前編「グローバルに考え、ローカルに行動する」山行を投稿して、登山口までの移動で利用する交通手段で生じるCO2 の排出量を考えました。
続編として、その排出されたCO2を吸収するためには、必要な樹木（50年生のスギ）は何本必要かを調べてみました。青年期から壮年期の育ち盛りのスギはとても吸収量が多いとのことです。参考にしたのは次のURLです。
関東森林管理局/森林の二酸化炭素吸収力 (maff.go.jp)
樹種別・林齢別炭素吸収量 (shinrin-ringyou.com)
年間CO2固定量を計算してみよう (nilim.go.jp)
林野庁によれば、「50年生のスギは320kgのCO2を吸収するには約23本が必要で、50年生のスギ１本あたりに直すと年間に14kgのCO2を吸収する」とのことです。地球全体で見ると森林などで吸収する割合（グリーンカーボン）は約12％、海洋で吸収する割合（ブルーカーボン）は約30％、残り58％は大気放出されていて温暖化の１つの要因とされています。ブルーカーボンの増加は海の酸性化をもたらすので、これも問題だとされています。アマゾンをはじめ地球の森林面積の減少化が進んでいる現状では、植林などの緑化事業だけでは減少分をとても補えるものではなく、全体の排出量を減少させないと深刻度を増していくばかりと思います。
ここで、前編から登山の登山口までの移動で排出するCO2について、調べました。
前編の検討条件では次のように示しました。
A関東地区⇆北アルプス（自動車で往復400ｋｍ）3人パーティーの場合：
CO2排出量は21kg /人 そのCO2を１年間で吸収するにはスギ1.5本
B成田⇆カトマンズ（飛行機で往復28212ｋｍ）1人の場合：
CO2排出量は2482kg/人 そのCO2を１年間で吸収するにはスギ177本
Aの国内山行（往復400ｋｍ）でも50年生のスギが1.5本必要で、3人１組として考えると4.5本のスギが必要となる計算です。Bの海外（往復28212ｋｍ）の場合では、1人当たりの渡航がスギ177本に相当しました。想像をはるかに超える本数をみて、私も温暖化に一役買ってしまっていると改めて自戒するところでした。まさに「木を見て森を見ず」どころか「木も森も見ず」のようです。
林業や緑化事業に携わっている方々には感謝しかありません。今年、山で出会った林業関係者が３人いましたが、いずれも人にも地球にも優しい素敵な方々だったなと思います。子供たちや若い世代、そして未来の人々に自然を残していきたいとの思いが伝わってきました。
最期に、このような皆さんがご承知していることを長々と、且つ登山を盛り下げてしまうような身もふたもない話を述べたこと、どうかお許しください。
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