七面山・大春木沢左岸尾根は、私にとっては正に修行の道場のようでした。
唱和53年秋に初めて登った七面山で『信仰で目指す境地に登山で行こう』との妄想から、大崩壊地ナナイタガレを沢から登ることにしました。ある程度の困難と危険がありそうで修行として登るに相応しいと考えたからです。国土地理院の地図を見ると「ナナイタガレから東へ一直線に流れている沢で分かり易いな」と感じましたが、山行記録は見当たらず、沢名も不明でした。
唱和54年秋、七面山表参道登山口から春木川に沿って30分ほど歩くと、沢の出合いに着きました。堆積土砂で荒涼とした広い河原であったので登山靴のまま入渓しましたが、しばらく進むと8m位の滝が現れました。ほぼ垂直でホールドスタンスは小さく外傾、ハーケンの打てる割れ目も見えませんでした。滝の右岸は上部の尾根から岩石と土砂が崩れていて登れそうになく、左岸も同様に崩れているものの幾分傾斜が緩かったので、右岸から高巻くことにしました。しかし、急斜面をかなり登っても崩れている処ばかり、崩壊の縁に沿って谷底が見えなくなるまで登っても降りられる処はありませんでした。地図をよく見ると下流からナナイタガレまで両側を岩や崖のマークに囲まれ沢全体が崩壊中であるようです。一旦懸垂下降して降りたら、登り返せないこともあると判断し、登山道に合流するまで8時間ほど左岸尾根を薮漕することになってしまいました。広葉樹林帯で踏み跡無し、激急に加えスズタケの密集や露岩、見通しが悪く現在位置や標高は推定できないので、とても焦っていました。今改めて推定すると標高差1000ｍ、平均斜度35.5度、登行速度は�技�間に300m台となり、激ヤブ激急でした。水筒の水を飲んでしまい喉はカラカラ、かなりの疲労で緊急避難のビバークを覚悟しましたが、思いもしない事態にとても動揺していました。しかしそれから岩竹草木を掴みながら登行に没頭すると雑念（動揺）は浮かんでこなくなりました。雑念が消え黙々と登行を続けていくと自分と山との間が近づき、ついには山に没入し合一したような感覚になりました。そして山の神の助けか、ついに午後4時寸前に一般登山道に出合いました。それから登山道で七面山山頂に登り、その日は敬慎院の泊り、翌日無事下山しました。
今考えると、緊急避難のビバークを意識した時点で引き返すべきであったと思います。しかし、そうした見極める力は、マニュアルなどでは得られるものではなく、自分の限界ギリギリに迫った経験をして身につけるしかないのかもしれません。それと若気の至りというのですか『修行』などと大げさで偉そうなことを考えていたのだなと思います。
★後日、沢名は大春木沢であることが分かりました。
yasuji-さん
こんにちは
七面山、お疲れ様でした〜
ちなみに ですが
タイトルに、
『 南無妙法蓮華経 』…と
『 妙 』の字 を
お足しくださいませ
このコメントは、のちほど消去いたします
はじめまして Ｔ-timeさん
ご連絡ありがとうございました 訂正します
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