〔三つの山の参詣事ゆゑなくとげ給ひしかば、浜の宮と申す王子の御まえより、一葉の船に棹さして、万里の蒼海にうかび給ふ。〕
*[三つの山]=本宮、新宮、那智。
〔(維盛)「あはれ人の身に、妻子といふ者をばもつまじかりけるものかな。
此世にて物を思はするのみならず、後世菩提のさまたげとなりける口惜しさよ。・・・」〕
〔「南無」
と唱ふる声共に、海へぞ入り給ひける。
兵衛入道も石童丸も同じく御名を唱へつつ、つづいて海へぞ入りにける。〕
📖『建礼門院右京大夫集』
《維盛 那智に入水と聞き》2首
〈春の花の 色によそへし おもかげの むなしき波の したにくちぬる〉
〈かなしくも かかるうきめを み熊野の 浦わの波に 身をしづめける〉
(今日こそはさつきのはての晦日です。明日から六月「晩夏」だという)居彷人
カレンダーを見ると、明日(6/29)は旧暦六月一日のようです。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する