２０歳代は谷川岳に３５回登りました。東面の各岩壁へのアプローチは旧道（林道）または新道（湯檜曽川沿いの歩道）を通って行けますが、当時の岩登りをする殆どのパーティーは登山センターを経由していく旧道を使っていました。上野から夜行電車が運行されていて、土合駅（地下ホーム）に未明の３時頃到着し岩壁に一番早く取付こうと争うように急いだものです。
高校同窓・Ｈ私大山岳部のＳ君（Ｓ君が数人いて紛らわしいのですが）と２人で一ノ倉沢へ向かう際、歩いたことのない新道から行ってみようとなりました。木々が鬱蒼とした未明の道は真っ暗でヘッドライトが無ければ歩けませんでした。歩いているのは僕らだけ、だいぶ歩いてゴロゴロした小沢（０次谷？）を渡るような処で道が怪しくなってウロウロしました。疑心暗鬼に藪をこぐこと１０分ほどして、さっき通った小沢の処に戻っていました。まだ暗い中を再度、迷わないように一直線に進むように心掛けました。慎重に歩いたおかげで再び迷うことは無く、やがて一ノ倉沢と出会い、そこから同沢のゴロゴロした岩を縫ったり左岸につけられていた踏み跡を辿り旧道に出ることができました。
そこで休憩後、薄っすらと明るくなると同時にテールリッジを登り、問題なく目的のルートを登ることができました。この時は山頂まで行かず南稜の隣の６ルンゼから下降し旧道の一ノ倉沢出合に戻りました。どうしても道迷いをしたのか不思議だったので、下山もまた新道を通って、なぜリングワンダリングしてしまった処を確かめることにしました。
迷った処に来てみると、静寂の森にひっそりと佇む古い苔に覆われたお墓が立っていました。その周りをグルグルと廻っていたことが分かり、またこんな山奥にお墓があるなんて、背筋がゾクッとしました。遭難者の慰霊のためなのか？お墓は３つあり、中央に縦長の墓石、両脇にやや小ぶりの墓石が並んでいました。何故、両脇の２つの墓石が小さいのか、子供のお墓なのか、全く分かりません。それから土合駅を目指し足早にその場を離れました。以後のクライミングでは新道を通ったことはありません。現在の新道というと、トレッキングの道として使われているようなので、そのお墓は移転されているのかもしれません。
何かが引き留めたのかもしれません。
一ノ倉沢登れるなら登ってみたい場所ですが、俺には厳しいのでそのうち見るだけでもいってみたいですね。
コメントありがとうございます。
真っ暗闇だったので、道を見失い左回りにぐるっと周りました。
右利きの人の脚は右足が少し長いので左回りでリングワンダリングをするということを本で読んだことがありますが、お墓の周りだったというのは偶然とも思われませんでした。遭難者が多いので慰霊碑なら納得できるのですが、立型の一般的な日本のお墓が、あのような山のなかにあったのでとても恐怖を感じました。
旧道から眺める岩壁で一番迫力があるのは一ノ倉沢です。また晴天であれば、白毛門の頂上からはマチが沢、一ノ倉沢、幽ノ沢、堅炭岩が一望のもと観ることができます。いずれも夜間は道迷いのリスクがあるので、晴天時の昼間に歩かれることをお勧めします。
蔵王稜線にも昔遭難した方の、しっかりちゃんとした墓があったりします
遺族の方の意向なんでしょうね。古来死んだ人は山に魂が上がるという伝承もあるので
山で死んだ人は山の霊気で成仏し山の精霊となるのではないかなんて思っているのですがね。
しかし、気になるのは年代ですよね。昭和なのか、もっと古いものか
リングワンダリングで足止めされて、知らずに落石から身を守れたかもしれませんよ。
一ノ倉沢いずれ谷川岳登山も合わせて行ってみます。快晴ねらいたいとこですね。
谷川岳は天候が急変する山で、５月でも９月でも降雪があり緊急ビバークしたこともありました。是非快晴の日に登ってください。
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