昔２０代後半に、偶然の縁で修験の老僧と『山に登る行為について』、話したことがある。
その問答は次の通り。
私の問い：
『登山も修験（信仰登山）も目指すところは同じではないか？』
『山登りには登ること自体が楽しく喜びがある。一方で精神に与える
影響は私の経験ではとても大きかった。楽しみや喜びより、例えば
人格の向上などの精神的な目的とすることも可能で、その場合の登
山は修験と同じではないか？』
老修験僧の答え：
『同じではない！達成される境地が同じであっても道が違うので同じではない！』
私には目的が同じであれば道が違っても同じではないか、むしろ登山の方が道は厳しいのではないかと考えたが、納得までは至らず問答を終えた。
あれから４０年が過ぎて、老僧が言わんとしていることに近づいている。老僧が言う『道』というのは、厳しさや困難さではなく手段や方法に過ぎず、極端に言えば山に行かなくても道があり行かずして道を歩むこともできる。しかし登山では、どうしたって山域・難易度・景観などを抜きにしてはルートは決められない。そしてルートを通って行かなければ山頂には達しない。そうした好みというか自分の計らいを無くすことはできない。修験道の目的（悟り）は計らいなどが働いては達することはできないと思う。やはり、『道が違う』と、達成する境地は似ていても非なるものになるかもしれないと思うようになった。
失礼します。
先だって「日本人と山の宗教」菊池大樹著 講談社現代新書 を読み終わりました。日本でどのように山を信仰する宗教が醸成されていったのかということが主なのですが、そこに登山と修験との違いについて書かれていました。
登山は山に登ること、或いは登頂することが目的だが、修験道は、手段であるということだったように思います。
自分にとっては話題がタイムリーだったのでお邪魔してしまいました。
todora5502 さん 初めまして
コメントありがとうございます。
ご紹介いただきました書籍は知りませんでしたが、修験そのものが手段であると私も同意です。特に研究しているわけではないので、修験道に関わる方々からは陳腐に思われてしまったかなと思います。詳しい方のご見識をお聞かせいただければと思います。高齢者の仲間入りもしたので、『長年続けてきた登山について自分なりにまとめておかないとな』と思い、昔若気の至りで問答した主題のテーマを振り返り記しました。
はじめまして、こんばんわです。
todora5502さんと同じ本を読みました。
この本の内容は大化の改新前後からの山と日本人の関係性を書かれてると思いました。
ホモサピエンスがアフリカから世界中に定住の地を求めて、歩んだ事が今の日本で言われる修験そのものなんだと妄想してます。
なぜ、放浪を選択しなくてはならなかったのか？
災害なのか飢饉なのか疫病だったのかはわかりませんが、理由があったと思われます。 子孫を残していく為の日常が、現代で言う修行であり修験で、そのDNAが現代の日本人の精神にあるのではと妄想してます。
修験者とは、黒曜石を見つけ、土器になる粘土や大樹、丹（朱、硫化水銀）銅、鉄、砂金 真珠等次々と人の暮らしを便利にしてくれる人達が、多くの人たちから羨望され仏教等が入ってきたのと合わせ、特殊能力を持ち合わせている人達なんだと、民衆、権力者から一目される存在となり、職業になっていったんだと思います。
中世の頃は、修験者と民衆での山の権利争いもあったようですね。
登山は明治以降、信仰を表向きに裕福な人々の娯楽の一つで現在に至っているのだと思います。
山に入ると、落ち葉が落ちるときに 枝などにあたる音や、落石の音 動物たちの鳴き声や風の音、 早朝の空気の冷たさ、匂いの変化（獣臭、木の匂）、木の実の味、花を見つけた感動、絶景に息をのむ、天候が崩れそうだから撤退・ビバ−グした等々が登山であり、其のことを感じる事が修験でもあると、今は思ったりしてます。
それは、頂上にたどり着かなくても同じなんだなと思います。
登山も修験も多種多様で特に分ける必要性は無いのではと感じてます。
つたない長文になりすみません。
huken さん
はじめまして おはようございます コメントありがとうございます。
hukenさんtodoraさんが読まれた「日本人と山の宗教」は充実した内容のようですので、何時になるか分かりませんが是非読みたいと思います。
貴コメントにあるように、異界である山では感性が研ぎ澄まされて、日常では見られない、あるいは見過ごしてしまうような様々な事象を感じて心身に働きかけると思います。
「登山も修験も多種多様で特に分ける必要性は無いのではと感じてます」というのは、私も若い時から考えていました。しかし年齢とともに、登山と信仰を持って登る登拝とは違いは少しかもしれないけれど個々様々かもしれないけれど、やはりあると感じています。また登山者は修験者と同じだと考えるのは、失礼かな不遜かなと思うようになりました。若い頃には、容易より困難、低山より高山、等々と比較する考えがありました。このような比較する心が残っている（純粋でない）と様々な事象に対する感性が鈍ってくるような気がします。修験道にあっては精進の妨げになると思います。修験者は日常のあり方が大切であって、里の生活では不足する何か、異界の山でないと達することができない部分を求め山に入るのだと思います。また宗教では「修行は師を持たないと駄目」みたいなことを言いますが、登山ではあくまで登山ですので、一生の燈明となるような師にはなかなか巡り合えないと思います。
（もしもの話しですが、メスナーだったら師と仰いでもいいかなと思いますが、それも幻想かもしれません＜笑い＞）
支離滅裂な私見を長々と書いてしまい、申し訳ありません。お許しください。
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