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2019年05月05日 06:26未分類全体に公開

登山ガイドへの道 最終章!

登山ガイドへの道 いよいよ最後に残された講習 危急時講習です。
8月にも危急時講習を受けるチャンスがあったのですが、なんせ会場が宮城県だったのでそれは見送り、年度末の3月に開催される関西地方(としか案内に書いてなかったw)の講習に参加しました。
申込書類とお金を振り込み数か月後、書類が送られてきました。持ち物リストをみると無積雪期ガイドの装備一式としか指定がありませんでしたので、特に買い揃えるものは無さそうです。ただ、幅広のテーピングの指定があったのでドラッグストアに探しに行きましたがなかなか無く、代替品として繰り返し使えるスポーツ用のテーピングテープを購入しました。また、危急時の講習なので三角巾、包帯などメインの装備を忘れ無いよう改めて装備をチェックしました。

講習場所は滋賀県大津市の比良。 ここは比良山を中心とした比良山系の中心で市の施設とおぼしき山岳センターがあり、そこでの合宿となります。
自宅を5時に出て新名神経由で会場へ、約2時間で到着しました。集合が8時半だったので近くのコンビニで時間を潰していました。琵琶湖の湖畔に連なる山々の頂には3月の中旬というのに薄らと雪化粧していました。

会場の山岳センターは、夏は連日営業しているようですが、冬は使うときだけの営業の様で、集合時間の30分前ぐらいまで関係者らしき人はおらず、各地から集まった講習者がウロウロしていました。そのうち職員の方々がお見えになり、玄関を開け、施設の暖房を入れたり、電気付けたり、宿泊棟の準備をなされていました。時間となり中に入り荷物を降ろして宿泊費(食事代込)を払います。

案内された講義室は狭く、今回受ける27名では少し窮屈な感じでした。
講師の方は3名 どなたもベテランの方々とお見受けしました。
この3人が我々のお世話もしてくれるようで、部屋割やら食事の準備(お茶や弁当の片づけ)係を講師の方から割り振られました。

今回の参加者はこの危急時講習が最後の研修となる(これでガイドの認定がもらえる)方が8割ほどもいました。
たくさんの資料を配布され、順番に講義が始まります。
1つの講義は1時間ほど。講師が入れ替わり立ち代わり説明してくれます。

何コマかをこなし午前の部が終わると食堂に配達されたお弁当を、担当の班の人たちで並べ、お茶を沸かして配布。昼食の用意をします。自分はこの回の当番となりました。

それぞれ席に着き割子弁当を頂きました
午後の部。相変わらず講義を受けます。
今回は危急時の講習ということで、山でのトラブル時の判断について受講者に気付きを与えるものでした。山でのトラブルは様々。そしてその対応はこれという正解は無いので、いかに頭の中で対応のシュミレーションが出来るかがポイントとなります。柔軟な考えでいかに危険を回避するのか、また対応するのかが問われます。

 特に講師の方が繰り返し言っていたのは、トムラウシの遭難事故についてです。
低体温症について認知度が上がったこの事故では、ガイドも低体温症となってしましました。この症状は知らない間に忍び寄り、気づいた時には手遅れとなることが特徴で、如何に冷えを避けるのかを繰り返しおっしゃっていました。
このことは翌日の実習においても繰り返し言われました。

 一通り講義が終わると夕食ですが、トラブルが発生しました。本来であれば夕食もお弁当であるはずだったようですが、発注ミス??によりなんと、鍋セットが届いたようで、講師の方々も驚いていました。急遽鍋パーティーをせざるを得なくなったので、食事後に予定されていた三角巾の使い方講習を前倒しで行うこととなりました。

三角巾の使い方は今回の講習で一番期待していたものです。なんせ、ファーストエイドキットに三角巾は入っていますが、どうやって使うのか知らなかったのですから。
また、先シーズン穂高に行ったとき本谷橋を渡ったあたりで頭から血を流している女性が見えて、ハンカチで押さえて下山していましたが、応急手当てをしてあげる事も出来ず、力の無さを実感していたので、実践的なこの講習には力が入りました。

 講師の方に丁寧に教えていただきながら、頭部への巻き方、腕のつり方、捻挫した足首への使い方などを教えていただきました。
また、三角巾は細長く棒状にすることもテクニックがいり、たたみ方もやり方がありこれらが上手く、素早くできる事も大事であるという事を教えていただきました。

色々やっていたので講習が終わったのは8時過ぎ。皆さんお腹が空きました。いよいよ鍋パ&懇親会です。懇親会でのお酒は事前に講師の方が一人500円ずつ集め購入してきていただいたものになります。

鍋をつつきながら、一人ずつ自己紹介をします。みなさんこれからのガイドでの夢を熱く語ってみえました。今回は和歌山や九州など、関西方面の方が多く感じました。

 色んな方と話をしたあとは皆で鍋の片づけを行い、部屋に戻って就寝の用意とお風呂です。風呂は家族風呂程度の大きさの湯船で一度に入れるのは6名程度でしょうか。
 空いている時間帯を狙ってサッと入りました。

荷物を玄関前に集めたところで、ガイド装備一式を身に纏って野外での実習です。
センターの裏山に入り、4〜5名に割り振られたチームで様々なシュミレーションを行います。まずは、ガイド役、けが人役、クライアント役に分かれ、それぞれが講師に召集されシュチュエーションの説明を受けます。当然、ガイド役はけが人役がどのような指示を受けているのかは分かりません。
再度チームに合流しシュミレーションスタートです。 ガイド役が他のメンバーを無積雪期ガイド講習で培った技術と話芸を駆使し、リードします。

しばらくして講師の合図とともにけが人役が突然倒れ込みました。
意識はあります。まずはどうしたのかを聞くと落石に当たったとのこと。
他のクライアントを安全(と思われる)場所に移動してもらい、応急措置に入ります。
ザックを降ろさせ、背中に当てます。頭を押さえているので被っている帽子を取ると、養生テープに赤いマジックでケガが再現されていました笑
 まずは、水で傷口を洗い流します。そのあとガーゼで傷口を抑える作業ですが、手抜きをして持っていた手ぬぐいを当てました。その方が早く対応が出来たからです。
その後、前日教えていただいた通り三角巾を頭に巻きました。
けが人役は腕も痛いというので腕を見るとここにもけがを発見しました。同じように布をあて今度は包帯で腕を巻きました。あとは三角巾で腕をつりたいのですが、既に使ってしまっているため、けが人役の方から借りて腕をつりました。

 一通り終わると集合の合図がありみなさん集合しました。講師から一人ずつどのように対応したのか聞き取りがあり、講評されます。
 まず皆さん指摘されたのが、血液感染しないための手袋をしなかった点です。
しまったと思いました。せっかく持て来ているのに、ミスです!まずはこれから始まるのですね!
また、手当のやり方はOKだったのですが、当て布に手ぬぐいを用いた点は、相手に感染させてしまうかもしれないという事で注意を頂きました。勉強になります。
けが人役からも冷えた地面に座らされていたから寒くなったとか、待たされているクライアントからも何か手伝えることを指示して欲しかったなど色々な意見が出ました。多くの集団でやると様々な意見が出て、思いつかなかったことも言ってもらえるので大変役に立ちました。

午前の部が終わり、施設に戻り昼食のお弁当を頂きました。
午後の部は午前に続きです、役を変えて、人の往来の多い尾瀬の木道上での転倒、骨折バージョン、トムラウシの遭難を想定した低体温症の発症への対応等を行いました。

最後に、ツエルト張りを行い、積極的な活用を指示されました。
以上で講習会は終了。施設に戻り全体的な講評を受けます。

同じ講習を受けた者同士、連絡先を交換し施設を後にします。
山を下りる際、琵琶湖に虹がかかっておりガイドの検定、講習を全て終えた事を祝福してくれているようで大変うれしかったです。

昨年の3月に資格を取ろうと一念発起して最終講習を受け終えたのが同じく3月。思い立ってから丸一年が経ちました。
6月の筆記試験、9月の検定、10月の検定講習、3月の講習と盛りだくさんの1年でした。
今思うと、一つずつクリアして行く度に自分の山力が鍛えられていくのを実感し、それと同時にガイドという仕事の責任の重大さを改めて認識させられました。
検定に向けて近くの公園で子供たちにからかわれながらロープワークを練習した事、筆記試験に向け図書館に通ったこと・・ 久しぶりに目標を決めて頑張りました。
また、お金もかかりました。
受講料と合わせ、宿泊料、交通費・・・ 合計20万位はかかったと思います。

送られてきた書類には今後の手続きの方法が書いてありました。
この後、日本山岳ガイド協会に正会員として登録が必要です。登録費2万円、年会費1万円。ただ、これだけではガイドと名乗って仕事は出来ず、ガイド協会の登録団体に所属しなければなりません。そこでも登録費と年会費がかかります。
自分の場合は、10月の無積雪期ガイド講習を受けた飯田市のアルプスネイチャークラブ(ANC)に決めていました。代表の方の人柄や近さ、年会費の安さ(笑)、なにより9月の検定で一緒だった山口君も所属するという事で迷いはありませんでした。

 早速、ANCに連絡を入れ書類を送ってもらい送付と振込(4万6千円!)を行い。
後はガイド協会からのガイド証とバッジを受け取るだけとなりました。
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