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親友の夕霧が柏木の妻(落葉の宮)を訪ねます。
桜の花が見事に咲いているのを見て
夕霧〈時しあれば 変わらぬ色に 匂いけり 片枝かれにし やどのさくらも〉
(夫の柏木は亡くなってしまいましたが、時がたてば、あなたももとのように)
落葉の宮〈この春は 柳のめにぞ 玉はぬく 咲きちる花の ゆくへ知らねば〉
(この春は、柳の芽に露が玉をぬくように、涙をためています。花の咲くのも散るのも知らずいます)
夕霧は、そのまま、柏木の父親のもとへ
父親〈木の下の 雫に濡れて さかさまに 霞のころも 着たる春かな〉
(この春は、長男を喪って、悲しみの涙に濡れて、親が子のために喪服を着ることになってしまった)
(あらぬ道、踏みはずし人その先は、苦しみもがき果ては煙りに)居彷人
【写真】ハンゲショウ(半夏生)
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