たまには“山”絡み以外の映画レビューも…
映画館で観て以来の再見。Huluにて。
「実生活のことしか(曲に)書けないわ。経験したこともない話は語れない。でも実生活の悲しい出来事はそのまま書かず必ずオチをつけている。個性を訴えたいの。」by エイミー・ワインハウス
「私の音楽は一般受けしないから。私はビッグにならないわ。売れたらいいと思うこともあるけど、私は有名にはなれないわ。もし有名になったら、対処できなくて頭が変になる。」by エイミー・ワインハウス
「彼女は紛れもない本物のJAZZシンガーだ。エラ・フィッツジェラルドやビリー・ホリディに匹敵する素晴らしい才能だった。もし彼女が生きていたらこう言いたい。生き急ぐな、貴重な存在だ。生き方は人生から学べる。もし長く生きれば…と。」by トニー・ベネット
昔から才能豊かなミュージシャンに夭逝する者が多いというのは定説だ。
ロバート・ジョンソン然り、ブライアン・ジョーンズ然り、ジミ・ヘンドリックス然り、ジャニス・ジョプリン然り、ジム・モリスン然り…。しかも不思議なことに、ここに挙げた夭逝のミュージシャンたちは皆 享年27歳。そのため俗に“The 27 Club”とも呼ばれている。
2011年7月23日 この“The 27 Club”にまた才能豊かな若きアーティストの名が刻まれてしまった。その名はAmy Jade Winehouse。たった2枚のアルバムを残し、8年間にしか満たないキャリアであったにも関わらず、ジャンルを問わず、多くの音楽ファンやミュージシャンたちを虜にした彼女のあまりにも早過ぎる死は今でも惜しまれる。
彼女が敬愛していたビリー・ホリディがそうであったように、酒と男、そしてドラッグに溺れた挙げ句の果ての死。また その早熟ゆえに早過ぎる“成功”が、彼女の死を早めたことも間違いない。
このドキュメンタリー映画の中でもアコギ片手に弾き語るシーンが登場するが、「I Heard Love Is Blind」のような既に熟成しきったような極上のJAZZバラードナンバーを、たった18歳の小娘が作り上げてしまうのだから!
インタビューで彼女自身が答えてるように、彼女が作った歌すべて、彼女の実生活や彼女自身に直結した歌だけに、まさしく魂の歌そのものだった。ビリー・ホリディやジャニス・ジョプリンもそうだったように。
2006年にカムデンで行われた「BBC Electric Proms 2006」というイベントで、私の敬愛するポール・ウェラーのライヴの際に、エイミー・ワインハウスはサプライズ・ゲストとして登場し、マーヴィン・ゲイの名曲「I Heard It Through the Grapevine」をふたりで競演しているが、明らかにこの時の主役はエイミー。彼女の歌唱力に圧倒され、我が師ポール・ウェラーすら完全に霞んで見えたもんなぁ…(苦笑)
このステージの時のことを振り返り、ポール・ウェラーはこう語っている。
「彼女はただ素晴らしかったよ。彼女がリハーサルに来て、そこで僕ら全員が圧倒されたんだ。僕らはただ、彼女の素晴らしさに驚愕してね。天が彼女に授けたものだね。本当に彼女が惜しまれるよ。彼女は人間性も素晴らしいんだ。これも神に授けられた才能だよね。」
まさしく。
それにしても、彼女の周囲にはクソ野郎が多過ぎた…
R.I.P. Amy
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する