エッセイ集。七篇仕立で〇まるという一篇がちょっといい話。
不登校少女の岸田今日子さんが夏休みが終わって新学期になった時、お母さんから「そろそろ学校に行ったら」と励まされて厭々乍らも登校しました。絵日記と宿題を手付かずのまま提出すると、先生は「楽しいことが沢山ありすぎて宿題する暇がなかったのね」と笑いかけて、白紙の絵日記に大きな〇を書いてくれました。感激した今日子さんは先生と学校が好きになり、それ以来不登校は止めたということです。キャラの立った女優になった今日子さんが先生に再会したとき、「先生の〇のおかげで私は卒業できました」と、真っ先にお礼を言うと、先生はしばらくキョトンとされて、それから事情を判って「あれは〇じゃないわよ。零点という意味、、」とかえされた。そこで二人は大笑いしたという。ちっちゃな零点ではなくて、えいっ!と大きな円を描いてくれた先生。〇と気づかなければ永遠に零のまま。先生の〇。それによって今日子さんは明るく生きられた。今日子さんの読みは間違っていても正しかったのです、、、、、というお話。
〇まるの他、手、糸、湯、ゴ、札、水などのお題で蘊蓄を語ってくれます。なかなか愉しい。私は北村氏が覆面作家だった頃、女性とばかり思っていました。小学校からの友達の名が薫ちゃんという女の子でした。友達が物故してからもう半世紀以上経ちましたが、同じ名を見るたび憶い出します。岸田今日子さんも2006年76歳で旅立ちされました。合掌
それしても岸田今日子さんのお話、なかなか素敵な話ですね。こういうエピソードって、実は結構たくさんあって、生徒と先生、お互い善意の誤解をしあっていることもあるんでしょうね。笑い話で何よりでしたね。
そうでした。高村薫もいました。マークスの山はじめ沢山読んだのになかなか要約で思い出せません。確かに高村さんは男っぽかったです。
岸田さんと先生は笑いあえてほんと良かったです😊
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