8月5日、前泊の七入キャンプ場を気持ちよくスタートしたのが6時頃だったか。
御池パーキングは、まだら模様に駐車していた。
一通り注意書きを読むと「見晴道」が崩落のため通行禁止とある。
はて、見晴道とはどこか?わからぬままにスタート。これが後に気の毒な思いとなった。
さて、間もなく急な登りとなった。そういえばキャンプ場の管理人がニヤニヤしながら「いきなり急登だよ」と、言ってたのを思い出す。
ハーハーと息を切らしていると、隣のテントだったチャリダーの親父さんがガシガシと上がってくるではないか。
私の様子をみてか一言、「深く息をするんだよ」と言い残してアットいうまに立ち去った。
この親父さん、私と同じ年で宮崎からフェリーで新潟に、途中二つ三つ山を登ってきたというからただものではない。
いやこの後、さらにただまのではない方に会うことになる。
しかし、山頂近くまでアブに伴走されるとは思ってもいなかった。
動いているときは大丈夫だが、止まるとアブの奴も、なんと私の体で休むのである。ただ休むのではない、背中をチクリ、首筋をチクリ、
痛かったのは手のひらをやられたときである。小指からしびれだし
中指あたりまでしびれだした。大事には至らなかったけど
アブさんの伴走はこりごりだ。
頂上で休んでいると、さっき追い越していった方が「マイッタマイッタ」と戻ってきた。どうしたのと聞いたら「いや見晴道からやまのはなとかいう山荘に行く予定だったが通行止めなんだ」という。
ハハーン、これであの注意書きがわかった。
それでもコースを変更して、やはり行くという。
そもそもこの方、二人で登り始めたが相棒が登りの半分ほどで、おれやめたと帰ってしまったという。なんともお気の毒としか思えない。
さて、元気な女子高生の後を追うように私も下山開始。
長英新道とかいう尾瀬沼に向かう道だ。
それにしてもだらだらと長い。やがて、大木の樹林に差し掛かるころ
後ろから雷鳴がとどろきだす。ちょっと不安になったが、エーイなるようになれとばかり悠然と歩いた。実は、急ぐにも足が動かなくなっていたのである。
沼の木道を歩いていると、若いカップルが急ぎ足で逆方向にすれちがう。雷鳴は急き立てるように鳴りだし、前方2キロほどか長者小屋が見えた。
しかし、私の足は一向に早くなろうとしない。
あきらめかけたころ、軽い足取りで私を抜き去った30歳ころのご婦人がいた。
その後ろ姿は、かもしかのような細い足が印象的だった。
やっと、長者小屋のトイレにあと数歩というところで、ついに雨が降り出した。やれやれ助かったわいと、たばこに火をつけた。
半時で雨はやみ、沼山休憩場から出るシャトルバスに向かった。
だが、休んでる間に筋肉が硬直したらしく、ぎこちなない歩き出しとなった。
休憩場ではバスが1台止まっていた。他にないから自然とそのバスに向かう。
するとボーンとエンジンがかかるではないか、慌てた私は手をふりふり
痛い足でかけよった。
ドアが開き運転手さんがニコニコと、「良かった、空荷ではしるとこだった」中に入ると客は私一人だった。
あ〜疲れたと、ねぐらのキャンプ場にとぼろくそ車を走らせた。
途中、ザックを背負った半ズボンのハイカーが駆け下りている。
アリャー、ヨウキさんじゃないか?
減速してちらっと横顔を失礼してのぞき込んだら、やっぱり「百名山一筆書き」のようきさんだった。
そのままペースを合わせてお話をさせていただいた。
ようきさんが私に「自分のペースが大切ですよ」と、助言をしてくれた。
まるで、今日の私の行動を見透かしての助言のようだった。
とにかくも、いい山行であった。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!
アブさんにヨーキさん、
それはすてきな山行でしたね✨
深く息をしつつ、
自分のペースで!
私も心にとめておきます。
ありがとうございます(^_^)
コメントありがとうございます。
今回の山旅は、退屈しないほどさまざまなことが起きました。
普段は、単独行動なので黙々と歩くことが多いのです。
驚いたのは田中陽気さんと会話したことですね。
私は田舎者ゆえ有名人と言う方をテレビ以外で見ることはないのです。
山の愛好者には、彼は有名人と言えると思うのですが、テレビで見たままの
全身日焼けした方でした。
右往左往の人生を送っている私には、彼のように目標達成に一生懸命に
走っている人は、とても素晴らしい事に思えます。
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