北八甲田(仙人岱ヒュッテ探し)
コースタイム
3/7 (6:35)BP-(8:45)傘松峠(9:00)-(10:30)酸ケ湯
天候 | 3/7 雪、視界ほぼゼロ 3/8 はれ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新青森駅から酸ケ湯までJRバス(1300円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
3/6 酸ケ湯から地獄沢までスキー場並みのラッセルがされている。先人の苦労をしのびつつニコニコでスキーを走らせる。地獄沢上部で相変わらず風とガスが出てくる。地獄沢を抜けたあたりでコンパスを仙人岱ヒュッテに当てる。視界はほぼゼロ。樹氷を観察したりカンジキで遅れる滝田君を待ちながら進む。しかし、歩いても歩いても仙人岱ヒュッテには辿り着かない。いつの間にか斜面を登ろうとしていることに気づく。地獄沢を抜けてから仙人岱ヒュッテまで登りはないはずである。地図で確認するが、今どこにいるのか皆目見当がつかない。手がかりを探してひたすら歩く。無木立の大斜面をトラバースしている途中で一瞬視界が開け背後に高田大岳が見えたため、おそらく小岳の斜面にいることがわかったが、時間切れで雪洞掘ってビバークすることにする。2時間弱で2人分の雪洞が完成した。滝田君はシュラフを忘れる。僕はぺミカンシチューで気持ち悪くなり、人目をしのんで吐く。お互い辛い夜となった。 3/7 滝田君がバイトのため下山。計画では翌日までいることになっていたが、僕も下りれるうちに下りることにした。視界はないが、仙人岱に向かって進む。シールを付けたまま滑り転んで止まるを繰り返すうちに、視界が開けてくる。目の前には石倉岳が見えた。仙人岱とはかけ離れた場所にいたが、現在地がわかって一安心。傘松峠経由で酸ケ湯に下りることにする。起き上がることに疲れ果てたので、石倉岳から傘松峠までスキーを担いでツボ足でダウンヒル。ヒザまで埋まった。傘松峠から酸ケ湯まで南八甲田の峰々を眺めながら行く。途中から除雪されているので、雪の回廊も見物できる。 |
写真
感想
昔のroom noteより抜粋。
八甲田山は良かった。すごかった。楽しかった。1日にして降雪で埋まってしまったトレースを何とかスキーでたどる我ら2人のあとからももまでもぐってラッセルのやり直し追っかけてくる丸井さんは悲惨だった。ただっ広い仙人岱の、雪とガスと風と樹氷の中でのヒュッテ探しは、手間どり、ヒュッテに着いた時の鼻水を凍らせた我々の姿は映画「八甲田山」を思い出させた。しかし何といっても2日めのハイライトは小岳方面の樹氷のとぎれた少し広い斜面でのダウンヒル。全長1500m最大傾斜角15°のこの斜面での滑降は豪快さを味わう暇もなく下に着いてしまう。しかし、視界15m〜20mの中では良い斜面は見つからんかったのだ。リングワンダリングもやってまったし。翌日は何と晴れ、朝かかっていたガスがきれいに晴れて、一面の樹木の朝日をあびて長い影をなだらかな斜面におとしている。小岳、その向こうに高田大岳、右には硫黄岳、そしてスキーには絶好の八甲田大岳がこんなに近くにあるなんて。昨日は考えてもみなかった。早速行くべえということになって準備して、自衛隊の遭難救助のヘリと少し遊んでから大岳へ出発。すべてスキーで登り運悪くガスのかかった頂上に立つと積雪5cmもあるかないか。すべてシュカブラとエビの尻尾の世界。記念撮影も終わり、さあ今度こそ本当の大滑降。東側のシュカブラをさけて、西側のパウダースノーの斜面の好きな所に一本のシュプールをつけてゆく楽しさよ。転んでも楽しい。全くあんなに楽しいのはそうない。下を見れば長い影をのばしている樹氷のあいまにヒュッテが真白く凍りついて立っている。まるでお菓子の家だ。すべてが青い空のもと輝いている。西中の遭難騒ぎなんぞ知るもんか。我らは登ってきた時につけた1本のシュプールの他誰の踏跡もない真白な(というより少し水色がかってさえいた)斜面にシュプールををきざむのみ。転倒のあともだいぶつけたが。お菓子の家の小屋まで降りてきて振り返るとあれだけ転んだにもかかわらず三本のシュプールがなかなかカッコ良い。天気は依然晴れ。堀と「八甲田でこんなに晴れるなん“信じられん、信じられん、信じられん”」と信じられん三唱をしてから、荷物をまとめて小屋をあとにし、快適でもあり悲惨でもあるスキーでの下降を始めた。途中丸井さんが引き返した地点よりは輪かんのあとがまざまざと残る雪の溝を先人の苦労をしのびながら、酸ケ湯へと急いだのだった。
悲惨でしかなかった今回の山行であったが、これを読むと、スキー滑降を楽しんだ気になる。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する