送電線の鉄塔には男と女がある？

いつもの北関東自動車道を走ったら、見える景色が今までとガラッと変わった。
何を隠そう、送電線の鉄塔から目が離せなくなってしまったのが原因。
よそ見はいけないけれど、1994年に新潮社で出版され、その後文庫本化された小説と,1997年に公開された映画のDVD版を最近見て頭の中がすっかり占領されてしまった。

　鉄塔には男性型と女性型がある。
　男性型には碍子連Ｉ（アイ）吊とＶ吊がある。
　頭に帽子を被った料理長型鉄塔がある。等々。

個性ある送電線鉄塔がインターチェンジ2つを走るわずかの間に息を継ぐ暇もないほど次から次へと現れては消えていった。
最後には雪を頂いた男体山がどっしりと大きく、女峰山や大真名子山、小真名子山の日光ファミリーが間近に迫って、名残惜しいけれど、あっけなくもフィナーレを迎えたのだった。

私のはまったのは、少年がひたすら鉄塔を追う「鉄塔　武蔵野線」である。主人公は小学校5年生ながらすっかり大人目線で、私のような山登りにかけては万年少年のオジイサンにちょうどぴったりの冒険小説。
結末が出版ごとに異なるので、現在ソフトバンク文庫版を読んでいる。

左の写真は茨城福島県境の福島幹線197号。碍子連Ｖ吊で電線をぶら下げているので男性型鉄塔。右の写真は同じく198号。碍子が電線の向きに引っ張られ、電線にはジャンパー線が下がっているので女性型鉄塔。どちらも頭に帽子を被った料理長型鉄塔だ。