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中納言、女性なので毎月その間は乳母の家にこもります。
中納言を女性と知った中将宰相、そこまでも訪ねてきます。
ぼう然と物思いにふけって
中納言〈時雨する 夕べの空の 景色にも 劣らず濡るる わが袂かな〉
(時雨の夕べの空に劣らず、悩ましい我が身であることよ)
突然現れて
中将宰相〈かきくらし 涙時雨に そぼちつつ たづねざりせば あひ見ましや〉
(私だって恋しさに、雨にも涙にも濡れながらやってきたんだ。そうでもしなけりゃ会ってくれないだろう)
中納言〈身一つに しぐるる空と ながめつつ 待つとはいはで 袖ぞ濡れぬる〉
(私のさだめに涙しながら時雨を見ていたのに、あなたを待っていたわけではありません)
女性と知れてから、宰相とはそういう関わりになりますが、表向きは男性として職務にあたっているので、もしこの宰相が自分に飽きたら、世間に暴露されてしまうだろうと恐れています。
中将宰相が通っている、中納言の妻[四の君]に、私は男として愛してやれないので、あなたが時々慰めてやってほしいという。
[源氏物語]の宇治十帖で、[匂宮]の妻となった[中君]のところにしつこく通う[薫]を自分から気持ちをそらせるために[浮舟]を教えたシーンが思い出されます。
乳母の家も六条だったりするし。
(月曜日、ヤッパリここといいたくて、出勤するも、なかった財布)居彷人
【写真】レモン
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