どこを対象とするかで、ロック（岩壁）シャワー（滝）アイス（氷壁・氷曝）ボード（人工壁）に分かれます。
よく言われるフリー・クライミングは登攀の方法を指します。
登山のスタイルとして、ルートを取る際にひとつの山において尾根・谷・岩の３つのルート選択がありますが、
一般的登山の場合は尾根（登山道を使用もしくは藪山）を登りますが、谷（渓谷・沢登り・シャワークライミング）岩（岩壁・クライミング）は
バリエーション山行として認識されていて、一般登山とは別になります。
一般的にはロック・クライミングをエイドでするのや、フリーでやるのがイメージされますし、ＴＶなんかでもクライミング＝ロックとしてあつかわれることが多く登山関係者でもあいまいに扱われていたりします。
以下、整理した内容です
☆岩（岩壁・クライミング）
１ボルダリング
自然石（大きさは４ｍ程度）を練習のためにフリーで登攀するのが本来ですが、５ｍていどの岩壁やボードをフリーで登攀することも含みます。ザイルによる確保をせず完全にフリーでマットを敷いたり数人で落ちた時に支えたりして安全を確保し登攀しますが、主に練習です。
ボルダリング 城ヶ崎 「モンスターマン」 （ボルダリング・ゲレンデ・フリー）
http://www.youtube.com/watch?v=JNQOapDaHIk
２ボード（人工壁）フリークライミング
ロック・クライミングの練習で主に室内（インドア）のボードにホールド（手掛かり）を取り付けたものをフリーで登攀します。ボードとはいえ、難易度はいろいろありますし高さも様々です。高い壁の場合はザイルによる確保をします。使用器具はクライミング専用の靴・ハーネス・チョーク・確保器（ＡＴＣや８環）・カラビナ・ザイルなどです。登攀者と確保者（ビレイヤー）で墜落（フォールダウン）から安全を確保します。クライミング関係者の努力により各地にクライミングジムができ体育館にも設置され近年は普及と認知がされてきました。町中にあるため手軽に安全にクライミングが楽しめるようになりました。
一般的にはフリー・クライミングとしての認識になりますが、ボードクライミングをしていても自然の岩（生岩）に入らない場合はロッククライミングをしているということにはなりません
２０１１近畿高校スポーツクライミング大会、男子決勝ルート（ボード・フリー）
http://www.youtube.com/watch?v=2erxUbFiWAI
３ロック（岩壁）・クラミング
自然の岩壁を登攀することをさします。
フリーとエイドの２つのスタイルで登られることが多いですが、最近では岩場の練習場（通称ゲレンデ）をフリーで登攀することが多いようです。ザイルによる確保をします。人口壁と違い、墜落（フォールダウン）＝死に直結しますので危険を伴う行為になります、登攀者と確保者（ビレイヤー）で交互に登攀するスタイルで主に大きな岩壁（マルチピッチ）を登攀することが多く、フリー・エイドの２つを状況により使い分けますが、対象は岩壁であり、必ずしも山頂を目指すものではありません。フリーのゲレンデでは海岸の岸壁を登攀する場合もあります。エイドの場合はルート工作に時間がかかるため、フリーで行けるならフリーで進むことが多いようです。また岩壁のルートについてはゲレンデでない場合は自分でルートを見て行かなければならないため難易度が高くなります。
使用器具は対象とスタイルにより異なりますが、登山靴・ハーネス・チョーク・確保器（ＡＴＣや８環）・カラビナ・ザイル・ハーケン・ボルト・アブミ等です。
フリークライミングとして登攀する場合は、決まった岩場をトップロープ（岩場の上に強固な支点を確保）でザイルによる確保を行い、クライミング専用の靴で空身で登攀するスタイルが多いようですが、おおむねボルトが打ってあったりして確保しやすくなっているようです。
ロック（岩壁）国内では谷川岳一の倉沢・穂高岳・北岳バットレス・剣岳が有名で、かつて登山全盛期の頃は各地の山岳会で盛んに岩壁が登られましたが、多数の事故や遭難が多く発生し、その危険性が社会問題にも発展したこともあり、次第に衰退していった歴史がありましたが、昨今ではフリークライミングとして安全を確保しながらスポーツ・クライミングとしての安全なスポーツとして社会に認知されつつあるようです。フリーのゲレンデとしては東北では山寺や安達太良山胎内岩、丸森あたりが有名ですし海岸の岩壁では神奈川城ヶ崎も有名です。また山形の黒伏山は東北でも有名な岩場ですね。
谷川岳一ノ倉沢南稜 （ロック・マルチピッチ）
http://www.youtube.com/watch?v=LMi7d-PmNUI
小川山フリークライミング（ゲレンデ・フリー）
http://www.youtube.com/watch?v=SfMrOYLbi1s
４アイス（氷壁・氷曝）・クラミング
氷の壁が対象になります。国内では冬季に凍った滝（氷曝）を登るのが主ですが、氷の岩壁を登ることも含みます。
よくイメージされるのがダブルアックス（専用のバイル・ピッケルを使用）とアイゼンを手がかりとして登攀する姿です。
一般冬季山行とは区別されます。
雪上山行で使うピッケルは主に滑落防止や斜面登攀時の確保、斜面登山時の手がかりとして使用します。
アイス・クラミングのバイルとは使用方が異なります。これについては次の機会に説明します。
大谷不動 アイスクライミング（アイス・氷瀑登攀）
http://www.youtube.com/watch?v=GZ2UbyfTTls
Japan Ice Climbing @ Iwane, March 4, 2012 （アイス・ボード、トップロープによる確保）
http://www.youtube.com/watch?v=JFS4WC4wiyI
５アルパイン・クライミング（山岳登攀）
山そのものを対象にします。
山岳におけるクライミングとして、すべての時期においてあらゆる手段で登下降します。
上記の技術をすべて使いトレッキング・クライミングし主として登頂を目指しますが、難易度の高い岩と氷のMIX壁のルートを登頂を目的とするする場合もあります。
冬期前穂高 アルパインクライミング 岩登り （アルパインクライミング・冬季登攀）
http://www.youtube.com/watch?v=Qn4LHUjOaUE
剣岳 アルパインクライミング 岩登り（アルパインクライミング）
http://www.youtube.com/watch?v=sDz2Ck4GeQw
『運命を分けたザイル』 予告編（（アルパインクライミング・映画・本編をぜひ見てください）
http://www.youtube.com/watch?v=2DH_P0qXtSI
次会は沢登りについて�△箸靴峠颪�ます。
読んでる方で、文中間違いや、解釈が違うなどのご指摘やご意見があればぜひコメント下さい。
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