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しかし、不当にも現在の登山者の多くはその存在すら知らない。
修験道とその開祖を知らずして日本山岳の精神的価値は語ることはできない。
その意味からすると「〇〇名山」でさえもおこがましいランキングでもあろう。
『愛知の行者さま（含む資料編） 山中宣男』などを参照してほぼ愛知県豊橋市と豊川市、新城市の役行者さまは探してきた。しかしすぐ膝元なのに不明な一体がござったとは。
それが今回紹介する豊橋市雲谷町上ノ山、
行者山におわす「苦みばしった行者」さまだ。
結果、この行者山（さま）は去年から見当を付けており、蜜柑山の頂上あたりでないかと探索していたものだった。
今回同好のSさんの指摘を受け、改めて行者山を探しに出向いた。
まず普門寺手前の鹿島神社辺りに山のめぼしを付けたが違うようだ。
付近の民家のお年よりに聴くとどうももっと手前（市街寄り）の山のようで、今でも供養をしているよ、という。
像があるのかははっきりしないが「かなり山の中に入る」言葉を頼りに廃、蜜柑山の舗装農道を高い方へ歩いて登る。
すると頂上付近には養蜂箱、その少し下がった西側には10ｍくらいのチャート巨岩が見える。何かあるに違いない。
そしてついに、死角のチャートの裏側に回りこみ、行者さまと供養の平場を発見することができた。
すぐ近くの梅田親水公園、湖西市境界の行者さまとは60�僂覇吋汽ぅ困澄併街垉�録・神石山バリ参照）。しかし、こちらはプロポーションが堂々とした大人でお顔が小さくリアルである。
境界像が可愛い妖精なら、こちらは苦み走ったイケメン「シャバーニー？」のようで、この世の苦楽を達観しているようにあらせられる。
両像とも杖を持つ右手を破損していることや、チャートの巨岩を背景とすることにも何かの関係性があるのだろう。
石垣を積んだ平場はそれなり広く、瓦製の護摩壇もある。
さらに驚くことにはチャートの石段が150ｍほど続く堂々たる石段参道になっていた。おそらく古老はこちらの道を教えてくれたのだろう。階段下の水平参道も広く長いが竹林が倒れ放題で歩きにくく薄気味が悪い。しかし無事通過できたので十分帰路になった。
このような立派な遺構を目にするにつけ、近代以前の信仰登山のぶ厚さを感じざるを得ない。そして地元の方の登山（信仰）がいつまでも途絶えないことを祈るばかりである。
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