コバケンの第九

年も押し迫って寒波もやって来た昨日、今年もまた第九の演奏を聴いてきました。ちなみに、私は毎年どこかしらの第九の演奏を聴いているけれど、年末といえば第九、とは感じなくて、春に聴いても夏に聴いてもＯＫです。また、どちらかというと「喜びの歌」の第４楽章は全体の音楽の内容にそぐわないので無くてもいい、というか、うるさくて耳が痛くなります。では何故聴きに行くかというと、あんな人手と手間のかかる曲を手軽に聴けるのは、年の瀬の日本だけだし、何よりあの美しい第３楽章が聴けるからです。第九の第３楽章、これはもうベートーベンが作った音楽の最高傑作（つまり人類史上最も神々しい音楽）だと思っています、生で聴くと必ず目がうるうるです。なので、私の第九の聴き方は第３楽章が頂点で、第４楽章は慣習で最後に演奏される別の曲、という感じです。帰宅してから弦楽四重奏曲第１５番なんか聴くと更に良い感じです。

それはさておき、今年は昨年同様で小林研一郎指揮の日本フィルハーモニーを東京芸術劇場で聴いてきました。ここ何年かのうちでは、ブロムシュテットとＮ響の第九が満足度高かったですけど、コバケンの第九はなんていうか、日本の第九の一つの完成系？みたいな独特の雰囲気があります。「みんなが好きな第九、私も大好きだよ！こうに演奏すると良いでしょ？こういうの期待してるでしょ？」ってコバケンが唸りながら思っているかどうかわからないけど、そんな感じ。コバケン節？みないな間で、決めゼリフと共に見得を切るような演奏。これはこれで、文句のつけようがない見事なパッケージングで、楽しめちゃうこと間違いなしなのです。

日フィルですけど、日本に数あるオーケストラの中で一番上手いとは言えないけれど、一番応援しているオーケストラです。いろいろあったんです。で、いろいろ頑張っているんです。幸い、弦楽パートはとても綺麗な演奏をすると感じているので、私の神である第九の第３楽章を、この上なく甘美で美しく演奏してくれます。この音楽は天国の音楽。穏やかな夏の南アルプス、イワヒバリがさえずり花が咲き乱れる白根三山の稜線を鼻歌でスキップしている、そういうイメージです。コバケン＆日フィルは、私のそういう気分も、大自然の神の存在も、穏やかに軽やかに美しく表現してくれるのです。

ずいぶん、マニアックな話で申し訳ありませんでした。
諸事情で年内にはもう山へ行けそうもありません。新年は早い時期に山で日の出が見られたら良いな。
今年はヤマレコにはいつも以上にお世話になりました。新年もよろしくお願いします。ヤマレコの皆さん、良いお年を。

コメント

yamaonse

RE: コバケンの第九
Noromatanukiさん、こんばんわ。充実の年末年始をお過ごしのようでなによりです。コバケン、根強いファンが多いですね。なにを隠そう、実は生で一度も聴いたことがない・・・と思っていたら、なんとこの春から我が地元のプロオケ、群馬交響楽団のミュージックアドバイザーに就任するのです！4／13はベートーベンの皇帝と英雄、7／13はチャイコのバイコンと４番（7／11は東京公演あり）の２公演が予定されています。山がてらでぜひグンマーに遊びに来て下さいませ！

Noromatanuki

RE: コバケンの第九
yamaonseさん、本年もよろしくお願いします。
コバケンが群響の新指揮者やるんですね！それは楽しみです。群響は近場のオケなので、聴きに行く回数を増やしたいと思っていたところです。4/13はスイスロマンド買ってしまったので、7/13のチャイコ、群馬へ行きますよ！チケットは2/1発売ですね〜。