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記録ID: 1582195
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ハイキング
奥多摩・高尾

稚児はいつも酷い目に会う。岩殿山【稲荷信者登拝記18】

2018年10月03日(水) [日帰り]
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GPS
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距離
7.9km
登り
587m
下り
595m

コースタイム

日帰り
山行
3:35
休憩
0:55
合計
4:30
10:10
15
10:25
10:25
15
10:40
10:40
20
丸山公園
11:00
11:40
70
12:50
13:00
15
13:15
13:20
80
14:40
大月駅
岩殿山は、富士急行への連絡があるJR大月駅から1時間で山頂に立てる標高634mの駅前山。途中の分岐から落差200mの絶壁「稚児落とし」へ向かう道には、断崖をトラバースする非常に高度感のある岩場があるのだが、残念ながら2018年より通行止めになっている。大月駅から周回する約8km、所要時間3:30のお手軽ハイキングコース。
過去天気図(気象庁) 2018年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
■往復 JR中央本線【大月】より徒歩
のんびりとやってきて10:00に大月駅に到着。ここは何度も利用しているが、下りたのは初めてだ。古代の神社をモチーフにしたような駅舎が面白い。屋根に付いている鳥居の風見がいいね。
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のんびりとやってきて10:00に大月駅に到着。ここは何度も利用しているが、下りたのは初めてだ。古代の神社をモチーフにしたような駅舎が面白い。屋根に付いている鳥居の風見がいいね。
いい秋晴れの日だ。大月は高いビルもなく、空が広々として気持ちがいい町だな。平日の半端な時間なので登山姿の人は全く見ない。では出発。
いい秋晴れの日だ。大月は高いビルもなく、空が広々として気持ちがいい町だな。平日の半端な時間なので登山姿の人は全く見ない。では出発。
まずは線路を渡り北東方面へ向かう。行く手に見えているのが岩殿山のようだ。ここからも絶壁がはっきりと伺える。あそこを歩くのかな。
まずは線路を渡り北東方面へ向かう。行く手に見えているのが岩殿山のようだ。ここからも絶壁がはっきりと伺える。あそこを歩くのかな。
桂川に掛かる鉄橋を渡る。案内の道標はあまりない。日差しが強く、10月とは思えない暑さだ。
桂川に掛かる鉄橋を渡る。案内の道標はあまりない。日差しが強く、10月とは思えない暑さだ。
15分歩いて公園の入り口のような登山口に到着。
15分歩いて公園の入り口のような登山口に到着。
ここ岩殿山は13世紀には修験道の行場として栄え、16世紀の戦国時代には戦略上の要衝として城が築かれたそうだ。今でも遺構が残っており、宗教史・城郭史上の価値が認められて「歴史景観保全地区」に認定された…以上のようなことが書いてある。
ここ岩殿山は13世紀には修験道の行場として栄え、16世紀の戦国時代には戦略上の要衝として城が築かれたそうだ。今でも遺構が残っており、宗教史・城郭史上の価値が認められて「歴史景観保全地区」に認定された…以上のようなことが書いてある。
丸山公園とふれあいの館。かつての岩殿城を偲んだこの建物では写真の展示などが行われているらしい。トイレは断水の為、使用不可になっていた。
丸山公園とふれあいの館。かつての岩殿城を偲んだこの建物では写真の展示などが行われているらしい。トイレは断水の為、使用不可になっていた。
公園らしく整備はされているものの、結構な急登が続く。標準タイム通りに行くと、30分で200m登る計算になるので中々だ。ふれあいの館から15分登ったところで稚児落としへの分岐に差しかかった。
公園らしく整備はされているものの、結構な急登が続く。標準タイム通りに行くと、30分で200m登る計算になるので中々だ。ふれあいの館から15分登ったところで稚児落としへの分岐に差しかかった。
まずは岩殿山へ。巨石を利用した門の跡を抜ける。ここ岩殿城は武田勝頼が織田の大軍を迎え撃とうと望みを掛けた要害の地だったが、形成不利と見た城主が織田に寝返ったため、勝頼は行き場を亡くしてあえなく山中で誇り無く討たれたという、いわくのある地である。
まずは岩殿山へ。巨石を利用した門の跡を抜ける。ここ岩殿城は武田勝頼が織田の大軍を迎え撃とうと望みを掛けた要害の地だったが、形成不利と見た城主が織田に寝返ったため、勝頼は行き場を亡くしてあえなく山中で誇り無く討たれたという、いわくのある地である。
11:00、岩殿山山頂?に到着。大月市のHPではここの写真が山頂として紹介されていたので自分もそのつもりでいたが、下山してから調べたら三ノ丸跡展望台だったようだ。おい大月市…。
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11:00、岩殿山山頂?に到着。大月市のHPではここの写真が山頂として紹介されていたので自分もそのつもりでいたが、下山してから調べたら三ノ丸跡展望台だったようだ。おい大月市…。
山あいの僅かな平地に広がる大月市の様子が一望できる。東京を少し離れると、本当に日本は山ばかりの国だと気付く。ここは桜の名所でもあるそうだ。
山あいの僅かな平地に広がる大月市の様子が一望できる。東京を少し離れると、本当に日本は山ばかりの国だと気付く。ここは桜の名所でもあるそうだ。
ではお祀りをしようと思ったら鳥居が折れている!なんと不吉な…。お稲荷さま、自分は今日死ぬんでしょうか…?そういえば常にない荷の軽さのせいか、駅で背負おうとしたザックをドサッと落としてしまったんだった。あの時か。
ではお祀りをしようと思ったら鳥居が折れている!なんと不吉な…。お稲荷さま、自分は今日死ぬんでしょうか…?そういえば常にない荷の軽さのせいか、駅で背負おうとしたザックをドサッと落としてしまったんだった。あの時か。
なんとかはめ込んでどうにか形を整えた。前回の富士山では嵐でお祀りできず申し訳ありませんでした。来年こそは。
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なんとかはめ込んでどうにか形を整えた。前回の富士山では嵐でお祀りできず申し訳ありませんでした。来年こそは。
気を取り直してお昼。とはいえ、30分しか登っていないのでお腹が空いていないな。とりあえずお握りだけでも食べるか。
気を取り直してお昼。とはいえ、30分しか登っていないのでお腹が空いていないな。とりあえずお握りだけでも食べるか。
低山もそろそろ色付いてきた。2000m級はそろそろ見頃だろうか。誰もいない展望台には静かな風が吹いていた。
低山もそろそろ色付いてきた。2000m級はそろそろ見頃だろうか。誰もいない展望台には静かな風が吹いていた。
撮影&お昼などで40分休憩し、いざ稚児落としへ出発しようとしたら、先程は見えていなかった富士山がぼんやりと顔を覗かせていた。一度山頂に立った後は感慨もひとしおだ。あの時は嵐で酷い目に合い、帰りに熱も出してしまったが、もうまた登りたくなっている。友達を見るような目でしばし眺めた。
撮影&お昼などで40分休憩し、いざ稚児落としへ出発しようとしたら、先程は見えていなかった富士山がぼんやりと顔を覗かせていた。一度山頂に立った後は感慨もひとしおだ。あの時は嵐で酷い目に合い、帰りに熱も出してしまったが、もうまた登りたくなっている。友達を見るような目でしばし眺めた。
分岐まで引き返し、稚児落とし方面へ。道はとても荒れている上に、中央部が落ち窪んでいてV字のようになっていて非常に歩き難い箇所が多い。しかも傾斜もキツイ。山頂までの急登といい、これは散歩に来るには結構キツイ山かもしれない。
分岐まで引き返し、稚児落とし方面へ。道はとても荒れている上に、中央部が落ち窪んでいてV字のようになっていて非常に歩き難い箇所が多い。しかも傾斜もキツイ。山頂までの急登といい、これは散歩に来るには結構キツイ山かもしれない。
分岐。鎖場ルートと安全な林間ルートを選べるらしい。もちろん目当ての鎖場へ。
分岐。鎖場ルートと安全な林間ルートを選べるらしい。もちろん目当ての鎖場へ。
いよいよ鎖場の登場だ。最初からかなりの角度。
いよいよ鎖場の登場だ。最初からかなりの角度。
続いて第ニ弾。ここも登りだ。さっきよりも急で垂直に近い角度。
続いて第ニ弾。ここも登りだ。さっきよりも急で垂直に近い角度。
鎖場を登りきるとまた展望が待っていた。位置からすると、ここは駅前から見えた絶壁の上になるようだ。
鎖場を登りきるとまた展望が待っていた。位置からすると、ここは駅前から見えた絶壁の上になるようだ。
そしていよいよ絶壁のトラバース…と思いきや、なんと通行止めになっている。焦って大月市のHPを確認したところ(町が近いので普通に電波は入る)、一部崩落のため今年の春あたりから通行不可になっていたようだ。なんてことだ、ここを目当てに来たのに…はあ〜。
そしていよいよ絶壁のトラバース…と思いきや、なんと通行止めになっている。焦って大月市のHPを確認したところ(町が近いので普通に電波は入る)、一部崩落のため今年の春あたりから通行不可になっていたようだ。なんてことだ、ここを目当てに来たのに…はあ〜。
林間ルートの迂回路を通り、再び見晴らしのよい稜線に出た。奥に見えるのが岩殿山だ。岩殿山から西に続くこの道は、城に何かあった時に落ちのびる為のルートだそうだ。夜に松明を持って稜線を歩いたりしたら見つかるのでは?
林間ルートの迂回路を通り、再び見晴らしのよい稜線に出た。奥に見えるのが岩殿山だ。岩殿山から西に続くこの道は、城に何かあった時に落ちのびる為のルートだそうだ。夜に松明を持って稜線を歩いたりしたら見つかるのでは?
その後も岩場・鎖場が数回出てきて、絶壁を歩けなかった自分を慰めてくれた。しかし大した場所はない。
その後も岩場・鎖場が数回出てきて、絶壁を歩けなかった自分を慰めてくれた。しかし大した場所はない。
三ノ丸展望台から1:10歩き、天神山に到着。樹林に囲まれて眺望はない。ここまで100m以上下ってからまた100m登り返しているので、ここだけで累積標高差は200mほどとなる。
三ノ丸展望台から1:10歩き、天神山に到着。樹林に囲まれて眺望はない。ここまで100m以上下ってからまた100m登り返しているので、ここだけで累積標高差は200mほどとなる。
お腹が空いてきたので休憩。この山は大月駅の裏山といった感じなので、町が非常に近く、山の中の孤独感というものが感じられない。
お腹が空いてきたので休憩。この山は大月駅の裏山といった感じなので、町が非常に近く、山の中の孤独感というものが感じられない。
少し下ったところにお社を発見。天神山だから天神さまだろうか?とにかく御挨拶だ。
少し下ったところにお社を発見。天神山だから天神さまだろうか?とにかく御挨拶だ。
天神山から15分でとうとう絶壁・稚児落としに到着。このあたりの標高は580mほどで、崖下までは200mもの落差があるという。
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天神山から15分でとうとう絶壁・稚児落としに到着。このあたりの標高は580mほどで、崖下までは200mもの落差があるという。
「ほぼ垂直に切れ落ちているので、下を覗きこむのは危険」と大月市のHPにあった。
「ほぼ垂直に切れ落ちているので、下を覗きこむのは危険」と大月市のHPにあった。
先程正面に見えていた崖の上を歩く。富士山が望める開放感のある稜線歩きはこのルートのハイライトだろう。町さえ見えなければミニ大菩薩嶺という感じだ。
先程正面に見えていた崖の上を歩く。富士山が望める開放感のある稜線歩きはこのルートのハイライトだろう。町さえ見えなければミニ大菩薩嶺という感じだ。
さっきの場所を振り返る。奥には岩殿山。ここは史跡としても面白く、一見の価値がある場所だ。
さっきの場所を振り返る。奥には岩殿山。ここは史跡としても面白く、一見の価値がある場所だ。
稚児落としからは30分で麓の浅利集落へと出られる。この辺りも急な上にかなり荒れていて歩き難い道が続く。足元はザレていて滑り易く、最後の鎖場もある。気が抜けない。
稚児落としからは30分で麓の浅利集落へと出られる。この辺りも急な上にかなり荒れていて歩き難い道が続く。足元はザレていて滑り易く、最後の鎖場もある。気が抜けない。
この屏風はなに?と思ったら…
この屏風はなに?と思ったら…
岩の表面に根を張っていた木が強風で根ごと倒されたもののようだ。は−すごいな。
岩の表面に根を張っていた木が強風で根ごと倒されたもののようだ。は−すごいな。
14:00、浅利集落に下山。まだ小川の桂川に沿って大月駅まで歩こう。この辺りは道が入り組んでいて方向を見失い易いので注意して歩こう。道標も少ない。
14:00、浅利集落に下山。まだ小川の桂川に沿って大月駅まで歩こう。この辺りは道が入り組んでいて方向を見失い易いので注意して歩こう。道標も少ない。
バス通りをてくてく40分。
バス通りをてくてく40分。
14:40、大月駅に帰着。お手軽3時間半ハイキング、休憩含めて4時間半。
14:40、大月駅に帰着。お手軽3時間半ハイキング、休憩含めて4時間半。
では中央線で東京へ帰ります。お疲れさまでした!
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では中央線で東京へ帰ります。お疲れさまでした!

装備

MYアイテム
inaritozan
重量:-kg
個人装備
Tシャツ ズボン 靴下 グローブ 雨具 日よけ帽子 ザック 昼ご飯 行動食 非常食 飲料 コンパス ガイド地図(ブック) ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め 携帯 時計 サングラス タオル カメラ
備考 飲料1.3L(麦茶、スポドリ、トロピカーナマルチビタミン)

感想

夏の疲れもあり、18回目の登拝は近場の低山、岩殿山に気軽なハイキングへ。

修験の行場・戦国の城郭跡という歴史にも興味を惹かれるが、一番の身所は稜線沿いの大絶壁「稚児落とし」。さらにその前後には岩場・鎖場が点在し、中でも垂直の絶壁をトラバースする鎖場は低山では屈指のスリル感で知られる。

鎖場のスキルアップを目当てに訪れたのだが、残念なことに今年の春あたりから肝心の絶壁トラバースは通行止めになっていた。古い情報を見た人は要確認。稚児落としは非常に見応えがあり、上からの見晴らしも中々だった。

全般的に道が急で、岩殿山を離れると、訪れる人も少ないのか荒れている箇所が目立つ。浅利集落への下りは急な上にザレていて転倒の危険もある。鎖場も多く、低山ながら舐められない山という印象で、ここを夜にヘッドライトで歩くのは勘弁だ。ビギナー向けではないが、それゆえ高尾・大山・塔ノ岳あたりからのレベルアップには手頃かもしれない。


そういえば、先月行った江ノ島にも「稚児ヶ淵」という場所があり、その名の通り海に沈められた稚児の説話が伝わっていた。稚児ってあちこちで酷い目に合っているな。というか、近代以前の世の中では人間は無残な最期を迎えるのが珍しくもなかったに違いない。それでも、やはり心情として子供の死には皆心を痛めていた。それが地名に残されているのだろう。

目当ての絶壁鎖場が歩けなかったのは残念だが、岩殿山〜稚児落としは都内からのアクセスが良く、登山だけでなく史跡としても楽しめる山。いつも通り過ぎている大月駅で一度は降りてみるものいいかも。


【今回の課題】今回は近場ということで緊張感がなかったのか、寝坊や忘れ物などミスが目立った。あこがれの富士山に登拝して気が抜けたというのもあるかな。次回の谷川岳には気を引き締めて行こう。

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この記録に関連する登山ルート

ハイキング 奥多摩・高尾 [日帰り]
岩殿山(大月駅より稚児落しを経由しての周回)
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
技術レベル
1/5
体力レベル
2/5

この記録で登った山/行った場所

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