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Yamareco

記録ID: 160406
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
阿蘇・九重

九重山(長者原―坊ヶツル―池の小屋―中岳(往復))

1985年10月12日(土) 〜 1985年10月13日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
17.8km
登り
1,208m
下り
1,208m

コースタイム

10/12
長者原11:00―11:50雨ヶ池越―12:20坊ヶツル(昼食)13:30―15:00池の小屋―道迷い―16:30池の小屋―16:50中岳―17:10池の小屋(泊)

10/13
池の小屋6:11―8:40長者原
天候 10月12日:曇りのち一時雨
10月13日:風雨のち曇り
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
久大本線・豊後中村駅から飯田高原までバス
コース状況/
危険箇所等
長者原からタデ原という湿原を横切って雨ヶ池越までは問題なし。そこから坊ヶツルまでは、草原のなかで道が複雑に分岐している個所があるが、基本的には問題ない。坊ヶツルから白口谷経由池の小屋までも問題なし。

問題は池の小屋から先で、計画では1日目は池の小屋から久住山を越えた先の避難小屋で宿泊する予定だったが、池の小屋から久住山に登るルートが霧に巻かれてわからず、結局池の小屋泊まりを余儀なくされた。池の小屋の北側には池になっている旧火口(御池)や、空の旧火口などがあって複雑な凹凸を示す地形となっているため、霧に巻かれるとルートが非常にわかりにくかった。当時の記録からそのまま引用してみる。

池の小屋前の道標に従って久住山方面へ向かう。濃いガスの中を行くと、わけのわからない梵字の彫られた石碑があり、その先に大きな黒い岩が見えてきた。近づいてみると、驚いたことに、それは先ほどの石室(池の小屋)であった。霧の中で一周してしまったわけだ。そこで、今度は注意深く踏み跡をたどっていくと、先ほどとは違う感じなのでほっとしたが、なんと、また別の道から小屋前に戻ってしまった。これは危ないと思い、石室に荷を置き、熱いコーヒーを沸かした。マットを敷き、シュラフを出して、少し休んでから偵察に出た。今度は来た道を少し戻り、南登山道の方へ向かい、その途中から右に分かれる登り道に入った。その道が久住山に通じていると思ったからだ。ところが、この道までもが、石室に通じていたのである。半分あきれて、その日に久住山を越えるのはあきらめた。16:30頃だった。

いま読み返してみてもちょっと怖い感じがしますし、いったいどこをどうさまよったのか、一度天気のいい日に確認してみたいと思っています。

白口谷の登りから振り返る坊ヶツルの湿原地帯。
白口谷の登りから振り返る坊ヶツルの湿原地帯。
池の小屋の石室。ここで一夜を明かした。
2012年02月17日 23:09撮影
1
2/17 23:09
池の小屋の石室。ここで一夜を明かした。
九州本島の最高峰、中岳の頂上にて。
九州本島の最高峰、中岳の頂上にて。

感想

大学一年の秋、九州名山めぐりをした記録の第二弾です。第一弾、開聞岳はこちらです。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-160396.html
前日の開門岳から降りて、西鹿児島から夜行列車で大分に向かいました。大分で降りるはずが乗り過ごし、福岡県の行橋まで行ってしまったので時間をロスし、多少遅いスタートとなりましたが、池の小屋までは順調でした。しかし道がわからず池の小屋で一夜を明かすこととなりました。

大した低気圧が通ったわけではないと思いますが、その夜の九重山上はかなりの強風でした。池の小屋は文字通り石でできた石室で、入口が空いているほかは窓もなく、入口には扉の代わりに毛布が下がっていました。その毛布が風ではためくのを抑えようと、大きな石を探して何度か取り替えましたが、そのたびに風でめくれあがり、効果がなく、よく眠れない一夜を過ごしました。

翌朝もガスで視界は10mに満たず、風は平均で15m位、瞬間的には30m位の強風が吹き、立ってまっすぐは歩けないような状況でした。そこで久住山を断念して往路を戻り、次の目的地の祖母山に向かいました。前日に何とか九州本島最高峰の中岳を往復することができたのはもっけの幸いでした。

因みにこの池の小屋近辺では、昭和5年8月11日、山頂で月を見ようと入山した九大医学部の学生二人(21歳)が風雨と道迷いにより遭難死しており、池の小屋はその翌年(1931年)に建てられたのだそうです。恐らくは同様の事故の再発を防ぐためでしょう。私が風雨の中で見た梵字の石碑も、実はその際の遭難碑だったようです(以下のURL参照)。
http://www.oct-net.ne.jp/~w-hasama/oitayama/sonanhititle.html
そう考えると、霧の中で私を何度も小屋に引き戻してくれたのは、「ここから先へ進むと危ないよ」という遭難者の霊からの忠告であったかのようにも思えてくるのです。なお、池の小屋は老朽化のため2006年から使用禁止になっていましたが、2009年の冬山シーズン前に再建されたようです。ただ、新しい小屋も以前と同じ土間だけ、扉無しの小屋になっているようです。
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2009_123967268631.html

いずれにせよ、このときの九重山は私にとっては非常に思い出の深い山行の一つです。九重山はその後も一度訪れて法華院温泉に泊まっていますが、久住山の頂上にはまだ登っていません。九重山は多くの峰とたくさんの温泉をもつ山なので、今度はぜひ久住山に登るだけでなく、三俣山や稲星山、大船山にも登り、麓の温泉にも泊まってみたいです。

九重山のあとは祖母山に向かいました。(こちらがその記録です)
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-160409.html

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