私の写真術 ＞＞＞ 独断と偏見による3つのポイント ＜＜＜

最近のカメラは性能が良いのでシャッターを押せば殆どの場合きれいな写真が撮れます。フォーカスと露出補正はカメラが自動で決定してくれるので、あと撮影者に求められるのは、フレーミングとシャッタを押すことくらいでしょうか。山の写真について感じたこと、特に本には書かれていないことを書いてみました。

その1, フレーミング術（限られた画面を有効に）
無意識に画面の上半分に空を写し込んでいませんか？　山の稜線や人物の顔を画面の中心に持ってくると必然的に足が切れたり空の面積が多くなります。フレーミングとは必ずしも主題を画面の中心に配置する事ではありません。どこを入れて、どこを切るか、撮影者の感性が求められます。感性に自信がなかったら、カメラアングルを山の頂きを切らない程度にもう少し下に向けてみましょう。限られた画面が有効に使え、もっと多くの情報を記録することが出来ます。但し、印象的な雲や月があったり、のどかな情景を表現したい場合は、その限りではありません。ちなみにのどかな情景を表現したい場合は縦位置で撮影してみましょう。

その2，水平に撮る（水平・垂直を正確に）
特別な表現でない限り、風景写真は水平・垂直に撮るのが基本です。傾きがあるとどこか落ち着かない写真になります。しかし人間の水平感覚は風景の形に惑わされ殆ど当てになりません。雲海や水平線がある場合はそれに合わせることも出来ますが、ない場合は・・・水平に撮ろうという"意識"があるだけでも改善するかも。
後付けの水準器を取り付けるという手もあります。画像上に表示されないので手持ち撮影では使いにくいですが無いよりまし。買い換えの予定がある方は"水準器"付のカメラをお勧めします。更に液晶モニタではどうしても正確なフレーミングが出来ないのでファインダーがあると完璧です。これらは最近はコンデジにも付いている機種があります。

その3，白飛びさせない（適度な露出補正）
人間の目と違い、カメラの露光寛容度（ダイナミックレンジ）はかなり狭く、コントラストのある被写体では明るい部分が白く飛んだり、暗い箇所が黒く潰れたり。どちらかを選ぶとしたら明るい方を優先し、白飛びしないようにしましょう。暗い方はレタッチである程度補正出来ます。
大体、白飛びは明るい空や雲で発生するので、まず、撮影領域内の空の部分にカメラを向けて画像を見ながら空が白飛びせず他の部分も好みの明るさになるように（自動露出で明るさに追従）カメラの角度を調整し、丁度良い明るさが見つかったらシャッターを半押し（露出固定）します。その状態で希望する構図にカメラを向け、静かにシャッターを全押しします。この方法で露出補正ダイヤルがないカメラでも白飛びのない写真が撮れます。この場合もファインダーがあると有利です。ヒストグラム表示のあるカメラだと更にやりやすいです。
なお、撮影前にコントラストや彩度（鮮やかさ）が設定出来るカメラでは可能な限り低く（軟調・柔らかく）設定するとダイナミックレンジを広げることが出来ます。但し、この場合"眠い"写真になるので、撮影後必要に応じてレタッチで白飛びしない範囲でコントラストを上げます。

写真１
上：空の面積が多い
鹿島槍ヶ岳が主題の写真。空には特に印象的な雲も無く、のどかな感じはあるが何か物足りない。全てがこのような写真だと飽きてしまう。
下：カメラアングルを下に移動
近景の風景やハイカーの姿など、捨てられていた多くの情報があったのだと気づく。

写真２
上：きりりと決まった水平
水準器付のカメラで撮影した焼岳の写真。水平が決まっていると気持ちが良い。
下：空の多い風景
夕焼けがメインなので意識的に空の面積が多くなっています。ハイライト部分はぎりぎりで白飛びセーフ。

如何でしょうか。これらは独断と偏見によるものです。プロではないので本来は自分の撮り方が気に入っていればそれで良いでしょう。しかし、何か思い当たることがある方は出来ることを試してみて下さい。いつの間にか写真の質が上がっているかも・・・ホント？？？　(^-^/


写真３
上：私の愛機たち
以前は登山に一眼レフを担いで登りましたが、何しろ1.5kgもあり、年寄りには辛く、ウルトラライト志向とともにコンデジに切り替え、重さは1/3以下になりました。
下：水準器の画面の例。斜めの白い線がカメラの傾き。青い線に合わせます。

私のお気に入りカメラのご紹介
　■FUJI X30 （廉価版コンデジ）
　■ファインダー付
　■水準器付
　■シャドー/ハイライトトーンが設定可能
　■専用露出補正ダイヤル付
　■明るいｆ2.0レンズ
　■多すぎず、少なすぎず、使い易い画素数
　■超高機能でハイテク撮影も可能
　■その他

※私のヤマレコの写真は、FUJI X30と上述の写真術を意識して撮影しています。宜しかったらご覧下さい。

コメント

air_4224

RE: 私の写真術 ＞＞＞ 独断と偏見による3つのポイント ＜＜＜
こんにちは
どれも素敵な山岳作品ですね
画面で大きく拡大して拝見出来ないのが残念です

私はカメラ（花撮りしたくて・・・）が山より先だったのですが、元々「凝り性」＆「収集癖」なもので、腕より機材ばかり充実してきてます（汗）

山での撮影も体力がないので、小さなカメラばかりですし、撮るのはスナップ的なものばかり・・・

toshi77さんの今回の日記を参考に、山での撮影も真面目にしたいと思います

toshi77

RE: 私の写真術 ＞＞＞ 独断と偏見による3つのポイント ＜＜＜
air_4224さん。コメント有難うございます。花の撮影が趣味だとか。これからの季節が楽しみですね。
山の厳しい冬をひっそりと耐え抜いた可憐な花たち・・・そぅーっと近づいて膝を立て息をひそめてマクロモードで静かにシャッターを切る・・・う〜ん、素晴らしい。謙遜なことを言っておられますが本当はベテランなのでは？
この日記で使用した山の写真はヤマレコにアップしています。もっと高解像で見られます。宜しかったら覗いて見て下さい。