夏のわくわくを心に秘めて 霧ヶ峰湿原と人を巡る旅
- GPS
- 02:27
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 227m
- 下り
- 243m
コースタイム
- 山行
- 2:24
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 2:25
天候 | 朝雨が降ったため、足元が厳しい |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 霧の駅で「天ぷらそば」 しゃくなげの湯 アルカリ性単純温泉 |
写真
感想
8月26日から29日、職場の休みを取り、長野方面に出かけることとした。この夏最後の遠征、南アルプス(甲斐駒ケ岳)、中央アルプス(空木岳・南駒ケ岳)に今年出かけていたので漠然と北アルプスだなあと思っていた。
3泊4日だったらいろいろ行けそうだと思っていたのだが、26日朝に雨が降ったので、1日は近場で過ごし、27日から北アルプスに入ることとした。そして、長野方面で気軽に歩くといえば霧ヶ峰からの赤線繋ぎと考えた。
深田久弥は著書「日本百名山」の中で、「歌でもうたいながら気ままに歩く。もちろん山だから登りはあるが、ただ一つの目標に固執しない。気持ちの良いところがあれば寝転んで雲を眺め、わざとわき道にそれて迷ったりもする。・・・中略・・・、霧ヶ峰はその代表的なもののひとつである。」と書いている。私も何回か来たことがあるが本当にそう思う。もう最高峰の車山は目指さない、車山からつながっている赤線をつなぎながらいろいろ歩いてみたいのだ。
看板によると「車山湿原」「八島湿原」「踊場湿原」を霧ヶ峰の三大湿原というそうだ。車山湿原と八島湿原はすでに周回したことがあるので、今回は霧の駅から踊場湿原周回を目指すこととした。そして余勢があれば文学碑などがいろいろあるのでそれも回ろうと考えた。
雨上がりの霧の駅、もう秋なのか夏の休日で大盛況という雰囲気はなく、閑散としていた。小雨から曇りになってゆく時間、それでも自家用車がやってきてハイカーが準備を始めていた。数組見送った後、意を決し自分も準備を始める。本日の靴は使い古したザンバラン・スパークとする。もう一足持ってきた靴は次の日以降に使用することとする。ストックは使わずいつ雨が降ってきてもよいように傘をストック代わりに持つ。
霧の駅前でGPSを入れてスタート、湿原に向けてアスファルトの道を下る。思いのほか調子よい。夏の花は名残となっており秋の花が少しずつ増えてきている。季節の変化を感じながらのハイクである。雲は勢いよく流れ、晴れ間が見えたり曇ったり、太陽が顔を出したり隠れたり、でも雨の雰囲気はもうない。そういう感じで湿原の入口にたどりつく。
踊場湿原はある程度短い時間で周回を終える。手入れがされていないので藪なのだ、しかも朝一の雨で藪が濡れている、土の道はどろどろになっている、靴下が濡れ始める。しかし一度入り込んだ道、出るためには周回しなければならない。傘で藪をかき分け、とにかく進む。ジャノメチョウやヒョウモンチョウが多く見られるが近づくと逃げてしまうのでなかなか撮影もできない。
川を渡る。湿原には川が流れていることが多い。その川を渡るということは湿原周回も半分を超えたのだ。湿原の真ん中には池のようなものが見えている。その後も新たな生物を見つけることなく、景色に感動することもなく湿原の周回を終えた。ここで、まだ余力があると思い、人物をめぐる周回を追加することとした。
霧の駅付近から、スキー場方面に歩みを進めると左手にグライダーが2機見えている。そう、霧ヶ峰は日本グライダー発祥の地とされており現在でもグライダー飛行を楽しむことができる。
そして、藤原咲平さんの記念碑があった。第5代中央気象台長を務めた気象学者である。ちょうど戦中期において、風船爆弾など気象を使った兵器の開発にも携わっていたために戦後は公職追放になってしまう。気象について幅広い研究を行い、後身育成にも力を尽くした。特に「藤原効果」と呼ばれる熱帯低気圧が2つ以上接近したとき法則の発見とそのメカニズムの解析、日本における気象用語の整理などの功績がある。また諏訪湖の「御神渡り」についての研究もある。霧ヶ峰グライダー協会を発足し、グライダー大会を開催したことから「日本グライダーの父」とも呼ばれている。甥に作家の新田次郎がいる。諏訪市図書館に「藤原咲平記念室」があり、整然の著作や胸像などが展示されているそうだ。
その後、長塚節さんの歌碑を撮影して、スキー場の斜面を下ってくる。後は少々の歩行で霧の駅に戻ってこられた。
どろどろの靴を脱ぎ、靴下も取替え、霧の駅で朝食である。長野に来たら1度は蕎麦を食べたいものだ。長くて冷たい蕎麦が好きである、個人的にはゆでて冷水でぬめりを取ったあと再び温める必要性を感じないのだ、冷水でぬめりを取ったらそのままつゆをかけるか、つゆに浸すか・・・。で、天ぷらそばなのだが、この店には「天ぷらそば」「とろろそば」「稲荷寿司つきそば」の3種類しか冷たいそばはない。しかも「とろろそば」は売り切れであった。よって食べたのは「天ぷらそば大盛り」である。
その後、霧の駅で明日以降に使うザックの準備をする。何を詰め込み何を出し・・・必要な物は何か・・・。そして、買出し、スポーツドリンクの粉、ペットボトルのスポーツドリンク(1リットル、2リットル)・・・。そして、次の日、忘れ物多すぎ・・・。と後悔するのである(下界価格で買えずに高い値段を出して買った)
まあ、次の日からこの夏最大のわくわくが始まるのである。どんな3日間になるか想像しながら夢の世界に落ちていった。
コメント
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aideieiさん、こんにちは!
夏のわくわく山旅、もちろん次のメインレコも拝見いたしました!!
本当にわくわくで溢れていますね〜
こちらの湿原、地図で名前は見ていましたが
車山、八島湿原、鷲ヶ峰で精いっぱいでまだ歩いたことがありません。
少し下ったところにあるのですね。
我が家の来年の夏は「信州」の番です!
駅でゲットした「ディスティネーション信州」という冊子を眺めては
どんなプランにするか、今からわくわくしています!(早い?)
sumihiyoさん、こんにちは、コメントありがとうございます。
夏の霧ヶ峰、もう何度も行くところになっています。地域が広くて、常に新しいところに行っています。そして、夏であればかならず高山植物と蝶に出会えるところがいいところです。
次はゼブラ山、鷲ヶ峰、車山から白樺湖方面、霧ヶ峰はまだまだ行くべきところが多いです。こういう乙な山を入れているところが、深田久弥さんの「日本百名山」が白眉だと思わされるところです。
aideieiでした。
aiさん
こんばんは
湿原のお花散策良いですね。
この辺りに途切れた赤線があり繋ぎに行きたいと思っていたのですが、今夏はもう無理のようです。
次の日の「夏最大のわくわく」・・読むのわくわくしてきました。
hamburg
HBさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
朝雨が降ったため、1日停滞し、霧ヶ峰に行きました。そうでなければ、この日から北アルプスに入っていたようです。
でも、この日にここに来ることができた、特に藤原咲平さんの石碑に出会えてよかったと思っています。気象学は登山をするうえでも必要な知識と思っていますが、日本の気象学の発展に寄与した藤原さんに触れることができ、さらに起床についても学んでいきたいと思いました。
aideieiでした。
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