時計を失くした。妻から何十年も前に誕生日祝いに送られたCASIOのベビーデゥーティー。
1/4、日和田山に岩トレに持って行き帰ってからは見当たらない。すぐにでも戻って探したかったけど、雪が降ったり仕事が入ったり友達との約束があったりで、1/9今日やっと日和田山に行く事が出来た。駐車場から岩場まで1/4のルートを確認しながら辿り、岩場まで行く。男岩の基部に忘れ物コーナーがある。そこにも無かった。廻りも探す、無かった。岩場は諦め、もう一度下降ルート駈け下りながらを探す、無い。そして、諦めた。
この時計と共に、数々の山に登ってきた。岩場に擦れ硝子は傷付き帰ってはまた磨き、特に定年後は単独で行くしかなく、雪山ではベビーディゥティー故の頑丈さを信頼していた。
失くして今、ザイルパートナーを失ったが如く心に風穴が空いた。奴は、私のパートナーだった。ソロで武尊の2月に寒波が来る前に何とか落とそうと思い、奴の刻むタイムに焦りながら地吹雪でトレースを見失いながらやっと辿り着いたたんばらスキー場トップ、高校山岳部顧問会で1月寒波が来ている赤岳に吹雪の中向かい中山コル迄も辿り着けずに敗退した時も、5月快晴の谷川西黒沢をダブルアックス、スタンディングアックスビレーで登ったときも、奴は私の左手首にあった。本当にロス感は強かったけど、実は今日、捜索登山したことでみつからなかったけど、私の心では、このCACIO の弔い登山になった様に感じた。私はお前を探すために出来る限りの全てをやった、そして見つからなかった…
さようなら、そしてありがとう、我がパートナー、今まではお前以外の山の時計など考えられなかった。
そして、今はネットでG shock を閲覧している。
今日でお前への供養は終わった。私は次に向かって準備する。こんな私は、情け知らずかな?
でも、今までパートナーを組んでいたお前なら分かってくれると思う。山では、時間が、時計が、絶対的に必要なんだよ。
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