大杉谷はミステリー?!
tsukico
体力度について
- GPS
- 10:41
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 2,949m
- 下り
- 1,682m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:35
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 4:15
| 天候 | 5/30 晴れのち曇り 5/31 曇り時々晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
http://www.ma.mctv.ne.jp/~s-pearl/tozanbus.html 完全予約制 ツアー料金 1名2,500円 最少催行人数4名より 道の駅奥伊勢おおだい10:30→12:00大杉渓谷登山口 *「道の駅奥伊勢おおだい」JR三瀬谷駅より徒歩10分 【帰り】奈良交通バスhttp://www.narakotsu.co.jp/rosen/rinji/2017spring_oodaigahara.html 大台ケ原15:30→17:23上市駅17:23 ￥2,000 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
※下ノ廊下と比べてみると ①距離 大杉谷＜下ノ廊下 ②高低差 大杉谷＞下ノ廊下 ③危険度 大杉谷＜下ノ廊下 *ヘルメット率で比較 ④混雑度 大杉谷＜下ノ廊下 *平日の場合 ⑤交通難度 大杉谷＞下ノ廊下 ⑥楽しさ 大杉谷＝下ノ廊下 |
| その他周辺情報 | ※『道の駅奥伊勢おおだい』http://www.okuise-odai.jp/ トイレ・自販機・売店(パン・甘味など） ※『大杉谷登山センター』http://oosugidani.jp/ トイレ休憩・登山届提出・自販機有(売り切れ注意） ※『桃の木小屋』https://www.momonokigoya.jp/ 水・トイレ水洗・入浴可 |
写真
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道の駅までは、徒歩10分ほど
路地道が分からず、大通りを
エスパール交通のバスが待っています
今回の乗客は8名
東屋には、大杉谷から下りてきた登山客
おつかれさまでした
では、行って来ます
大杉谷登山センターのお兄さんからのアドバイス
カレーとカツ
もちろん?!カツカレーにして食べました
装備
| 個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
アームカバー
防寒着
雨具
サンバイザー
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図（地形図）
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
山専ボトル
|
|---|
感想
なんで今日に限り、先頭を歩いて来てしまったのだろうか。
今朝は、決して早い出発ではなかったはず。ただ、前日に宿泊した桃の木小屋の朝食が6時からということもあり、朝食をお弁当に替えてもらった私が、たまたまこの日、山小屋を最初に出発する人間になってしまったのだ。
このまま、誰かを待つべきか、それとも意を決して進むべきか。
しかし、何度後ろを振り返ってみても、誰の姿も見えないし、声も聞こえない。
さきほど、私が目にしたものは、いったい何だったのだろうか？
七ツ釜滝を過ぎた崩壊地の手前。右下には宮川の流れ、山側の鎖を気にしながら進んでいると突然、前方の崖上より落石の音がした。大きな石ではなく、小石がパラパラと転がり落ちる音だ。
前を歩く人は、いない。ならば風か、野鳥か。耳をそばだてれば、聞こえてくるのは、落ち葉を踏みしめる何かの足音。人間でなければ、動物。真っ先に思い浮かぶのは、熊である。そう言えば、昨日通った吊橋の真ん中に、動物の糞が落ちていたではないか。
やはり熊なのか。
しまった、熊鈴を付けていない。人気のコースということもあり、すっかり油断していた。だが今更、後悔しても遅い。
音がした方向に、全神経を集中させる。距離にして約5m。
現れたのは…熊…ではない。
逆光のなか、木々の間から見えたのはシルエット、それも胴体だけだが、あれは熊ではない。熊にしては小さ過ぎる。
まるで犬。
こんな山奥に犬？野犬？
野犬であっても危険さは熊と、さほど変わりはしない。
まさか、オオカミ⁈
思わず後ずさる。向こうに気が付かれないように、ゆっくりと音を立てずに、姿の見えない場所まで来た道を引き返した。
オオカミは、人を襲うのだろうか？
野犬に襲われた人の話は、ニュースで見た事があるが、オオカミに襲われた話は聞いた事がない。そもそもオオカミは、絶滅したはず。だけど、こんな山奥ならば、人知れず生き残っていたとしても不思議ではない。
ここは大杉谷峡谷。
ましてや最深部は、10年の間、長らく閉ざされていた秘境なのである。
不思議なことが、もうひとつあった。
昨日、予定よりも5分遅れて道の駅を出た、エスパール交通の大杉谷行きの登山バスには、私を含めて8人の乗客がいた。登山口への到着は、予定通りの12時。
今からの入山となれば、大杉谷を通り抜けるにしろ、ピストンになるにしろ、途中の桃の木小屋で宿泊となる。
バスは、8人を降ろすと、今度は下山して来た登山者を乗せて、行ってしまった。もう、この日のバスはない。
登山口近くの東屋で、思い思いに支度を整える。登山靴の紐を結び直して、蛭避けスプレーを念入りに吹き付けた。登山口を３番目に出発した私が、小屋に到着したのは６番目だった。途中、同じバスだった３人に追い越され、チャーターバスで来ていた団体さんを追い越した。
コーヒーを飲んで、お風呂に入る。団体さんが到着して、夕食を食べ始めても、残りの二人は来ない。小屋番さんも心配している様子だった。確かに危険な場所もあったが、迷うような道ではなかった。
当然、携帯電話は圏外だ。
話は冒頭に戻る。
野犬にしろ、オオカミにしろ、今の私は前に進まなければならない。
やはり、前からも後ろからも、人は来ない。ならば行くしかない。
何やら鳴き声のようなものまで聞こえてくるが、聞かなかったことにする。
まずは、リュックにしまいこんでいた熊鈴を装着。ちなみに私の熊鈴は、上高地の焼岳小屋で熊に遭遇した後、すぐに富山より取り寄せた品だ。ダブルストックを叩き、人間が近くにいる事を知らせる。充分に時間を置いてから、熊鈴をかき鳴らし、おそるおそると進む。
もう、先ほどの場所には、何もいなかった。
そして、あれほど待ち望んでいた、後続の登山者達は、常倉滝吊橋のたもとで遅めの朝食をとっていた私を、あっという間に抜いていった。熊鈴は、ここで外した。
大杉谷を抜けて、日出ケ岳に登り、大台ケ原まで下ると、同じ宿だったご婦人に再会した。
昨日、早めに布団に入ってしまった私は気がつかなかったが、どうやら夜遅くに遅れていた二人が到着したらしいと、教えてくれた。理由は分からない。
嘘(ウソ)か真実(マコト）か。
夢(ユメ)か現(ウツツ)か。
大杉谷はミステリーな場所でした。
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