大畠山・蛾ヶ岳
- GPS
- 05:49
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 1,352m
- 下り
- 1,340m
コースタイム
碑林公園 08:10
城山の烽火台 09:15-09:20
四尾連峠 09:45
大畠山 10:00-10:10
蛾ヶ岳 10:45-11:00
四尾連湖 11:40-11:55
(四尾連湖周回 11:55-12:10)
四尾連湖 12:10
四尾連峠 12:25-12:30
古城山 13:10-13:15
碑林公園 13:40
市川本町駅 13:50
天候 | 終日ほぼ快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
JR身延線 市川本町駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
蛾ヶ岳は間近に大きな姿を望める富士山のほか、南アルプス・八ヶ岳・奥秩父といった広い範囲を存分に見渡せる大展望の山です。なぜか「山と高原地図」の収録範囲からは外れていることもあって、一般的な知名度はさほど高くないと思われます。 しかし登ってみると、一定の傾斜の、しかも歩きやすい道がどこまでも続いていました。駅からの標高差は1,000m以上、これだけ歩いて、歩きにくい箇所が全くないというのは特筆すべきことではないでしょうか(頂上直下に少し急坂があるだけです)。 また中腹から上の天然林では、この時期ならではの秋色が素晴らしかったです。さらに、元々の大展望に、冬型の気圧配置がもたらした絶好の展望条件も重なって、大満足の1日となりました。 この山は、一般的には身延線・市川本町駅からの登山道1本しかありません。往路では烽火台と大畠山、復路では四尾連湖という、それぞれ別々の寄り道を加えて変化を付けてみましたが、ルートの大部分は往復ともに歩くことになりました。 ただし駅から長い距離を登る人は少数派でしょうね。四尾連湖まで車で入れるので、多くの人はそこから上だけで済ませてしまうようです。でもそれだと標高差は250m足らずで、登山としての印象は薄くなりそうですが。。。 ※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。 |
感想
市川本町駅では、私のほかには降りる人もなく、また駅の周囲にも全く人の姿がありません。駅を降りた時点から、ほとんど人に会わない歩き始めとなりました。
車道を歩いてまず碑林公園に出ると、公園の奥からすぐに山道が始まりました。良く歩かれた幅広の山道には、段差やその他の要注意箇所なども一切なく、「コース状況」に書いた通り傾斜も一定で、実に歩きやすいです。路面もほとんどが柔らかな土で、しかも今の季節はその上に落ち葉が積もりつつあってクッションとなり、足にも優しい道になっていました。
稜線よりもやや下がった所を行くため、道からの展望はほとんどありませんが、標高800mあたりからは、北側に良い眺めが広がる箇所なども出てくるようになりました。
1時間程歩いた頃、左に烽火台への道が分岐して、急な木段を登っていくと、その上には見晴らしの良い広場があって、復元された烽火台が建っていました。
北側が大きく開けていて、南アルプス北部や八ヶ岳、それに金峰山・甲武信ヶ岳といった名だたるピークがずらりと並んで、中腹のこの時点ですでに素晴らしい展望でした。
この場所、現地の標識では「城山の烽火台」となっていましたが、「仏岩のピーク」とも呼ばれているようです。
仏岩から登山道に戻った先では、1箇所だけ登山道の崩壊箇所を見かけましたが、小さく沢に下って迂回する道ができており、問題なく歩けるようになっていました。
四尾連峠に到着すると、野沢一(知らない人です)の詩碑があり、「文学碑公園」という標識も立てられています。でも詩碑の周囲に僅かな空間があるのみで、くつろげるような場所はありませんでした。
この峠では、道が蛾ヶ岳方面と四尾連湖方面とに分かれていますが、蛾ヶ岳方面には「大畠山→」という道標があるだけでした。蛾ヶ岳の名前だけしか頭にない人が地図を持たずに来たら、ここで少し迷わされそうです。
四尾連峠の先では、いっそう道幅が広がって、車でも通れるような道に変わります。その広い道は四尾連湖から上がってきて、大畠山まで続いていたので、大畠山にあった電波塔の管理用道路と思われます。
大畠山の頂上は、ほとんどを電波塔の建物が占有していて、落ち着ける場所が少ない上に、木立に囲まれてあまり展望もありませんでした。
地形図ではここから北に下る破線路が存在しますが、その方向を見ると「畑熊(芦川)方面、登山道ではありません」という看板が出ています。頂上付近だけを見る限り、踏み跡と言えるレベルでこそないものの、道形はうっすらと認められました。
大畠山を後にすると、しばらくの間は緩やかな下りがほとんどになります。
すぐに四尾連湖から上がってくる道を合わせると、ここからは次々に人と会うようになりました。大畠山までは全く人の姿を見ないで来たので、大変な変わりようです。四尾連湖まで車で来る人の多さが良く分かりましたが、それにしては市川本町駅からの道も良く歩かれている様子なのが不思議ではあります。
それはさておき、このあたりの標高ではきれいに紅葉または黄葉した木々が多く見られて、目を奪われることもたびたび。やがて下りきって登りに変わっても、しばらくは秋色の美しい中を進んでいきます。
緩やかに登ってきた道が、西肩峠で左に大きく曲がると、頂上方向の道は見上げるような急登となっていました。しかも少々長く続くようです。「西肩峠 頂上まで10分」の標識には、マジックで「15分」やら「20分」やらと書き加えられていました。
ここまで歩きやすい道に終始していましたが、この最後だけはその限りではありません。転がるほどの急坂なので、特に下りが苦手な人にとっては帰りは要注意かもしれないです。
急坂を登り切って頂上に着くと、5組ほどが先着していて思い思いの時を過ごしていました。
「コース状況」に書いたような広範囲の展望を楽しめた上に、絶好の気象条件にどの山もクッキリと見えていて、言葉を失うほどの素晴らしさです。
特に南アルプスがほぼ全域を広く見渡せるのが印象的で、普段よく登る中央線沿線の山からでは北部の白峰三山あたりまでしか見えないことが多いので、全域が視界いっぱいに並ぶさまは壮観でした。
いつまでもこの展望を楽しんでいたいところですが、元々の冷え込みに加えて、さすがに頂上では風も強く吹いていて、体感の寒さが倍増しています。いくら日差しがあっても、長い間じっとしているのは辛いので、少し下ってからお昼を食べることにして、休憩は15分で切り上げています。
頂上直下の急坂を少し慎重に下り、西肩峠まで降りてしまえば、あとは穏やかな道です。それにしても、すれ違う登りの人の多いこと。お昼前後の頂上到着を目指すとこの時間になるのでしょうが、混み合う前の静かな頂上を楽しめて良かったと思います。
復路では、往路に寄らなかった四尾連湖を目指していきます。駐車場の前まで下ってくると、すぐ先がもう湖畔でした。
山道はそこそこ人が歩いていたのに、湖畔を散策している人の数は数えるほど。湖はとても静かな佇まいを見せていて、この湖だけを目的に訪れる人は案外少ないようです。今まさに蛾ヶ岳に登っている人たちが、下ってきた後で寄っていくかどうか、といったところなのでしょうか。
四尾連湖畔にたくさんあるベンチの1つに腰掛けて、簡単に食事をとっていきます。
その後は腹ごなしに、湖畔を1周してみることにしました。ゆっくり回って15分ほどの間、特別な見所はありませんでしたが、山の中とは違って完全にリラックスして歩けたので、食後の散策としては打ってつけだったと思っています。
四尾連湖から広い道で四尾連峠まで上がれば、あとは来た道をそのまま戻っていくだけです。
が、そのまま市川本町駅まで一気に下ってしまうつもりだったのですが、地形図にも出ている717m四等三角点のすぐ脇を通過するところで、「浅間社(古城山の砦)」という分岐標識を発見してしまいました(この標識、倒れてあらぬ方向を向いていたので、登る時には全く気付かずに通り過ぎていたようです)。
周囲を見ると、三角点の北にある小ピークの方向に、薄い踏み跡が続いています。時間にも相当の余裕があることだし、ちょっと寄り道していくことにしました。
その踏み跡はほんの微かなもので、標識が倒れていたこともあってか、ほとんど歩く人もなさそうな気配です。
一方でピンクテープが短い間隔で付けられていて、それが案内の代わりだろうと思われたので、すぐに左に分かれて登っていく踏み跡を認識しつつも、しばらくはテープに従って緩やかに下っていきます。
ところが、ずっと下りが続くばかりで様子が変なので、途中までで引き返し、先ほど見送っていた登っていく踏み跡を追うことにしました。すると、こちらでは一切の目印類を見ることはなく、踏み跡もどんどん薄まって、あるかないかという状況です。
それでも、ほどなく古い祠や沢山の石碑の立つピークに到着しました。祠の後方には「浅間神社」と彫られた石があったので、一応は正しく道をたどれたようです。
石碑には立派なものが多いので、かつては相応の信仰を集めた場所だったのに違いありません。でも現在ではかなり荒れてしまっていて、あまり居心地の良い場所でもなく、5分ほど息を整えただけで立ち去ることにしました。
ところで分岐標識にあった「砦」については、頂上にそれらしき物がなく不明のままで終わっています。もしかしてピンクテープの道を下っていけば、そのような物でも見られたのでしょうか?
来た道を外さないよう慎重に登山道に戻れば、今度こそは駅を目指して下っていくのみでした。
詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2009_10_12/mt2009_10_12.html#20091103
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