筑波山 「ヒトココ」性能実験
- GPS
- 03:41
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 914m
- 下り
- 933m
コースタイム
天候 | 晴れ、無風、でも寒い。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
早く着きすぎたメンバーに車でピックアップしてもらい、8時20分頃?筑波神社到着。 |
写真
感想
今回は、ヒトココの性能実験という山行。
ヒトココ子機をもつ遭難者役メンバーが先にどこかに隠れていて、それをヒトココ親機を使って探索するという実験をしました。親機は諸々調達して全部で4台を揃えました。探索役メンバー6名をケーブルカー使用パーティ2名と、歩き登りパーティ4名に分け、捜索に臨みました。ちなみに、もともとは上から探索組と下から探索組にわかれる計画があったのですが、先週の第1次ヒトココ性能テストの結果、「下からの探索はとても無理ではないか?」という思いがあったことと、トレランの大会により薬王院側の駐車スペースがないってことで、2パーティとも時間差で上から探索に臨むことにしました。なお、探索パーティ間の連絡は、アマ無トランシーバー3台と特小トランシーバー3台を使用。これら通信機器の性能差のテストも裏ネタでした。
遭難者は、筑波山の薬王院ルートピストン、という山行計画を山の会に提出し、それを前提としました。つまり、捜索エリアは薬王院ルート側に限られるという前提。そこで、先行パーティがまず、男体山山頂側から薬王院に向かって、親機2台で探索しながら下山をしていきました。折しもこの日は、トレランの大会が開催されていたため、薬王院の一般登山道を歩いているのが難儀だったこともあり、うろうろ左右に藪漕ぎしながら、探索しつつ下山をしたとのことでした。しかし、見つからないまま先行メンバーは車道まで降着してしまった・・・のでした。
ちなみに遭難者役とは携帯が通じLINEでやり取りができたため、この「車道まで降りてしまった」情報も遭難者役に伝えることができまして。その結果、遭難待機場所よりも通り過ぎてしまったことが発覚。ちなみに先行パーティ2人は、登り返すのは無理(というかイヤ)!と、あえなく探索からリタイア。残る我々後発組パーティに捜索が託されました。
先行パーティと約1時間半の時間差を持って探索を開始した我々後発組。まず、見晴らしの良い高台から親機でサーチするのが良かろう、とバリルートがいくつか分岐する「坊主山(709ピーク)」に登り、四方にサーチを掛けました。が、坊主山自体は樹林の中で見晴らしは決して良くない。そのせいかどうか、「近くにいません」と表示されるのみで、一切サーチができません。方角のヒントすら得られない状況。そこで、この坊主山から北側に伸びるバリエーションルートに2手に分かれ、探索を行うことにしました。しかしそこは空振り。10分程度探索しながら下山した道を、再び709ピークに登り返してきました。
実はここで、なんと遭難者役からLINEで実際の遭難場所の地点情報の連絡が入ってきてしまっていた!のでした。先行パーティの探索失敗を知り、あらま、ってことで連絡してきた模様。ただしその地点を知っちゃったのは私だけで、他の後発組メンバーには、いちおう伝えないでおきました。ただ、私、にやにやしちゃうし、ぽろぽろ漏らしちゃうし、てことで、雰囲気でわかっちゃうよねえ・・・つか寒いしねえ、てことで、ここからは、正解地点の方面を目指して、バリルート踏み跡を降りていくことにしました。正解方面は、薬王院ルート一般登山道から、709ピークとは反対側の南側バリルートでした。
しかしながら!確かに正解地点方面に向かい、確かに距離は近づいているはずなのに、親機サーチはまったく反応しない。相変わらず「近くにいません」のまま。おやおやどうしたことか。実際の遭難救助さながら、「おーい、Kさーん!!」と皆で叫びながら近づきました。何度か叫ぶうち、「はーい!」と遭難役からもコールが聞こえた!!よかった★と思いながら、その時点でもヒトココ親機のサーチは「近くにいません」だと。むむむ・・・。
そしてようやく、「なぜ?」という思いを持ちながら歩いていたところ、いきなりヒトココ親機が「(探索先との距離)160m」および矢印を示した!のでしたが、その時点では、声が明瞭に聞こえる距離。実質の距離は160mよりももっと近かったみたいな感じです。重ねて、むむむ・・・。
その後すぐに遭難役の姿が見え、なんとも、機器を使った遭難訓練としては、苦い結果となりました。
前週の同様の検証でも、ようやく親機で探索結果が表れたのは、距離300m地点でした。そのときは、すでに樹林帯を抜けた車道に出ていた状況での300mでした。何が障害物になるかわかりませんし、アバランチビーコンの様に磁波のカーブなども影響しているのかもしれません。親機の受信能力(あるいは子機の発信能力?)が、もう少し強くないと意味なくね?というのが、2週続けての、現場での率直な感想でした。
結論。
ヒトココは、障害物(山そのものはもとより、樹林ですらも)があると、サーチには容易に障害となってしまうため、遠距離からのサーチはほぼ不可能。(先週の第1回性能テストと重ね、二度の実証検証による結論です。ヒトココさんには申し訳ないが、実際に遭難救助に用いた実感としては事実です。)
ただしかし、遠いヒトココ関係者でもあるメンバーの情報によると、「ヘリコプターからのサーチ(ココヘリ)では、ドンぴしゃ真上までのサーチが可能」とのこと。つまり、ココヘリ頼みの子機携帯、というのが、お守りとしての現実的な使用方法であろう、ということがいえます。
わたくしの所属する山岳会では、何名か(私も含め)ヒトココ子機を持っていますし、会で親機も持っていますが、親機サーチは頼りにできない、という悲しい結果となった次第。子機を持っているメンバーは、ココヘリ契約しなければねえ、と思ったのでした。たださあ、ココヘリって、契約すると、子機をレンタルしてくれるんだよね・・・。子機をもってるオレらは、少々むなしい気持ちを感じるものがありました。
なお、裏ネタの「アマ無トランシーバーと特小との比較」は、ある意味で有意義な結果が得られました。日曜午前というお日柄もあったためか、アマ無のバンドはかなり使用率が高く、事前に計画していた複数のバンドは、いずれも非常に会話率が高く。無意味にオジサマ方のトークを漫談さながらに聞きながら歩くような状況でした。そこで、通じる間は特小トランシーバーで交信をしていたのですが、山を挟む状況になると、ノイズが多くなってきて、特小では声が聞き取れない、さらには特小では交信不可、となっていきました。そこで、しかたなく、隙間をぬってアマ無バンドで交信をすると、ばっちり感度OK!だったりしたわけです。電力の弱めなVX−3(八重洲)でもOKでした。(私は自前のVX-6を使って交信してましたが、受信のみで携帯していたメンバーのVX−3でも十分聞こえたとのこと)。やぁー、アマ無4級とってよかった!と個人的には思った次第。むふふ。(念のため注釈しますと、わたくしはお借りした特小とアマ無のと2台持ちでとっかえひっかえ交信しました。)
無線交信に関する反省点(というか学び)としては、混雑するバンドで、交信終了の様子を察知し、無声になったなー、と思ったところですぐさま自分のコールサインを発しメンバーとの交信をトライしたところ、「まだ交信中ですよ!」としかられたことが2度もあった(別の方からね)のよね。無線交信の空気の読み方が難しいなーと思ったのでした。無線界ではまだまだオレはKYか(これは昨年の流行語ですね、古!)。そして、日曜午前は、オジサマ方の無線交流がとても活発なのだなー、オジサマがたの茶飲みトークって、こんななのかー、というのも、とても新鮮な学びでしたw。
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