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Yamareco

記録ID: 150559
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キャンプ等、その他
阿蘇・九重

雲仙

2011年11月19日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
---km
登り
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下り
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コースタイム

すべて車で移動
阿蘇800〜長洲(ながす)1000〜(フェリー)〜多比良1100=1300〜雲仙1400〜島原1500=1600〜多比良1700(フェリー)〜長洲1800〜熊本大津1930
天候 小雨〜強風
過去天気図(気象庁) 2011年11月の天気図
アクセス 阿蘇〜熊本市〜長洲〜フェリーで〜多比良(たいら)〜雲仙〜(往復)
コース状況/
危険箇所等

頂上部(高度1100m)の仁田峠はガスで視界100m、小雨。登山は全くしなかった。
 当日阿蘇市を車で出発して、熊本から長洲へ。熊本から雲仙へは陸路だけで回るのは能率が悪くて、通常フェリーで車ごと渡る。熊本〜島原の高速フェリーがあるが高いために、もう一本の長洲〜多比良(たいら)に乗る。車込みで片道45分乗って、1500円とは安い(キャンペーン中だった)。そこから(そこは雲仙市国見町だが)、サッカー校の国見高校は目の前で、そこを通って雲仙の高度1100mまで車で行く。が、不運なことに、もらい事故して、警察呼んで、2時間のロス。田舎のドライバーは運転が悪い。
 何も見えない山を観光して島原に降りて、平成新山溶岩流を見たり、ガスが少し切れて下から雲仙を見上げたり、また同じフェリーで戻った。火山の噴火とは信じられないことをするものだ。
火砕流で崩壊した学校がそのまま、記念碑に。
2011年11月19日 15:58撮影 by  EX-H10 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
11/19 15:58
火砕流で崩壊した学校がそのまま、記念碑に。
平成新山のガラ場、溶岩流跡斜面。
2011年11月19日 16:13撮影 by  EX-H10 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
11/19 16:13
平成新山のガラ場、溶岩流跡斜面。

感想

長崎の雲仙なんていうところを見学すると、登山者とは厚顔無礼か、傍若無人かと思う。深田さんのクラブによれば、ここは日本二百名山に数えられる。それはかつては普賢岳のことだったが、わずかに20年前の噴火で、平成新山という山が、にょきにょきと溶岩流で高度を百m以上も上げて(都心スカイツリーの到達高度を喜んでいる場合じゃない)、雲仙の最高峰となった。長崎の最高峰でもある。その山はすでに死火山に等しくて、溶岩流に埋まった地区はすでに溶岩流を除去して、そこに新築住宅を建てている。
「もう20年前の出来事ですからね」
と地元はいうが、私にはつい昨日のことのように思うが。
危険じゃないかと思っても、危険ではないという。阿蘇が百年来今でも噴火しているのに、雲仙の噴火はすでに終息した。ただ平成新山の登山禁止はなお続く。
 こんな場合に、かつての二百名山選定の時のように、普賢岳頂上付近の時代遅れなロープウェーを利用して、さらに1時間歩いて、普賢岳に登頂しても、なんも雲仙の魅力なんかではない。せめて、島原の町から、詳しくいうなら「まゆやまロード」という観光道路でも車で走った方が、その新山の溶岩流が今ではどうなっているのかよく観察できる。少なくとも、茶色にガレて、削がれたその新山の島原側の斜面が登れれば、登っていいならば、そこに登山道ができるならば、海から歩いて新山の頂上まで登ってみたいと、衝動的に思わずにはいられない。しかしその地下には、当時の噴火で40数人の人が溶岩流で亡くなった。それを知ってもなお、登山者とはそういう危険っぽい道楽を感じる。
 実は雲仙岳そのものも、実は二百年前の江戸時代の噴火で、1万5千人が亡くなって、島原は全滅して出来上がった山岳なのである。死亡者の規模だけでいうなら、東日本の震災と等しい。地元の人は、その話をした。
 二百年前とは、そんなに古い話じゃない。関東大震災が80年前とするなら、そのわずかに120年前のことでしかない。そのときに、それだけが被災したのに、火山が休止すると、そこに島原という現在の都市が形成された。そこに20年前にまた噴火が起きて、その規模は江戸の噴火よりも小さかったから、島原の町は救われて、隣の山村に先の被害が出ただけである。でも東京に住んでいる私にしても、その20年前の普賢岳の噴火の被害に死者が出たことくらいは当時のニュースに聞いていた。
 他人のせいにするわけじゃないが、深田さんのクラブも、江戸の大勢の犠牲者があってもなお、この雲仙を二百名山とするなら、登山者とは自己中心主義である。
 人類とは同じことを繰り返す。同じ失敗も繰り返す。20年前の溶岩流のその場に、今また新築で住んでいる人がいる。忘れたわけじゃないが「もう来ない」。それを地元の行政も認めているのが怪しい。さらにいえば、登山者とはそれをすべて知っていてもなお、その平成新山のそがれた山肌を、まさか谷川岳の一ノ倉沢と同じだとは言わないが、見ているだけじゃなくて、登りたいと思う。自然に憧れるとは、災害を持たらせた自然にも憧れると同義語だ。平成新山という山を目の当たりにすると、奇妙なことを思う。

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