高崎観音塚考古資料館＋安中学習の森「弥生時代のはじまり」二度目の正直
hirokok510
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- 距離
- 21.2km
- 登り
- 141m
- 下り
- 140m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年12月の天気図 |
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注連引原（しめひきはら）�彊篝廚両鮑�文系土器（東海系）−学芸員に尋ねると、土器の伝播系統は南関東からか中部北陸方面からかは不明という
横野台地には弥生前期末から中期初頭（紀元前3〜1世紀？）のこの地域の農耕開始時期の集落や再送墓にかかわる遺跡が広がっている。出土する土器には、在来系、東海系など様々な系統の土器があるようだ。
上人見遺跡（昭和35年発見）の第2号土器棺墓（東京大学と群馬県立博物館＝当時＝により昭和40年出土）ー右の頸部のない土器棺を左の甕の破片に覆われて発見された（群馬県立歴史博物館蔵）
上人見遺跡の土壙墓群の再調査（安中市教育委員会＝平成22・24）で、1号2号の中心の土壙墓の周囲を環状に土壙墓が配置され、さらに別の場所に再葬されることが判明ー弥生のこの時期の再送墓の構造を解明するうえで貴重な遺跡らしい
農耕のはじまり（中期前葉から中葉）―中野谷原（なかのたにはら）遺跡の発掘で、初期の畑作に加えて稲作が開始されたことが判明―学芸員の話では石器から判断したというー
打製石斧より大型の石鍬ー安山岩など硬い石で製作され、刃部は繰り返し打ち欠き、再生して使ったようで、石斧のような激しい摩耗がみられないという。
同ピット出土黒曜石原石（諏訪産）と大陸系大型蛤刃石斧（輝緑岩）―弥生時代に入っても中部高地〜関東北部の黒曜石流通ルートは健在（大工原豊氏の研究によれば縄文前期・諸磯b「式期から流通専業者が発生したという）
農耕開始期（前期末から中期後半）の土器と石器の変化ー石鍬や横刃型石器、石鏃の形の変化、中期後半における大型蛤刃石斧の登場など
二軒在家原田頭遺跡の中期後半期の出土土器は、櫛描文（中部〜北陸系）の栗林式土器の影響が見え、石器には石鍬や横刃石器などの農耕用石器と黒曜石の素帰属など縄文的な要素が混ざり合っている
柱状節理の発達した石の産地は大山東麓、西麓の他、茂沢南石堂遺跡（森泉山）、坂本北裏遺跡（刎石山）、横壁中村遺跡（丸岩＝八ッ場ダム））など、石棒の出る遺跡付近には柱状節理のある山などがあることがわかる。その石は、大山東稜は花崗岩、、森泉山南東麓は輝石安山岩、刎石山北東部は輝石安山岩、丸岩も輝石安山岩だが、文化財指定のものは破壊検査ができないので産地の特定は難しいようだ。
弥生時代の土器変遷1）前期末〜中期前半＝縄文食の残る土器に弥生文化の影響が現れる2）中期後半〜後期＝長野盆地の赤い土器を持つ集団が碓井峠を越えて入植し、農耕をもたらす
ここの図録は数年前、最初に訪問した折にいくつか購入した記憶があるが、資料の山で確認できず迷った末、黒曜石ロードと古代牧の図録を購入、いずれ資料の山を発掘整理したときに解明されようーー？？
感想
11月の祝日の翌日に観音塚と安中学習の森を訪問し、ともに休館日だったが、今回は確実に開館している日曜日に再訪。数年前に多分群馬県立歴博友の会の見学会に参加してきたような気がするが、記憶は定かでない。スケジュール表を見ると2014年3月と2015年1月に群馬県立歴史博物館友の会の遺跡見学会に参加している。別の記録を見ると2014年3月は上野国分寺跡や総社古墳群などを見学し、2015年1月のものは記録がない。どうやら2015年に高崎観音塚や安中市学習の森に行ったようだが記録も記憶も定かでない。群馬八幡駅でチャリを借り、まず観音塚古墳考古資料館に行く。観音塚古墳の出土品などを見る。一括して国の重要文化財に指定された金銅製馬具や鉄製武具、銀装珪頭太刀、銀装鶏冠頭太刀など素晴らしい出土品が整然と展示されている。これは確かに2015年早春にみたものだった。11月に見逃した企画展（小さな古墳のものだたり）の図録などを求め、安中市学習の森に移動。10�劼△泙蝓�40分くらいで行けるかと思ったが、ママチャリでの登りは厳しく、やはり50分もかかってしまう。安中市にある横野台地を主舞台とする縄文晩期から弥生時代への移行期の遺跡の出土品を見る。在地の縄文系土器の中に、条痕文（東海系）土器が混ざり、また南東北系土器も見られる。弥生中期に入ると本格的な農耕が始まるとみられ、いち早く農耕社会が形成された北陸の小松式土器も見られる。農耕開始の証拠は畑や水田遺構などは未検出だが、石器の変化にその兆しがみられる。横刃形石器、石鍬、太型蛤刃石斧などだが、それに交じって黒曜石製石鏃もあり、縄文的な暮らしを残していた。利器だけを見ると、この段階ではいわゆる「石器時代（新石器）」が続いていたことになる。青銅鏡や鉄器が古墳などから出土するのは古墳時代になってからのようだ。数少ない弥生遺跡のうちで目立つのは再葬墓で、土器棺墓の土器がいくつか展示されている。見学を終えてから学芸員の情勢にお願いしていくつか質問することができた。まず、弥生中期の農耕の開始だが、やはり、石器の変化からそれを推定しているという。縄文晩期や弥生前期末、中期初頭などの炭素年代の測定は安中市内の遺跡では行われていないようだ（予算がないためだろう）。土器の相対年代により時期を推定するよりない。また石器以外の土器の圧痕などの調査も行われていないという。長野の栗林式土器や北陸の小松式土器など、農耕の始まった地域との交流の跡がみられる。また2階の常設展示に移り中野谷松原遺跡のシンボル、イノシシ面付把手など、獣面把手の山などを見る。学芸員にお聞きしたところ、暑気の諸磯b式期（前期）から中期までの様々な時期のものが並んでいるそうだ。また西野牧小山平遺跡の石棒製作遺跡の石棒展示と一回で見た図録で、ここの館長が縄文石器の大工原豊氏であったことを思い出す。最近も黒曜石流通の話を聞いたばかりだった。その後、簗瀬二子塚古墳の出土品や古代の牧や官道などに関する展示を見ていくつか学芸員の話を聞き、いろいろと親切に質問にお答えいただいた学芸員に感謝し、館を後にした。
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