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ハイキング
丹沢
始めての丹沢。嵐を呼ぶ雨降山【稲荷信者登拝記3】
2017年07月11日(火) [日帰り]


- GPS
- --:--
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 1,052m
- 下り
- 1,044m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 8:10
バス亭より女坂を通って下社まで。そこから山頂〜見晴台を一巡りする定番コース。ビギナー向けとして知られるが、ケーブルカーを利用しない場合の標高差は942mと中々のもの。平均斜度も塔ノ岳(大倉尾根)を上回るとか。
天候 | 地上〜中腹は晴れのち曇り。13丁目辺りより上は濃いガスに包まれ、視界なし。気温は20度(地上−10)。強風&小雨で体感温度はさらに低。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
下社、山頂に茶屋・トイレあり。丹沢はヤマビルが多いと聞いてビクビクしながら登ったが、普通に登山道を歩いていた限りでは影も形もなし。危険箇所等も特に無し。 |
その他周辺情報 | 表参道には土産物屋や食堂など色々。 |
写真
さらに険しさを増す石段を登り続け、下社の下の広場着。左手がケーブルカーの駅で、右手が見晴台へのルート。江戸時代には仁王門が建ち坊舎が並んでいたというが、安政三年の火事で消失したという。ここの茶屋でおにぎり弁当(300円)を購入。店員さんに「上の天気が怪しい」と注意喚起される。
均整の取れた三角形の山は「神の宿る山=神南備山」として神聖視されてきた。吉野裕子氏は、それは大蛇がとぐろを巻いている姿の見立てだと言う。大山も例外ではなく、古くから山岳信仰「大山信仰」の聖地とされてきた。さらにここは雨降り(阿夫利)山として、農民達の深い崇敬も集めてきた歴史がある。ちなみに拝殿は昭和52年に建てられた新築。
「阿夫利大神」の碑。阿夫利神社の祭神は現在では山の神「大山祇大神」とされているが、それは神仏分離以後のこと。それ以前は習合神「鳩岩楠船神(とりのいわくすふねのかみ)」が奉じられていた。さらに古代には非人格神としての山の神霊そのものが祀られていたはず。これは前回の筑波山と同様だ。
山頂の「大山阿夫利神社本社」着。下社からの所要時間は予想ピッタリ120分。麓の登山口からは180分。標高差942mは中々きつかった。およそ運動に縁のなかったインドアマンの中年が7kgの荷物を背負ってここまで登りました。
本社は「鳩岩楠船神(とりのいわくすぶねのかみ)」と呼ばれる磐座を御神体として祀っており、江戸時代は石尊社と呼ばれていた。山頂からは縄文土器も出土していて、古代からの霊山であることを伺わせるが、これは後世に修験者が持ち込んだという説もある。ん?閉まってる…。
雨こそ止んだが、山頂は気温20度に加え強風。レインウェアを羽織って昼食。今週は家のエアコンが使えないので大山に涼みに逃げてきたんだけど、寒くて頭痛くなりそう。カチコチに凍らせてきたスポドリは完全に邪魔者だ。
参拝も出来ず、展望も0ということでさっさと下山すればいいものを、撮影したりご飯食べたり熊さんを待ってたりして1時間も使ってしまった。ちなみに給食を食べるのも遅かった。ここから東の見晴台へは60分ほどのコースタイム。
どうやら自分は下りがもの凄く遅いらしい。他の登山者達は街の階段のようにヒョイヒョイと下っていくが、自分は膝に負担をかけないようにトレッキングポールを使って丁寧に一段一段階段を降りているのが原因だろう。うーん。
「山路最も険阻にして、頂上は常に雲霧深く、ややもすれば大いに雲起こり、忽ち雨を降す」新編相模国風土記稿に描かれる通り、まさにこれが古より変わらない大山の姿なのだろう。相模の人達がこの特異な気象条件に神威を感じ、畏敬の念を持って雨降山と崇めたのも頷ける。この山には今もまだ神がいるのだ。
修験の修行場であった二重瀧。傍らの二重社の祭神は高龗神。ここにはかつて丑の刻参りの名所(?)であった杉の老木「呪いの杉」があったという。そういえば貴船も丑の刻参りで有名だ。丑の刻参りは橋姫と関連がある。橋姫のように鬼と変じ、憎い相手を取り殺すのが丑の刻参りの呪術だ。橋姫というだけあり、これは水神信仰とも関連がある。丑の刻参りとは水の神の御力を借りて鬼と成るらしい。
装備
MYアイテム |
![]() 重量:-kg
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---|---|
個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
カメラ
ポール
|
備考 | 水は1.6Lを用意。上が寒かったので余り消費せず、500ml以上余った。 |
感想
三回目の登拝は高尾、筑波に続く関東ビギナー三山のラスト大山に挑戦。丹沢は都心から2時間とアクセスがよく、バスも遅くまであり安心感がある。ここは小学校5年生の頃に遠足で訪れているのだが、記憶には何も残っていない。
前回失敗した交通機関のダイヤは確りと把握し、トレッキングポールの扱いにも少し慣れてきた。装備品も増えて荷が7kg(飲料込み)となったが、それを担いで標高差942mを登りきったのは自信になった。去年までは街で一眼レフを持ち歩くのにもヒイヒイ言っていたんだから、我ながら大した進歩。
今回は初めての荒天となり、山の天気というものの一端を味わう。地上は太陽がギラつく30℃超の猛暑日にも関わらず、中腹からは20℃+嵐で、朝から夕刻まで天候変化の兆しもない。これには驚いた。
登りはまずますだったが、下りはかなり遅れてしまった。登山のハウツーものでは必ず「山では歩幅は小さくゆっくりと歩き、マメに休憩しましょう」なんて教えるが、限度があるだろう。最低、コースタイムくらいで歩けなくては行動時間の長い山には行けなくなってしまうじゃないか。
大山は霊山として今なお生きている山で、信仰者として貴重な体験が出来た。登山バッジも買いそびれたので、また訪れたい。
【満足度 ★★★★4】参道や神社の雰囲気がよく、山頂の展望もあり(晴れれば)お手軽に観光登山が楽しめる。アクセスも良いので気軽にまた来たい。
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