剱岳
- GPS
- 14:10
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 2,307m
- 下り
- 2,288m
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
ゼルダの伝説ブレスオブザワールドの剣の試煉がクリア出来ないので、劔岳の試練と憧れを受けて来ました。本当に大変でした。
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この日は低気圧の通過が予想され午後から大荒れになるとのことでしたが、それまでに樹林帯まで戻れると見越して挑みました。しかし予想を上回る荒れ具合いで、日帰り組には酷な状況となりました。早月小屋では、危険なので止めるように言われたのですが、とりあえず稜線まで行ってから決めるということで先に進みました。
早月小屋から登頂した方々は既に山頂から下りて来ていて、アイゼン必要でしたか?と、ルートの情報をオウムのように何度も聞きました。
やがて、冬山装備ではない方が続々引き返して来ました。トレラン組・・敗退、軽アイゼン組・・敗退、すれ違う際に口を揃えて、命のほうが大切だからと言う人が多くなりました。訊くと一部雪の斜面をトラバースしなくてはならず、濡れた氷になっていたとのことでした。
もう少しで稜線という所で、先行した女性が突風に煽られて吹っ飛んで行きました。
目の前で起きた突然の出来事に現実を受け止められずにいました。真っ白な闇の中に消えようとするその姿を、彼女のパートナーと私は何も出来ずに見つめました。クライマーズハイとか自己責任だとか言いますが、痛覚が何処かに行ったかのように口を開けて見ていました。
人が突風で飛ばされるというのはなかなか想像出来ないかもしれませんが、雨天装備が災いし、全身がカイトのように暴風を受けていました。ゴゴゴッという音は彼女をお腹の辺りから何度も殴り上げる音に聞こえました。ザックの雨天カバーがはち切れんばかりに膨れ上がっていました。間違いなくあのカバーは破けて飛んで行くだろうと思った矢先、耳を疑うような風の音がしました。自然の力が一線を越えて、こちらに来たんだという気がしました。彼女が指先で微かに岩に触れているのが見えました。
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