NHK BSプレミアムシネマの録画にて。
「いつ死ぬか分からないのは皆同じさ。登ることで“生”を実感できるんだ。」by アレックス・オノルド
「誰でも幸福に安住できる。幸福な世界には何も起きない。そこにいても何も達成できない」by アレックス・オノルド
一体 なんだろう…?
「なぜ 山にのぼるのか? そこに山があるからだ。」とイギリスの伝説的な登山家ジョージ・マロリーの有名な言葉があるが、何故 苦しい思いをしてまで人は山に登るのだろう…? …と子供の頃から登山愛好家たちの存在がホントに不思議で仕方なかった。ましてや、ロッククライミングや冬山登山のように身の危険を冒してまで登ろうとする人たちの心境が全く理解出来なかった。
ところが、そんな自分が昨年秋 突然よく分からない神経疾患の病気を患い入退院を繰り返し、そのリハビリのつもりで始めた“お散歩”から いつの間にか登山というものに興味を持ち、ロッククライミングや登山には全く程遠いものの“山歩き”をいい歳こいて始めちゃうんだからなぁ…(苦笑) お子ちゃまでも楽々登れるような筑波山みたいな低山をぜぇぜぇ息を荒げながら登りながら、「なんで俺はこんな思いまでして登るのだろう?」と思いつつも、達成感というほど大袈裟なものはまだないけど、たしかに山登りには不思議な魅力がある。自分自身 楽しんでいるし、どんどん山にのめり込みつつあることは間違いない。
とは言え、このドキュメンタリー作品でクローズアップされているアレックス・オノルドのような命知らずのロッククライマーの心理はやはり理解に苦しむ。何故 そこまで危険を冒してまで高みを目指すのか…? 前人未到という領域に何故 そうまでして魅せられるのか…?凡人である自分にはアレックスのようなクライマーがクレイジーとしか思えない。命綱一本あったとしても、1000m近くにも達する垂直な絶壁を己の素手と足だけでたった3時間56分で登りきれば、偉業であることに代わりないであろうに…。
何はともあれ、素晴らしいドキュメンタリー作品だった。ヨセミテ国立公園の美しい自然、そしてアレックスや彼の恋人、また彼の偉業を裏からサポートする人々らの揺れ動く心境などが粒さに描き出されている。アレックスが登頂に成功するであろうことは分かっていても、最後の最後までハラハラドキドキさせられるのだから。出来れば大きなスクリーンで観たかったなぁ…
アレックス・オノルドの勇気と偉大なるチャレンジ・スピリッツに大きな拍手を送りたい。
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