御岳山のレンゲショウマ―夏の終わりの寂しさといい思い出と



- GPS
- 02:30
- 距離
- 5.0km
- 登り
- 433m
- 下り
- 427m
コースタイム
天候 | 曇ときどき晴のち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
拝島08:20/08:27(JR青梅線「ホリデー快速おくたま3号」) 御嶽08:55 御嶽駅(西東京バス) ケーブル下 |
写真
感想
結局オホーツク海高気圧が居座り、関東地方の今年の8月は雨のまま終わりそうだ。
東京地方は8月1日から昨日まで連続して18日間雨が続いており、8月の連続降水記録としてはこのままいけば1977年の22日の記録に並ぶそうだ。
今年のオホーツク海高気圧は、8月の連続降水記録の更新に挑戦中らしい。
天気が安定しないので今週末も特に予定は入れずにいたのだが、友人から御岳山にレンゲショウマを見に行こうとの嬉しいお誘いが。
御岳山のレンゲショウマは有名なので聞いたことはあったのだが、夏場に御岳山に行こうと思うことがなかったので見たことがなかった。
今年は8月に入ってから不順な天候が続いているので例年より開花も遅れていて今ぐらいからが見頃になっているようだ。
今日は午後から雷雨の予報だったので、御岳山でレンゲショウマを見るくらいのハイキングならなんとか天気も持ちそうだ。
待ち合わせたホリデー快速おくたま号もこの時期にしては空いていた。
不安定な天気なのでハイカーも山行を見合わせているのかもしれない。
今日は曇天ながら南海上からの湿った空気が入り込んでいて蒸し暑いし、なるべく早く下山してくるために往復ともケーブルカーを利用。
ホリデー快速おくたま号が空いていた割にはバスもケーブルカーも思ったよりも混んでいて、これはレンゲショウマが見頃を迎えているからのようだ。
御岳山のレンゲショウマはなんとなくイメージからロックガーデンのところに咲いているのかと思っていたら、ケーブルカーの駅からすぐの富士峰園地のところが群生地のようだ。
最初に武蔵御嶽神社に参拝することにし、途中のビジターセンターでレンゲショウマの咲いている場所を確認したら神社の参道の階段や本社の裏にも群落があるとのこと。
さっそく本社へと向かっていくと、随身門のあたりでもう咲いているのを見つけた。
もっと小さくて可憐なのかと思っていたのだが、草丈も大きく花も大きい。
想像しているのと実際見てみるのとは大違いだ。
花もなんだか不思議な美しさを持っていて初めて見る雰囲気だったのだが、自分の知っている植物で一番近いのはシュウメイギクだったので、キンポウゲ科かな?と思った。
後で調べてみたらキンポウゲ科レンゲショウマ属の1属1種であり、東北地方南部〜近畿地方の太平洋側の温帯域に分布し、複数の都道府県でレッドリストの絶滅危惧種に指定されているとのことだ。
田中澄江の『新・花の百名山』では、甲武信岳の花として紹介されているようだが甲武信岳に夏に登った時にも、他の山でも見かけたことはなかった。
この御岳山の群生地は厳重に保護されているのか、または播種等をして繁殖させているのだろうか。
同種であってもミスミソウのように個体差が大きいらしく、花の形や色が個体ごとに異なっている。
本社や大口真神社のあたりをぐるぐるして友人と色々な花を比べて、一番きれいなのはこれだね、というのを見つけた。
全体的に白っぽくて、花も大きい。
神社付近は全体的に霞がかかってきていて、その中で雫滴るレンゲショウマの花を観賞していると、今日ここでこういう風に過ごせている幸せを感じる。
武蔵御嶽神社は酉年が特別な年で「酉年式年大祭」が執り行われると昨年知ったので、今年は今回で3回目の参拝になるがご利益があったのかもしれない。
自分も酉年生まれなので、この「酉年式年大祭」を知ってから武蔵御嶽神社にはより不思議な縁を感じるようになった。
いつもロックガーデンに来るとよく見る滝と別の滝があるらしいのだが、よく分からない。
せっかくなのでその滝を目指してロックガーデンも少し歩いてみることにする。
そのもう一つの滝というのが綾広の滝だと思って向かっていたのだが、天狗岩のところに着いて地図をみたらいつも見ていた滝が綾広の滝であることが分かった。
そしてそのもう一つの滝である七代の滝はこの天狗岩から下ったすぐのところであることが分かりちょうどよかった。
階段を下り着いてみると、綾広の滝よりも高低差はないが、勢いのいい滝だった。
滝からは涼しい風が吹き出してきていてとても気持ちがいい。
友人が故郷から買ってきてくれたお菓子を食べつつ、周囲で見つけたタマガワホトトギスを見ながら暫し憩う。
この七代の滝、もしかしたら昔ロックガーデンを歩いた時に見たかもしれないけれど、見ていないかもしれない。
記憶が定かでなくなっている。
友人も昔ロックガーデンで転んだという記録があるらしいが、それがどこかはもうわからないなんて話をしつつ歩く。
なんかいろいろなことがどんどん過去に消えていくのが怖い気もする。
武蔵御嶽神社周辺ではレンゲショウマに注目している人は少なかったのだが、群生地である富士峰園地まで戻ると、写真撮影をしている人が大勢いた。
レンゲショウマを目的に来た人は、この富士峰園地を目指してくるようだ。
ここで撮影している人たちはほとんどが一眼レフで、撮影を目的に来たことが一目瞭然だった。
確かに神社周辺よりは自然に群生している感じがして風情がある。
レンゲショウマは富士峰園地のピークの北側に群生していようで、これはカタクリが氷期のレリック(残存種)であることから北斜面に群生するのと同様のことなのかちょっと気になった。
思ったよりゆっくりとレンゲショウマを観賞したので、ケーブルカーで下るころには昼過ぎになった。
下りでケーブルカーに乗ったのはもしかしたら初めてだったかもしれないが、運転手さんのアナウンスが面白い。
どこかのケーブルカーかロープウェイで名物車掌さんがいるという話を聞いたことがあるが、観光地の乗り物のアナウンスはこういう風にユーモアがあるといいなぁと思った。
帰りは奥多摩駅に移動して、もえぎの湯と駅前のビアカフェバテレで打ち上げ。
今年は夏らしい暑さがないまま、なんだかあっという間に夏が過ぎていく感じがして寂しい感じがしていた。
でもそんな夏の終わりにひとつ夏のいい思い出ができたような一日だった。
もえぎの湯ではハイカーよりも多摩川でのキャンプの人たちがたくさん入浴しているようで、夏休みの子供たちもたくさんいた。
この子供たちも夏休みのいい思い出がたくさんできたのだろう。
帰りの電車では、窓に打ち付ける激しい雨。
その雨を見ながら、どんどん過去は過ぎ去っていくものだけれど、消えて行ってしまうのではなく積み重ねていければと思った。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する