元清澄山・三石山・猪ノ川渓谷
- GPS
- 06:00
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,038m
- 下り
- 1,081m
コースタイム
黒塚番所跡 10:25-10:30
元清澄山 11:00-11:10
地蔵峠 11:55
三石山(観音寺) 12:35-12:50
地蔵峠 13:30
黒滝 14:05
上総亀山駅 14:55
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
上総亀山駅 08:39-(君津市コミュニティバス)-08:53 鍋石バス停 (帰り) JR久留里線 上総亀山駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
猪ノ川渓谷にある東京大学千葉演習林の、2009年の秋の公開日は11/28(土)・29(日)・12/05(土)・06(日)の計4日間。早速その初日に好天の予報が出たので、今年最後になるかもしれない紅葉狩りに出掛けることにしました。 渓谷歩きの前には元清澄山と三石山に登ることにして、元清澄山には鍋石から登るコースを選択しています。 その鍋石→元清澄山のコースは、「千葉県の山」(山と溪谷社刊)が「最近利用されていないのでわかりにくい箇所がある」としており、君津市観光協会のウェブサイトでは、2008年1月の調査を元に「きちんと整備される迄、入山を控えたほうが良いと思う」とまで書かれています。個人の山行記を見ていても、道が不明瞭で途中で引き返したレポートが複数あって、道迷いのリスクは相当に大きいようでした。 元清澄山には金山湖から登るコースもあって、そちらは安心して歩けそうなのですが、金山湖への公共交通が安房鴨川からのバスしかないのが致命的です。一旦外房を回ったりしていてはスタート時間が遅くなって、とても明るいうちに歩き切れません。 そんなわけで、最も早い時間に登山口に到着できる鍋石からのコースを、リスクを承知の上で敢えて選ぶことにしたものです。途中で引き返さざるを得ない最悪の事態に備えて、今回は珍しく鍋石から戻るバスの時刻も控えて出掛けています。 ■鍋石バス停 → 黒塚番所跡 バス停から溜池までの短い距離の間は不明瞭です。溜池の水際を歩く箇所も崩壊が進んでいます。それらをクリアして、溜池の末端(上流側)近くで池畔を離れて山道に入れば、あとは歩きやすい道でした。途中には道迷いしやすい箇所が1回だけありますが、それは本文を参照して下さい。 ■黒塚番所跡 → 元清澄山 関東ふれあいの道で問題なく歩けます。 ■元清澄山 → 地蔵峠 ←(往復)→ 三石山(観音寺) かなり頼りない道です。ただし最初のほうのヤセ尾根が、倒木による邪魔もあって少し厄介でしたが、それを除けば歩きにくい箇所はありませんでした。 ■地蔵峠 → 東大演習林 → 上総亀山駅 歩きやすい穏やかな道で、良く整備もされていますが、ここを歩けるのは限られた一般公開日のみ。通年で通行できるのは、上総亀山駅から黒滝までの間だけです。 ※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。 |
感想
アクアラインを経由して木更津へ向かうバスは各所から出ていますが、乗り継ぎが不可能だった羽田空港からの始発を除いて、木更津着が最も早くなる品川駅からの路線に乗っていきます。
そして木更津からは、今回初めての乗車となるJR久留里線に乗り換えます。今日は、終点の上総亀山駅までローカル線に揺られて往復することも、山歩きと同じくらい楽しみにしていたのでした。
鍋石でバスを降りて進行方向に少し歩くと、左への分岐道があります。その角には「一般のハイキングコースではありません」という君津市の看板が出されていて、そこが登山口です。
そこを入ると奥で椎茸栽培地に出て、鹿よけのネットを開閉して進んでいきます。さらに進むと細い流れを丸太橋で渡りますが、木が腐りかけていてとても橋に乗る気にはなれず、沢をまたいで渡りました。
そして沢を渡った先で、早速道の続き見失います。歩き始めて5分で撤退では笑い話にもならないと、周囲を良〜く見渡したところ、ヤブの中に分け入っていく薄い道形を辛うじて発見できました。
ヤブの中の道形を追っていくと、溜池の堰堤の前に出ました。堰堤の上を歩いて対岸に渡り、そこからは溜池の水際スレスレを、水面を右手に見ながら歩いていきます。
しかし、ほとんど歩く人がいないと見えて、かなり荒れており、崩れかけているような箇所も少なくありません。
どうにか溜池の末端近くまで進んで、左手に登り口を見てそこを登り始めると、ようやく歩きにくい道からは開放されました。
杉の林の中に入っていけば、ここから先は、比較的良く歩かれている感じの、明瞭で歩きやすい道が続いていきます。所々にある白いテープも良い目印となりました。
後述する1箇所を除いては、意外にも迷い込みやすい余計な分岐もなく、ほぼ道なりに歩いているだけで順調に進めてしまいます。入る人が少ないことで、登山道以外の枝道が淘汰されて消えつつあるのかも、といった印象を持ちました。
途中で2回ほど、道の続きを探しにくい地点もありましたが、いずれも、いくつかの方向を探るうちに正しい道がすぐに見つけられる程度の状況でした。
問題の1箇所は、狭いバンドにロープが張られているスラブを横断した直後の分岐です。
右(直進に近い)に尾根道が続いていてそちらが自然に見えるのですが、そこで左手に鋭角状に曲がって下っていくのが正解でした。
この地点では、ウェブでの下調べを元に最初から迷わず左の道を進んでしまったので、もし右の尾根に入ってしまった場合に、その先で間違いにすぐ気付ける状況なのかどうかは未知のままです。
黒塚番所跡まで来れば、金山湖からの関東ふれあいの道が合わさるので、その先はきちんと道標が道案内してくれて、何の心配もない道に変わります。
ただしアップダウンはかなり激しいものがあり、しかもその多くが急な階段状なので、元清澄山までの間は短いけれど結構辛い区間でした。
関東ふれあいの道ということで軟弱な道を想定していたら、クサリの下がる急斜面まで出てきて驚いてしまいました。そこは木の根が豊富に張り出しているほか岩角などのスタンスも多く、結局クサリには全く触れる必要もなかったのでしたが、山慣れない人が散策気分で来てしまったとしたら面食らうかもしれません。
元清澄山の頂上は疎林に囲まれて展望はほとんどありませんが、テーブルとベンチがあって広さもあり、落ち着ける空間となっていました。
元清澄山からは、標識に従って清澄山方向へと進みます。5分ほどして地形図にもある林道を左に見送り、さらに5分ほどで三石山への分岐点に出ます。
三石山への分岐点といっても、関東ふれあいの道の道標は、進行方向の清澄山と来た方向の元清澄山を示しているのみです。ここで三石山への道は左に鋭角に折れるのですが、その方向は足元にある小さな標識が示しているだけでした。
三石山への道に入ると、途端に踏み跡は薄くなり、倒木に行く手を阻まれたヤセ尾根の通過もありました。道の様子があまりに心許ないので、GPSを取り出して進行方向が正しいのかを確認したほどです。
それでも、2つ目のコブを越えて下った箇所では、再び三石山への小振りな標識を足元に見てひと安心します。これ以降は道も明瞭さを取り戻し、またコブは巻いていくようになるなど、次第に歩きやすくなっていきました。
しばらく進んで地蔵峠に到着すると、その周辺は東大演習林側から登ってきた人たちで賑わっていました。
地蔵峠から三石山までの区間は、演習林の公開日とあってか人が多く、たくさんのグループ等を抜かしていくことになりました。
道は小刻みにアップダウンを繰り返しますが、急な傾斜はないので、体力への負荷はあまり感じません。
40分ほどで観音寺の境内に着いて、境内をゆっくり見てから、地蔵峠までは来た道を引き返します。
※境内はゆっくり見たのですが、帰宅後に「千葉県の山」を確認すると、寺の裏側が山頂となっていて眺望が良いと書かれているではないですか。
そういえば山名の由来と思われる巨岩に沿って、裏手へと登っていく階段を見てはいたのですが、岩が見られるだけで大したことなさそうだと決めつけて登らなかったのでした。
なので今回、三石山の頂上は踏んでいなかったことになります。また境内からはほとんど展望はなく、それは元清澄山でも同じでしたので、今日はほとんど展望を楽しまなかったことになってしまいました。
再び地蔵峠に戻った頃には、周囲にはほとんど人がいなくなっていて、最初に通った時に見た東大の係員らしき人の姿も見かけなくなっていました。
改めて案内掲示を見ると、この地点のゲートは14時30分に閉めると書かれています。あと1時間しかないので、もし最初に鍋石からの登りで難儀していたら、間に合わせるのが難しかったかもしれなかったのでした。
地蔵峠から先は、普段は立ち入りが制限されている区間となります。
峠から渓谷へと下る道は、東大の案内図では「急勾配」と書かれていて、その心積もりで下っていきますが、ジグザグで傾斜を緩和した穏やかな道のまま、あっという間に下り切ってしまいました。
こんな程度の傾斜でも、散策のつもりで訪れた人には「急勾配」とでも案内しておかないと、クレームが出ちゃったりするんでしょうか?
いよいよ楽しみにしていた猪ノ川渓谷に入ります。その紅葉は、渓谷全体を覆うような派手なものではなく、色付いたエリアがあちこちに点在しているという具合でした。
その色付きも、黄色から鮮やかな橙色、そして紫に近い深い赤色まで、場所によってグラデーションのように様々な色合いを見せていて、林相の多様さを伺わせています。
そして、ここまで予定よりも順調に歩けていて、まだ渓谷に日が入る時間帯であったことから、陽光の明るさが紅葉の美しさに花を添えていました。
しばらく歩いていくと、左手に黒滝が見えてきます。最初は小さなナメ滝程度に見えていましたが、近付くとその下部に落差のある滝が続いていて、全体でスケールの大きな滝になっているのが分かりました。
黒滝のゲートを過ぎれば、その先は普段から歩ける一般道です。紅葉も次第に少なくなっていき、やがて亀山湖の末端に架けられた橋に差し掛かると、歩いていて楽しい道はもうおしまい。あとは舗装道路をクネクネと歩いて、上総亀山駅へ向かいました。
ところで上総亀山駅に着いたのは、次の電車が出る時刻の1時間以上前でした。
駅前に何もないのは朝に見て分かっていたので、途中で時間を潰していく手も考えたのですが、それでもまず駅へ向かったのは、運行間隔が2時間も空いた後の電車なのに、編成が2両しかないことを朝に木更津駅の時刻表で見ていたから。
少しでも早く駅に着いて、ホームにどの程度人が集まっているのかを先に見てから、それ以降の行動を決めたかったのでした。
ところが駅前に着いてみると、人がホームにいるどころの状況ではなく、すでに電車が入線していて人を乗せているではありませんか。しかも座席の3分の2程度はすでに埋まっています。
慌てて切符を購入し、一目散に車内に入って空いている席を確保しました。そうでなければ、駅の近くでどこか落ち着いた場所でも見つけて、持って来ていたパンを食べようとしていたのですが、それも車内で食べるハメに。
そうしてもう20分ほど経った頃、発車時刻を40分以上前にして、2両編成の座席はすべて埋まってしまいました。それ以降に来た人は、終点の木更津まで1時間以上立ちっ放しとなったので、とりあえず駅を目指しておいたのは大正解だったのでした。
詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2009_10_12/mt2009_10_12.html#20091128
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