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最近、何度も何度も心に浮かぶフレーズ
いつだったかかなり昔に、柳田邦男さんが新聞に書いていたエッセイ内の言葉だったと思います。
生死の厳しい境を生きる人々への取材を通して、成長し結実していく心の有り様、誰もが心に大切に紡いでいくものを持っていて、それはやがて生きる意味になっていく、という事が書かれていたと記憶しています。
そして、それは中原中也の詩に出てくる月夜のボタンに象徴されるかのようだと書かれて、絵が添えられていたと記憶しています。
『月夜の浜辺』 中原中也
月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。
それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
なぜだかそれを、捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。
月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。
それを拾って役立てようと
僕は思つたわけでもないが
月にむかつてそれはほうれず
波に向かつてそれはほうれず
僕はそれを、袂に入れた。
月夜の晩に、拾つたボタンは
指先に沁み、心に沁みた。
月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?
心がぎゅっと捕まれるような、切ないほどの思いや愛おしさを、この詩は教えてくれます。
そして、皆が「それはあなた(自分)だけの」大切なものを大事に大事にかかえながら、生きている事を教えてくれます。
写真は、銭函天狗山とツインズ初めての海(銭函ドリームビーチ)、ピクニック用タマゴとカボチャサンド 2024.8.25
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