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https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1422992.html
その後、このような場合の法的責任はどうなるか、気になっていた。本日（６/１８）震度６弱の地震で電車が動かず一日時間が余ったので調べてみた。
○落石事故。
青森市が管理する「城ケ倉渓流歩道」の落石で、通行者（当時７２歳）の頭を直撃して死亡した事件。落石の危険性がある渓流歩道で、落石事故防止措置をとっていなかったので、青森県の歩道の設置。管理に瑕疵があったとして国家賠償法２条１項に基づき遺族へ合計２５８４万円余の支払を命じた。（２００７年５月１８日青森地裁判決）。詳細は省くが、両壁に囲まれ、その間を歩きながら景観などを楽しむ歩道の場合で、自然落石や落木の危険性が高く、観光客が多数来場する歩道において、落石があった場合は通行者の逃げ場がなく（９０センチの道）、打撃を受けた通行者が数メートル下の谷に落下して生命、身体に重大な被害を受ける歩道の場合は、このような場合の歩道については「通常有する安全性」が欠けるとした。
〇ブナの枯れ枝落下による事故
十和田八幡平国立公園の特別保護区内にある「奥入瀬渓流石ケ戸」内で昼食をとろうとしたところ約１０m上から、長さ７m、直径１８�僂覆い沓苅鵜僂離屮覆慮呂貉泙�自然落下し、両下肢完全麻痺（後遺症１級）の大けがを観光客が負った事件。東京高裁は青森県,国に対して約１億８９７４万円の支払いを命じた。（平成１９年１月１７日東京高裁判決）ブナの木については国が占有し、県はその游歩道を事実上管理していた。このような場合の歩道については「通常有する安全性」が欠けるとし、国、県の責任を認めた
●結構裁判例は遊歩道を管理する自治体の責任を認めている。驚いたことに落石や倒木原因は「自然状態」で発生しているのに、その下に游歩道を設置した者の責任を認めていることである。今回の吉野山の西行庵付近の散策路は誰が管理しているのか知らないが、「自然状態」の落石や倒木でないので設置、管理者に対して、より責任が認められる可能性が高い。
多くの自治体でも市民が自然に親しむ為にハイキング道や登山道などを整備してくれている。少ない自治体予算でハイキング道を整備することはハイカーにとって大いに歓迎すべきことであり、感謝すべきである。
しかしその設置や整備の結果、損害賠償が認められて.青森市の「城ケ倉渓流歩道」が立ち入り禁止になったと報道されている。被害者救済が司法の役割とは言え、その結果、自治体などがハイキング道の整備に消極的になることを憂える。
Amazon：山岳事故の法的責任 登山の指針と紛争予防のために 溝手 康史
https://www.amazon.co.jp/dp/4434202324
登山での法的責任について数多くの判決例と共に分かりやすい説明をしています。お調べの判決事例も詳細に説明しています。
スポーツ基本法24条に「野外活動又はスポーツ・レクリエーション活動に係るスポーツ施設の整備」というのがあるそうなので、行政の立ち入り禁止という判断を怠慢だと怒っても良いみたいです。でも、行政としては整備をしたところで地域経済的にどうなの？という結論になるでしょう。abc5def6さんの憂う気持ちが更に倍増かも・・・。
溝手 康史さんは下記の本を山と渓谷社から今年の初めに出されています。自分はまだ買っていないので読むのが楽しみ。こちらもご興味があれば是非とも。
Amazon：登山者ための法律入門 溝手 康史
https://www.amazon.co.jp/dp/4635510484
これらの本は未だ読んでいませんが、情報の提供ありがとう。
ネットで調べると紹介された方（横手康史さん）が登山と法律に関して一番詳しそうですね。
読む時間がありませんが、どこかで暇を見つけて
読ませてもらいます。
ありがとう
ranger9-1さん
確かにご指摘の通り登山道という言葉は法律上の概念ではないです。国家賠償法２条１項の法律概念は「公の営造物」の「設置又は管理」の「瑕疵」です。もし正確に書くとすれば❰公の営造物における落石、倒木の管理責任❱と書くことになります。
又市長村の公の営造物の「管理」とは法的には事実上の管理でも足り、所有とは区別されています。日記に書いた２番目の裁判例の事故現場は国の所有地で、県が事実上管理していた「空白区」とか言われていますが県の管理責任を認めています。
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