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ただ、和歌の解釈解説がありません。
各帖の初めに、晶子の詠んだ歌があります。
[東屋]の前に
〈ありし世の 霧来て袖を 濡らしけり わりなけれども 宇治近づけば〉晶子
*[ありし]=昔
*[袖を濡らす]=涙で袖を濡らす/泣く
*[わりなし]=道理に合わない
この帖、和歌が少ないので、晶子訳でしばらく読んでみました。
故[八宮]に認知されなかった娘[浮舟]、母親は常陸の守の妻となりますが、
娘の結婚に悩みます。
谷崎潤一郎訳には和歌解釈解説があり、登場人物の古歌からの引用も、わかるものには全文・詠人などの解説があったりします。
最初に出てきた和歌2首
薫〈見し人の 形代(かたしろ)ならば 身に添へて 恋しき瀬々の なでものにせん〉
([浮舟]が、亡き大君に似た人ならば、傍に置いて故人を恋うる折々の身代わりにしよう)
*[かたしろ]=禊や祈祷をする時につかう人がた。それで人の身体をなで、罪やけがれを移して川などに流す。/身代わり。
中君〈みそぎ河 瀬々にいださん なでものを身に添ふかげと たれか頼まん〉
([撫でもの(形代)]だなんて、川に流してしまうもの。そんな人を頼りになんてできませんわ)
(日曜日、一日だけの休日は、ヤボ用済ませ公園散歩)居彷人
【写真】イチョウ(長居公園で)
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