しかし、天候による影響もさることながら、登山の難易度、危険度は様々な要素と状況により左右されることから、登山者自身のその時やその場による適切な判断、準備がことさら重要になってくることは言うまでもありません。
以下、『要素』ごとの危険な自分の経験の例をまとめてみました。
[道迷い]
南クマネシリ岳(東大雪)〜踏み跡が薄く
作業林道が交錯し、誤って藪被りの林道を詰め隣の前衛峰へ。そこから道なき道を強行突破して本峰へ。途中の鹿道が歩きやすかったですが、突き刺さる枝や踏み抜き、草を掴んでの急斜面の登りで頂上へ向かうことに。
[川の水位]
幌尻岳(日高北部)〜地図を確認せず、豊糠から林道を20km以上歩き、行き着いた取水施設から放流される水量を無視して渡渉。流されそうになりながら、腰以上の水位の渓流を20回以上渡渉することを繰返し、無人の山小屋に到着。帰りも水位が下がらず危険な渡渉を繰返しました。
3日前に流され死亡者が出ていたり、当日、救助されているグループがいたことなどから、いかに無謀で危険な行為をしていたのか反省です。
[暴風]
奥穂高岳(北アルプス)〜雨天強風の中、レインカバーを着けずに水を吸った重いザックのまま重太郎新道を登り、吊り尾根を通過。奥穂高岳頂上では立っていられない程の暴風に変わり、たどり着いた穂高山荘で一泊後に風邪で発熱。熱はすぐ下がりましたが、行程中、途中で幻聴が聴こえていたことを思い出します。
[鎖場]
妙義山(西上州)〜セルフビレイ用のハーネス無しで奥の院の垂直に近い約30mの鎖場を始め、切り立った絶壁の危険箇所の多い破線ルートを度胸試しのように白雲山まで縦走。無くとも突破出来ますが、難易度が最上級扱いのこのルートへは適切な装備が必要でした。
[疲労]
ペテガリ岳(日高中部)〜アップダウンのある獲得標高差2000m以上の西尾根を1日でピストン。帰りに脚がつり、心拍数が収まらないなど一時動けず。予定より2時間遅れて山荘まで下山。前日の寝不足も原因だったと思います。
※疲労がピークになると、幻聴が聴こえるようになります。聴こえるはずのないチェーンソーやラジオの音が頭の中で鳴り止まなかったことがありました。
上記のことは、いずれも事前の下調べ不足や、強行登山、判断ミス、装備の不備などが原因でした。
皆さんも一部で似たような経験があるかもしれません。適切な準備や、力量に合わせた登山計画を立て、安全に登山を楽しみましょうm(__)m。
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