皆もすなる日記といふものを、私もしてみむとてするなり

　と、言うわけで日記でも書いてみよう。どうせ三日坊主になるだろうが、それで誰が困るというわけでもない。見ず知らずの他人が吐く戯言など、続こうが続くまいが気にもとめられないだろう。気楽にいこうと思う。

　記念すべき第１回のテーマは富士山である。そう、日本人なら誰しも一度は登ってみたいと考えるであろうあの富士山である。かくいう私も2021年に吉田ルートから登頂している。しかし、その際の所感は「もういいか」であった。
　はじめは感動した絶景も、山行中ずっと続けば飽きようというものだ。ひたすら同じ景色を見ながら代わり映えのない道を延々と登り続ける。一体何の苦行であろう。登頂時には感動を得られもしたが、やはり富士山とは眺める山なのだとつくづく思ったものだ。

　ところが、何故だろう、最近無性に富士山に登りたくなってきたのである。今年からは静岡側からも有料となり、加えて事前に予約しろの講習を受けろのテストを受けろのと色々面倒になってしまったにもかかわらず、だ。
　登りたい。しかし登ればきっと後悔する。だが登りたい。
　富士山とはかくも魅惑的な山なのである。