中央アルプス最北端の山・経ヶ岳/笹藪に苦戦し敗退
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.0km
- 登り
- 773m
- 下り
- 778m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
さらに、ここから300m程林道を進むと、右手にダム湖の河原に下りるダート道がある。この幅広い道脇に十台以上は停められるが、川遊びの車で混むかもしれない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
黒沢山から南東に伸びる主稜線上を通っている大泉ルートに乗るために、大泉ダム湖から主稜線上1590m圏コブの南尾根を登った。その後、黒沢山経由で経ヶ岳に登り、仲仙寺ルートを降りて周回する予定だった。 1590m圏コブ南尾根の7, 8割は膝程度の笹藪で、微かな踏跡を拾いながら登る。 主稜線に出ても笹藪は続き、踏跡も笹に覆われて不明瞭。次第に笹は濃くなり、腰辺りの高さになったので、標高1675m付近で断念する。 1590m圏コブまで戻り、そのまま主稜線を下る。笹藪は減ったが、尾根筋は大半が不明瞭な踏跡で、軽い藪漕ぎも強いられる。 1479m峰の南側鞍部で主稜線から分かれ、南南西に落ちる派生尾根を下る。林業の境界標識や赤テープが頻繁に現れ、微かながら踏跡も続く。標高1150m辺りで工事中の林道に飛び出し、後は林道歩きでゴール。 行き帰りの林道歩き以外、100%踏跡程度の道で、ほとんどが微か。どこを歩けば良いか、常にルート選択に気を使う。 道標は皆無。危険個所は無い。 |
写真
感想
経ヶ岳は全国各地にある。我が家近くの丹沢にも標高633mの経ヶ岳があり、昔は子供たちと、最近は孫たちと何度も登っている。
今回登ろうとした経ヶ岳は標高2296mと最も高く、中央アルプスの最北端に位置している。二百名山の一つで、仲仙寺から登山道があり、ほとんどの人はこのルートを往復するようだ。でも、往復では面白くない。
経ヶ岳の北東に黒沢山がある。ここから南東に主稜線が伸びていて、この尾根沿いに大泉ルート(正式名称は不明なので、ここでは仮称する)として登山道があるらしい。そこで、これを使い、黒沢山を経由してから経ヶ岳に登り、仲仙寺ルートを降りれば周回できる。
さらに、大泉ダム湖の脇を起点とし、主稜線上の1590mコブから伸びる南尾根を登って大泉ルートに立つ。さらに、下りでも、仲仙寺ルート途中の四合目から大泉ダム湖に下りれば、麓の車道歩きが全てショートカットできる。よし、これで行こう。
これでもかなりのロングコースなので、陽が昇った直後の5時20分に出発した。
1590mコブ南尾根はほぼ予想通りだった。7, 8割は笹藪を進むが、膝程度なのでさほど苦痛にはならない。
1590mコブに着いた。後は主稜線に付いている大泉ルートの一般登山道を辿れば良い、と楽観していた。ところが、ムムム・・・
どこに登山道があるの?
主稜線は一面の笹藪に覆われて、踏跡は不明瞭。先ほど登ってきた南尾根と大差ない。とても一般登山道とは言えない状態だ。
笹藪の表面を良く観察すると、僅かな窪みが見つかり、これで踏跡の存在を推測するなど、ルート探索に気を配る。さらに、歩いていても足元は笹に覆われて直接見えないので、踏跡の右に寄り過ぎたのか、あるいは左に寄り過ぎたのかは、踏んだ足裏の感触に頼る。
それでも笹に隠れた切り株や枝につまずいたり、脛をぶつけたり。とてもペースを上げるどころではない。
笹藪は次第に濃くなり、腰近くまで高くなってきた。膝程度だったら、軽い笹のラッセルにしか感じなかったが、こうなると体力的にも厳しくなる。
この状態がどこまで続くのだろうか?仲仙寺ルートに合流するまでか。そこまでかなりの距離と標高差があるので、時間的にも体力的にもかなり厳しい状況に追い込まれるだろう。
この先、エスケープルートとして使えそうな派生尾根はない。強行して抜けるか、あるいは途中で戻るしかない。もう齢なのだから・・・
や〜めた。諦めよう。
黒沢山への急登が始まる手前、標高1675mであっさり退却した。
退却ルートとしては、登ってきた道をそのまま降りるのがオーソドックスだが、時間に余裕があるので、この主稜線上の大泉ルートを辿って麓の吹上集落まで降りてみよう、と考えた。しかし、道は不明瞭だし、藪漕ぎすら強いられる。
地形図を読み直すと、この主稜線上の1479m峰から、折れ曲がりながらも南南西に落ちている派生尾根がある。これを降りれば、朝、通った大泉林道に直接出られる。主稜線を辿っても藪漕ぎなら、こちらの派生尾根で藪漕ぎしても同じだ。麓の車道歩きが無いだけましだ。
と言うことで、1479m峰の南側鞍部で主稜線から分かれて、南南西に落ちる派生尾根を降りた。
結果的にこの下山ルートは正解だった。この派生尾根は林業業者の分担境界らしく、その境界線を示す赤テープや境界標識が頻繁に現れるし、管理用の踏跡も微かながら認識できる。
結局はほとんど藪漕ぎもしないで、延長工事中の林道に降り立った。後は30分弱の林道歩きでゴールできた。
それにしても大泉ルートは一体どうなっているのだろうか。
南尾根を上がって1590m圏コブに着いた時には、やれやれこれで大泉ルートの整備された登山道を辿れば、後は楽に経ヶ岳まで登れる、とホッとした。でも、現実には今まで登ってきた南尾根と変わりはない笹藪漕ぎ。最近、全く笹は刈り払われていないようだ。
古い案内書の地図に、この大泉ルートが描かれていた。案内文は載っていなかったが、地図中に記載されているのだから、ここにも一般登山道があるのだろう、と勝手な解釈をして、今回選んだのだ。
今では大泉ルートなんて無いのかしら?
今回は経ヶ岳登頂という目的こそ達成できなかったけれども、あまり頂上には拘らない。むしろ、途中のルートをどれだけ楽しめたか、あるいは苦しめられたかによって印象が変わる。
今回は上りも下りも大いに苦しめられた。
最初に登った南尾根はヴァリエーション・ルートと言える。だから、常にルート選択に神経を遣うのは当たり前。でも、その後は一般登山道なのだから楽勝、と踏んでいた。ところが、実際は大泉ルートもヴァリエーション・ルート並、主稜線から分かれた下山ルートも同様だ。
結局、大泉林道から登りだして工事中の林道に降りて来るまで、終始緊張の連続であった。
このおかげで、頂上には登れなかったけれども、この不満を埋めるに十分な程、充実感を味わった山行でした。
負け惜しみかな?
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