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眠れない中、いろいろ頭に浮かんできました。先ずは屋根から落下の可能性がある危険物を一刻も早く撤去しないとならないこと。一時的にもテレビが映らないという非日常にペーター（重度知的障害を伴う重度自閉症）がパニックを必ず起こすだろうこと。今後のことを考えると、ケーブルテレビなども考えられるが、上手いこと直ぐに手配や対応ができるか。そもそも切羽詰まっての結論は出したくない。思わぬ出費で頭が痛い。などなど。
翌朝、以前に受信トラブルで購入した安価な室内アンテナがあり、それを使って一時しのぎにでもテレビ視聴を確保できないかと、実験しました。室内アンテナの標準利得は3〜5ｄＢと弱く、雨戸（悪いことに鉄製）を閉めると受信できなくなるので、応急対策として、陽が落ちても雨戸１枚分を閉めないで地デジ電波を通り易くし、就寝に就く時にその１枚を閉めることで、雨戸の影響を無くそうと考えました。そしてアンテナの撤去作業ですが、家にある脚立を開いて梯子にして１階の小屋根に登り観察しました。すると４本あるポールを支える針金は２本が切れ２本が繋がっていました。また屋根からはみ出しているアンテナの受信棒を掴むことができ、引っ張ると意外と軽く引っ張り下ろせそうでした。しかし屋根の所々にある落雪止めＬ字金物に針金が２本とも引っかかっていて下せませんでした。また針金はステンレス製なので手持ちのペンチでは切れそうもなく、それより受信棒は手から１ｍほど離れていたのでとても無理でした。ここはロッククライミングの道具を持ち出して、いろいろ工夫を凝らそうかな、大掛かりなザイル操作になるな、滑らない靴ハイパーＶも履いてるし、などと思案していると、近所のＭさんが『岩登りと屋根登りは違うよ。止めとき。』とのこと。かつて屋根職人であったというＹさんも『滑るから危ないよ』と言い、近所の電気屋さんを教えてくれました。早速電話で『とりあえず、アンテナ撤去』を依頼しました。
緊急ということで、�技�間ほどで電気屋さんが軽自動車で来てくれました。屋根の高さが軽自動車で積んできた梯子の長さで届くかどうか微妙でした。登れないとトラックで大きな梯子を持ってくる必要があるとのこと。赤外線の距離計なども使って計測して思案していましたが、意を決したのか、持ってきた２段梯子を急傾斜で掛けてみたら、ほんとにギリギリで届きました。しかし梯子の先端が屋根から３０ｃｍほどしか出ていないので、梯子から屋根に乗り移ることが危ないと思われました。梯子の固定も得られなかったので、私が下で梯子を抑えることを申し出ました。それでも急な梯子から屋根に移るのは、ほんとに危ないなと思いましたが、場慣れしているのか慎重かつ躊躇なく屋根に乗り移りました。下から見ているとマントリング（岩登りテクニック）に似た動きをしていて、これも身に着けた技だなと感心しました。１時間ほどで尾根上での作業が終了して、降りてくる段階に入りましたが、なんとアンテナをポールごと持って梯子を下りてくるではありませんか！ただでさえ、屋根から梯子に乗り移るのは、登りの梯子から屋根に移るより危ないはずです。私の梯子の下支えの力が一段と入りました。撤去したアンテナも細かく切って持ち帰り廃棄していただきました。午前中に撤去が終わり安心できました。ありがとうございました。
後はゆっくり雨戸を閉めてもテレビが映るようしていきたいと思いますが、撤去を専門家（弱電工事の職人さん）に頼んでよかったと思います。改めて屋根登りを考えてみるとスラブの登り下りに似ているように思います。岩登りのスラブは、確保しようと思えば工夫して支点も作れる、磨かれた岩は崩れ難い、登り易いルートも自由に選べる。しかし屋根登りでは、確保は難しい（万全の安全対策をしてはコスト高）、苔やバイオフィルム（ぬめり）のある古屋根は滑りやすく、且つ化粧スレートなどの屋根材では割れたり抜けて崩れる場合もある、屋根は一面フラット。などなどと考えると、岩登りより屋根登りの方がとっても怖いかもと思いました。
写真左：倒れたアンテナ
写真中：アンテナ撤去後
写真右：アンテナが落下せず、被害に遭わなかった花々
追記：撤去したアンテナを観ると、ポール用ステー金具（鉄製）のワイヤー用の取付小穴（Φ数mm）が錆びていて、１つの小穴は欠けてしまっていました。４本のワイヤー（ステンレスの針金）のうち、欠けた取付小穴から１本のワイヤーが外れたためにバランスを失い、風によって倒されました。鉄（ステー金具）とワイヤー（ステンレス）という異種金属の接触は接触面積比で変わりますが、鉄の方を腐食（錆）させることが多いと思います。屋根の上は簡単に点検できないのですが、突然落下転倒も招いてしまうこともあると注意しておいた方が良いと思います。
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