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〔(寺に)まうで集う人の有様なども、見くださるる坊なりけり。
前より行く水を、初瀬川といふなりけり。
右近、
〈二本の 杉のたちどを たづねずば 古川のべに 君を見ましや〉〕
(二本の杉の生えている所、初瀬にお参りをしなかったら、どうして姫君に、お目にかかることができたでしょうか)
*[右近]=玉鬘の亡き母(夕顔)の侍従
*歌は(古今和歌集1009)の旋頭歌(五七七五七七)
〈初瀬川 古川のべに 二本ある杉、年を経て 又も逢い見ん二本ある杉〉
をふまえて。
〔(玉鬘)
〈初瀬川 はやくのことは知らねども 今日の逢ふ瀬に 身さえなかれぬ〉〕
(私は以前のことは知りませんけれども、今日初瀬川のほとりであなたに逢えたので、嬉し涙に身まで流れてしまいました)
*([谷崎潤一郎訳]で)
[夕顔]が[六条御息所]の生き霊により命を失い、幼い娘は乳母と共に九州に行きました。
時を経て、
九州から逃げて舟に乗って京に戻り、そこから初瀬詣りに出ていたのでした。
そこで、やはり初瀬詣りに来ていた[右近]、成長した夕顔の娘[玉鬘]に出逢います。
(長谷寺を又も日記に書きました。やはり[右近]と[玉鬘]です。)居彷人
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