比叡山麓ハイクで見たものは


- GPS
- 05:00
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 1,000m
- 下り
- 1,003m
コースタイム
天候 | うっすら雲に覆われた空でした。 気温は高め。 歩いていると汗をかく陽気でした。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
朝の自治会の用事を済ませて車を走らせ、今回の山は比叡山。
ただ今回は大比叡の山頂は目指さず、山麓のハイキングにしました。
実は前日まで行き先を確定できず、あちらこちらの地図を広げては迷っていました。
早朝からの行動ができない分範囲が限定されることと、生活パターンが少し変わったことにまだ順応ができていない体にあまりムリをさせられないことがありました。
・・・でも最近ひとつ思っていることがあって気は楽なんです。
「どこの山に行っても『ここに来てよかった』と思えているんだから、場所を選ばなくていいんじゃないか」って・・・
春に登った比叡山の荘厳な空気をまた感じることにしました。
ルートは少し変えて、霊山の空気に触れながら歩いてみます。
神社や寺のたたずまい、その場の空気はとても好きなんです。
でも神様仏様に手を合わせたり頭を下げるのはできないんです・・・
仏様の正面には立ちますが、「南無・・・」ではなくて、「こんにちは」とつぶやくぐらい。
手を合わせることに意味を見出せないでいます。
今回もいいかげんな地図読みでここだろうと目星を付けた道に入り、住宅地を抜けていくらも行かないところで道端におじさんが一人立っていました。
林業関連の人かと思ったのですが、近づいていくとむこうから声をかけられました。
「はじめて見たらショックやろ」
おじさんの足元にはたったいま撃たれたばかりの雌の鹿が転がっていました。
(そう、転がっていたんです)
近くの地面には猟銃が置かれていて、狩った鹿を引きずって道に出してきたところのようで、猟師のおじさんがシカの足を持って引っ張ると、まだ硬直していないシカの体がぐねぐねと動くのが妙にリアルで情けなくも足がすくんでしまいました。
この鹿は命を失ったんだとはっきり認識させられて、そのことが意外なほど衝撃的で、私はただ無表情で立っていたようです。
かわいそうだとか残酷だとかは頭に浮かびませんが、命を失うってことはこういうことなんだと、とんでもないタイミングで目の前に広げられてしまいました。
歩き出して10分で遭遇したこの場面。
写真に収めることもできず、自分の中で消化することもできず、ただこの日は一日中頭の中に鹿がいました。
そこから気を取り直して・・・というか、あまり取り直さないでまた歩き出しますが、登山道が尾根を巻いているところで何を思ったかその尾根を直登します。
「壺笠山」の山頂を目指しますが、当然道はありません。
この尾根のピークがそうだろうと確信はあったので、40分ほど斜面と格闘しながらよじ登り、無理やり山頂に到着です。
ここでサックの中に弁当がないのに気がつきました。
途中のコンビニででも何か仕入れて、と考えていたのをすっかり忘れて山に入っていたんですね(汗)
こんなときのための非常食!と取り出したのがカロリーメイトと塩ようかん。
ここで道に迷って夜を過ごす心配はないだろう・・・で、一件落着です(再汗)
この山域を通る比叡山ドライブウェイに時々出合いながら、くねくねと道は続きます。
どこに着くことが目的ではない今回、時間が流れていくのを感じながら歩きます。
途中の祠にお参りをする人を見たり弁天堂の境内(?)の空気に浸ったり、久しぶりに手持ち無沙汰の一歩手前、贅沢な時間の使い方だった気がします。
予想外のエピソードに考えさせられた一日でもありました。
命が消えるって、やっぱり大きなことでした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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日曜日にもかかわらず、静かな山歩きの感じがします。
でも山歩きも怖いなあ
クマやシカと間違えられてパ〜ンと撃たれたり、流れ弾が飛んできたり
お疲れさまでした
こんばんは!
猟師のおじさんの言葉ですが、
「もう別の山に移動するからここから登ってもええで」
って・・・
事故も起こりうるってことですよね・・・
このルートは歩く人は多くなく、散策にはお勧めですね
ボリュームを求めると、少し物足りないかも・・・
もちろん組み合わせるルートはたくさんありますよ
こんばんは。
お疲れさまでした。
何年か前に松の馬場から行者道から比叡山に登りました。
今回は普段目にしないものを見られたようですが、滋賀県も鹿が増えすぎて、農作物の被害や山の木々の新芽を食べ尽くし、山が崩壊する危険のあるところも多いとニュースで聞いています・・
また、滋賀の他の山を登っていても、鹿の被害には手をこまねいているそうです・・・。
最近、よく行くゴルフ場でも、誰も悪さをしないことから、親子の鹿が恐れることなく、のんびりと芝や雑草をモグモグしているのを見かけます
山に入るときは、鹿と間違われないようお互い気をつけましょう
鹿が害獣だとはよく聞きます。
確かに頷ける話だし、鹿を狩ることを非難するつもりはありません。
野生動物はいろんな場面で死と隣り合わせのリスクを背負って生きているものだろうし、人間に狩られるのもそのリスクのひとつだろうと思っています。
そう頭で(理屈で)理解していたつもりのことを、目の前で見せ付けられたショックが大きかったのに驚いたことでした。
文字や空想ではない、死んでいった鹿に教えられた気がします。
はじめまして、mikuniです。
昨年、所用で約1ヶ月大津に住まいしていた時、このルートを歩きました。
鹿ですが、私の住んでいる神奈川県でも、繁殖が激しく、年間1600頭が駆除されています。私も撃たれた鹿を見たことがあります。かわいそうですが、地元の人の観点からすれば、仕方ないのでしょうね。
「どの山に行っても、、良かったと思える」同感です
優劣を比較するものではないということなんでしょうね
比叡山〜滋賀県はしばらくご無沙汰をしていますが久しぶりに行ってみたくなりました
鹿とのことがなければ尚、清々しく気持の良い山歩きでしょうにね
滲んだ色合いの落葉が綺麗です
鹿がかわいそう・・・なんでしょうね
繁殖力は確かにありそうで、比良・鈴鹿でも群れ(家族?)で走り回っていますよ。
駆除であれ趣味であれ鹿を狩ることは否定しません。
(西洋のように狩ったシカの首を壁に飾る悪趣味
善悪を決め付ける必要も感じません。
単純に、今死んだ鹿を見た衝撃です。
この鹿にはいろいろ教えてもらった気がします。
この先も何度も思い出すだろうとおもいます。
私も鈴鹿で目撃しました・・・
同じく死んだ鹿を・・・
猟師でなく野犬にやられたカモシカでした。
真夜中だった事もあり、ホントに怖かったです
被害が多ければ駆除される、野生の世界は弱肉強食、共に当たり前の事でしょうけど、いざ目にすると衝撃は大きいですね。
あっ、私もどこの山に登っても良かったと思えます
優劣なんか付けられないし、何かしら印象は残りますからね
何かに急かされない、時間が歩調をあわせてくれるような山道でしたよ
山に入ったときに見るものは本やネットで下調べしたものとは違うことが多いです。
ガスっていたり、時間帯がずれていたり、登山者が多すぎたり、etc.
ただ雑誌のグラビアには追いつかないかもしれませんが、目の前の景色の最大の価値は自分がここに立っていることなんです。
この日、この時間、この場所に私がいる。
こんな貴重なことはありません
ガスで何も見えなくても足が感じているこの地面をしっかり記憶しておきたいものです。
1年ほど前、この辺をあちこち歩きました。
monsieurさんの入られた登山口、僕も行きました。前後の写真を見ても覚えのある光景です。
でも、当時gpsなど持っておらず地図と格闘していました。地図上の登山道(点線)を歩いているつもりで進んでいくのですが、次第に一致しなくなり途方にくれたり・・・
壺笠山は面白いところから登られたんですね。僕はそういう近道大好きです!!
夜中に野犬の群れを見るのは怖いだろうな
人はどうしても目の前で起こることに善悪の区別を付けたがるように思えるのですが、それがひとりよがりの価値観だったりいらぬおせっかいだったり、あとから反省する場面も多いようです。
一人しか神様がいない宗教の国はその傾向が強く感じられるのですが・・・
八百万の神々の住むこの国は多様な価値感の居場所があって、平和な国民性の理由のひとつだと思っています。
神様に頭を下げられない私の居場所はあるのでしょうか
岩間山から袴腰山への無理やりルートのレコを拝見して、ちょっと楽しそうだと思ってしまっていました
唐突なルート変更ではありましたが、そのことも大きな原因に違いないです
(責任転嫁完了
勢いで動き出すと案外行ってしまうものですね
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