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御池岳(おいけだけ) / 丸山

鈴鹿山脈最高峰のテーブルランド

"御池岳"
"御池岳"

御池岳は滋賀県と三重県にまたがります。両県を南北に走る鈴鹿山脈を構成する一座で、その中では最も高い山です。山頂部は滋賀県に属しており、標高は1247mです。

山体は巨大なテーブル

"御池岳山頂部"
"御池岳山頂部"

山全体は石灰岩で構成されるカルスト地形です。山頂部は広々とした台地が広がり「テーブルランド」と称されています。

"幸助の池"
"幸助の池"

石灰岩台地の特徴であるドリーネや「カレンフェルト」もよく発達しています。
ドリーネは、雨水の浸食で地表が陥没した凹地です。御池岳では、水が溜まって池となったドリーネがあちこちにあり、山名はこれに由来しています。

"カレンフェルト"
"カレンフェルト"

一方カレンフェルトは雨水に溶食された石灰岩柱で、無数に並ぶことで芸術的な景色を展開しています。

"ボタンブチ(左)と天狗の鼻(右)"
"ボタンブチ(左)と天狗の鼻(右)"

他にも見どころはいくつもあり、ボタンブチ天狗の鼻は、急な崖地です。平坦な山頂部の中では、高度感を感じられる場所です。
また日本庭園と呼ばれるエリアは、苔むした地表と木々が趣のある雰囲気を醸します。

鈴鹿山脈を見晴らす一等地

"ボタンブチより鈴鹿の山々を望む"
"ボタンブチより鈴鹿の山々を望む"

御池岳の上部は眺望が良く、最高峰に相応しく鈴鹿山脈の山々を一望します。
山頂台地を巡れば、白山乗鞍岳御嶽山恵那山などいくつもの山を望むことができます。さらに琵琶湖や伊勢湾も確認できます。

"御池岳山頂"
"御池岳山頂"

山頂標識が立つ最高地点は、台上の北側にあります。

花の百名山

"フクジュソウ"
"フクジュソウ"

御池岳では、石灰岩質を好む植物が多く自生しています。
特に有名なのはフクジュソウで、山頂から北へ進んだ鈴北岳から鈴ヶ岳の斜面でよく見られるようです。この花の盛りは早く、3月から4月にかけてです。花は鮮やかな黄色ですが、咲いた姿を愛でられるのは晴れた日のみです。陽光がない雨や曇りの日は、花は閉じてしまいます。

"ヤマエンゴサク"
"ヤマエンゴサク"

春から夏、秋にかけても種々の花が鑑賞できます。花の百名山に選ばれるほどで、選定者の田中澄江(たなかすみえ:1908-2000年)は代表花をヤマエンゴサクだと紹介しています。
なお夏期は暑さが厳しく、入山の際は熱中症対策が欠かせません。またヤマビルが身体に付着することがあり、忌避剤の使用が必要です。ヤマビルに吸血されると痛みはありませんが、しばらくは出血が止まりません。

樹氷巡りも盛んな山

"御池岳山頂部:積雪期"
"御池岳山頂部:積雪期"

冬季の御池岳は積雪に恵まれ、スノーシューハイクや樹氷観察でも人気です。雪がよく降るのは、山の北西に琵琶湖があり、冬の季節風が遮られずに吹き付けるためです。
山頂部の広々とした雪原や、氷雪をまとって白く輝く木立は冬ならではの絶景です。
ただし展望の良い平坦地であるがゆえ、悪天候時は強風による低体温症やホワイトアウトによる道迷いの危険が高まります。天候を見極めること、万全の装備で臨むことなどが求められます。

"青のドリーネ"
"青のドリーネ"

この季節のちょっとした名物は青のドリーネです。山頂台地のおよそ中央にある大きなドリーネで、光の加減により、窪みの雪が青く見えることがあるようです。

開放的な鞍掛尾根から目指す

"御池岳登山地図(鞍掛峠〜御池岳)"
"御池岳登山地図(鞍掛峠〜御池岳)"

御池岳への代表的なルートは2つです。そのひとつは、鞍掛尾根から山頂部を目指します。

"鞍掛峠"
"鞍掛峠"

登山口は、鞍掛トンネルの両坑門の近くにそれぞれあります。2つの登山道は、すぐに鞍掛峠で合流します。

"鞍掛尾根"
"鞍掛尾根"

鞍掛尾根は鞍掛峠から鈴北岳へと伸びています。おおむね見晴らしが良く、のびやかな気分で歩くことができます。

"鈴北岳山頂:琵琶湖を望む"
"鈴北岳山頂:琵琶湖を望む"

鈴北岳山頂は遮る物がない大展望で、白山や琵琶湖を雄大に望みます。

リスが棲まうコグルミ谷から登る

"御池岳登山地図(コグルミ谷〜御池岳)"
"御池岳登山地図(コグルミ谷〜御池岳)"

御池岳へのもう一方のルートは、コグルミ谷に沿った道です。

"コグルミ谷:登山道"
"コグルミ谷:登山道"

登山道は樹林帯の中です。

"コグルミ谷:長命水"
"コグルミ谷:長命水"

途中で長命水なる湧水に出合います。

"コグルミ谷:カタクリ"
"コグルミ谷:カタクリ"

六合目はカタクリ峠または「天ヶ平」と呼ばれており、カタクリニリンソウなどが楚々と咲く姿を楽しむことができます。

"コグルミ谷:シマリス"
"コグルミ谷:シマリス"

また界隈はシマリスが棲み付いています。ちょこまかと走り回ったり、ドングリを頬張る姿は愛らしく、密かな人気を得ています。
登山口 コグルミ谷登山口
鞍掛トンネル東登山口
鞍掛トンネル西登山口
基本情報
標高 1247m
場所 北緯35度10分44秒, 東経136度24分53秒
カシミール3D
御池岳の山頂
鈴鹿最高峰
国土地理院のP1247より北にずれてる

山頂部は7割が樹林帯で一部いなべ市側が開けてる
山頂

山の解説 - [出典:Wikipedia]

御池岳(おいけだけ)は、滋賀県東近江市の鈴鹿国定公園内にある標高1,247 mの山。山腹の北東面は三重県いなべ市との境界に位置する。鈴鹿山脈および東近江市の最高峰。
山体は古生層の石灰岩からなり、藤原岳とともに鈴鹿山脈の北部石灰岩地帯に位置する。南北約3km、東西数百mの広い平らな空母のような山容の山頂部は「テーブルランド」と呼ばれている。山頂部には多くのドリーネの池とカレンフェルトが点在するカルスト地形が見られる。最大の池は、日本庭園近くの元池で、その南東には真ノ池がある。山頂部は丸山とも呼ばれ、山頂の西端には、ボタンブチ及び天狗の鼻と呼ばれる、崖の上の展望地がある。山頂からは御在所岳など鈴鹿山脈のほとんどの山が望める。遠く伊吹山、乗鞍岳、御嶽山、中央アルプスや恵那山、南アルプスなどを望むこともできる。麓の犬上郡多賀町などでは雨乞いの神事が行われているおよび関西百名山の一つに選定されている。別称が御池、丸山

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